天皇問答 河出新書

奥泉光

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309631813
ISBN 10 : 4309631819
フォーマット
出版社
発行年月
2024年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
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内容詳細

明治・大正・昭和・平成・令和―。私たちにとって天皇とは、皇室とは何なのか?神格化のはじまり、「大正流」の可能性、昭和の戦争と熱狂、行幸啓の変遷、宮中祭祀の内実、「平成流」の功罪、「象徴」の意味、令和の空気、皇室のこれから…。しばしば作中で天皇制や戦争を扱ってきた小説家と、天皇研究の第一人者が、対話を通じて、この国のかたちと行く末を問う。

目次 : 1 天皇制の見方・考え方(天皇制の何が難しいか/ フィクショナルな出発点/ 徳川時代と変わらない ほか)/ 2 昭和の戦争と天皇制(江戸時代との断絶と連続/ 「国家神道」への道/ 天皇が東京に移るということ ほか)/ 3 昭和から平成へ、平成から令和へ(代替わり体験/ 天皇崇拝の構造/ 昭和の聖性、平成の聖性 ほか)

【著者紹介】
奥泉光 : 1956年、山形県生まれ。国際基督教大学大学院比較文化研究科修了。作家。『ノヴァーリスの引用』(野間文芸新人賞)、『石の来歴』(芥川賞)、『神器』(野間文芸賞)、『東京自叙伝』(谷崎潤一郎賞)、『雪の階』(毎日出版文化賞、柴田錬三郎賞)など著書多数

原武史 : 1962年、東京都生まれ。明治学院大学名誉教授、放送大学客員教授。日本政治思想史専攻。『「民都」大阪対「帝都」東京』(サントリー学芸賞)、『大正天皇』(毎日出版文化賞)、『滝山コミューン一九七四』(講談社ノンフィクション賞)、『昭和天皇』(司馬遼太郎賞)など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • パトラッシュ さん

    どんな制度や法規も時代の変化に応じて調整されなければ、錆びついてガタが来る。明治国家建国時に国家統一の象徴として設計された近代天皇制も、敗戦という大変革を挟みながら基本的に維持されてきたため老朽化が隠せない。しかし天皇制打倒を一貫して掲げてきた左派は他の案を持たず、右派は蟻の一穴を恐れて一切の改革を拒む。そんな身動きがとれない現状と未来について語り合う原氏と奥泉氏は現行制度に批判的だが、逆に言えば自分の理想とする形なら支持するのか。各人が求める「国のかたち」を論ずる上で、天皇制は格好の議論のネタなのかも。

  • trazom さん

    このお二人だから予想通りの問答が展開する。万世一系は明治時代に作られたフィクション。元々は天皇機関説だが、「顕教による密教征伐」(久野収)がなされ、戦時中は、実際は「天皇は現人神を演じ、国民は臣民を演じた」(加藤周一)のだと。天皇制に反対のお二人だが、阪神大震災や東日本大震災後に直ちに被災地に入った平成の天皇と、地震の三か月後に能登を訪問した今上天皇を比較することには底意地の悪さを覚える。被災者に寄り添うのは、本来、政治の仕事。その政治が信頼を失っている中で、象徴天皇と国民との関係に意味があるように思う。

  • たま さん

    奥泉光さんの『虚史のリズム』に促されて読んだ。主に明治以降の天皇制がテーマだが、二人の知識と問題意識が噛み合って面白かった。加藤周一の「舞台で演じるように」信じるや大澤真幸さんの「アイロニカルな没入」などの見方に成程と思う。原さんは戦前戦中戦争末期の昭和天皇の言動を丁寧に押さえ、その結果天皇の視点から見たその時々の情勢が新鮮だった。奥泉さんの問題提起〈死者をいかに悼むか〉は米仏など〈戦勝国〉のニュースを見るたびに私も感じること。もっと議論に値すると思う。

  • 梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」 さん

    ▼天皇制に関する著書が多い原氏と、天皇制を扱う小説の著者でもある作家の奥泉氏、この二人の対話の記録である。▼明治以降の天皇を取り巻く制度や民衆の天皇に対する捉え方の変遷、戦争と天皇の個人的思考、新憲法に対する昭和天皇の理解の問題、平成の天皇夫妻の考え方…こういったことに話題が及んでいる。▼旧宮家の復活には反対…というこで、少なくともネトウヨには受けない内容だと感じた。▼二人とも天皇制に反対と表明しているものの、天皇制に対する造詣が深く、愛着を感じているようにも窺えたが、実際のところどうなのだろう…。

  • mori-ful さん

    近代天皇制について知りたければまず手に取るべき一冊。なぜ天皇制は必要とされたのか? 第二次大戦の敗戦でなくならなかったのか?支配層/中間層/大衆という区分が独創的だが、論争的でもある(久野収の密教/顕教図式のアップデート版とも言える)。なにより形式的なものが、天皇と臣民という役割構造こそが実在の天皇よりも重視される。コジェーヴのいうスノビズムを想起した。

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