この国の戦争 太平洋戦争をどう読むか 河出新書

奥泉光

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309631509
ISBN 10 : 4309631509
フォーマット
出版社
発行年月
2022年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
288p;18

内容詳細

日本はなぜ、あの戦争を始めたのか?なぜ止められなかったのか?戦争を描いてきた小説家と、戦争を研究してきた歴史家が、日本近代の画期をなした言葉や史料を読み解き、「軍人勅諭」や「教育勅語」が時代によって読み方を変えるさまを見、それぞれが必読と推す文芸作品や手記などにも触れつつ、今あらためて、日本人の戦争を問い直す―。「ポツダム宣言」「終戦の詔書」を読む解説コラムも収録。

目次 : 1 太平洋戦争とは何かを考えるために(戦争と物語/ 国民統合の方法としての軍隊/ 西周が説いた将校の道徳 ほか)/ 2 なぜ始めたのか、なぜ止められなかったのか(「満蒙」とはどこか/ なぜ満州か/ 謀略による満州直接支配へ ほか)/ 3 太平洋戦争を「読む」(戦争を支える気分―清沢洌『暗黒日記』/ 物語を批判する小説―田中小実昌『ポロポロ』/ 個人と国家の媒体なき対峙―山田風太郎『戦中派不戦日記』 ほか)

【著者紹介】
奥泉光 : 1956年、山形県生まれ。国際基督教大学大学院比較文化研究科修了。作家。近畿大学文芸学部教授。『ノヴァーリスの引用』(野間文芸新人賞)、『石の来歴』(芥川賞)、『神器』(野間文芸賞)、『東京自叙伝』(谷崎潤一郎賞)、『雪の階』(毎日出版文化賞、柴田錬三郎賞)など、著書多数

加藤陽子 (書籍) : 1960年、埼玉県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。東京大学大学院人文社会系研究科教授。専攻は日本近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • パトラッシュ さん

    ほとんどの国で国民は自国の歴史を「偉大な祖国が英雄的な戦いの末に栄光を獲得する」物語として受け取る。そこに生きる自分たちは優れた民族であり、他国より上なのだとの感覚が自然に身につく。その明確な表れが戦争での勝利であり、帝国主義時代では領土獲得と強大国建設に直結した。遅れて列強入りした日本も同じ道を進み、政府も愛国心を高めるのに不都合はなかった。しかし物語を信じた国民が自国こそ世界一と錯覚し、戦争を望む軍部が後押して制御が効かなくなるプロセスが、真実を調べる学者と物語を創る作家の対談から浮かび上がってくる。

  • たま さん

    加藤陽子さんと奥泉光さんの対談。副題は「太平洋戦争をどう読むか」で、どうしてあのような戦争をしたのか、戦前戦中の史料、戦中戦後の文学作品を取り上げて話し合う。二人とも史料や作品をしっかり読み込み、対談本だが議論の焦点が合って密度が濃い。どうしてあのような戦争をしたのか?加藤さんの思考を追うと、明治維新以降70余年の歴史の中で理念や制度の変質を含む複雑で多面的な事象として捉えなければならないようだ。文学作品は、【安易な物語に陥らない】という視点で論じられておりそのパートも面白い。

  • へくとぱすかる さん

    軍部が国民に対して戦争熱をあおりながら、いざとなると開戦への圧力を制御できなかった。そして日本型の無責任体制が、敗色が明らかとなった時点でも、戦争の継続をストップしなかった。その根底には、国民に対して情報を隠し、正確な判断をさせなかったこと、さらには国家と国民が直結していて、その間に「社会」が育っていなかったことが大きな要因。現在はといえば、個人が孤立して結びつきが希薄になっていることは、危険な状況であろう。考えずに雰囲気でものごとを決める風潮も、日本の本質が当時と変わっていないことを表すようで恐ろしい。

  • 樋口佳之 さん

    中間層とそれに連なるふつうの人々の心を摑んで離さない、単一の声からなる「流布する物語」をいかにすれば批判しうるのか。この問いは奥泉と筆者の二人が常に念頭に置いていたこと/初学者には大変な部分あると思いますが、実りある対談だと読みました。奥泉氏のはじめにだけでも価値ある読書となるのではないかな

  • おたま さん

    作家・奥泉光と歴史学者・加藤陽子が太平洋戦争をどう捉えるのかを巡って交わした対談を本にしたもの(この二人の対談というだけでワクワクしてしまう)。ある時代にあって、その時にドミナントな「物語」が作り出され、それを私たちは信じて物事を決定したり、進めたりしてしまう。この本では特に「中国との戦争はなぜ起こらざるをえなかったのか」「米英との戦争になぜ突入していったのか」「敗戦が明らかになった段階で、なぜ戦争をやめることができなかったか」に焦点を当てて、その時に人々が共有していた「物語」を明らかにしていく。

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