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明治維新をとらえ直す 非「国民」的アプローチから再考する変革の姿

奈良勝司

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784908672255
ISBN 10 : 4908672253
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

講座派マルクス主義・世界システム論・国民国家批判論を通過したいま、新たな非「国民」的視座からの明治維新論へ!いまや「国民のための癒し」装置と化してしまった明治維新論を解体し、歴史学だけでなく社会思想史・社会心理学・国際関係論などの知見に学びつつ、世界史的な文脈のなかで維新変革の全体構造を明らかにする。

目次 : 序章 時代劇の世界はなぜ行き詰ってしまったのか?/ 1 日本列島地域にとって近世社会とは何だったのか―その構造と特質/ 2 ロシア問題と近代の胎動―一九世紀前半の情景/ 3 幕末政局と条約派/ 4 江戸幕閣と東国公議論/ 5 「倒幕派」にとっての公議/ 6 国力底上げて一致の希求―明治以後の展開/ 終章 列島地域の「武威」世界と明治維新

【著者紹介】
奈良勝司 : 立命館大学文学部日本史学専攻卒業。立命館大学大学院文学研究科史学専攻日本史学専修博士課程後期課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員、ドイツ・ルール大学ボーフム校客員准教授、韓国・漢陽大学校国際文化大学日本言語文化学科助教授などを経て、立命館大学文学部助教、国際日本文化研究センター客員准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • フム

    明治維新は近代の始まりとして「建国神話」的にとらえられることが一般的だ。それが偉人の物語になり、大河ドラマとなり、いまや「国民の癒し」の装置と化してしまっている。それを再考しようという明治維新論。また明治維新と言えば近代と近世の断絶ばかりに、目が行きがちだ。しかし、そこにはつながりを絶つことなく今に連続するものが確かに存在する。アイデンティティーとして守りたかった「武威」共通の国家目標である「攘夷」それを支える天皇制、「今ここ」にいる私たちがどこからやって来たのかとらえるヒントとなった。

  • politics

    先行研究を駆使しながら「自己完結の世界」に覆われた江戸時代から始まり、ロシアなどの列強の登場によりその世界が崩壊し始めて明治維新を迎えるという構想を採る。中でも会沢正志斎・古賀侗庵の二人の思想家の比較、「攘夷」「公論」の捉え方など興味深い点から疑問に思う部分も多くあり大変面白かった。また近年再評価の兆しがある三条実美を評価している点も特徴だろう。かなり挑戦的な著作なので賛否あるだろうが、是非多くの人が読むべき労作ではあるだろう。

  • うつせみ

    近世の「自己完結の世界」に関する分析や、古賀侗庵への評価に関しては説得力があったものの、明治六年政変についての記述にはやや違和感があった。 また、P145に「京都で家茂を見物した長州の高杉晋作は『よっ、征夷大将軍』とヤジを飛ばしたという」という記述があるが、一坂太郎氏の著書によれば、この逸話は確かな史料がないとのことなので、修正するべきだと思う(集英社新書「司馬遼太郎が描かなかった幕末」P109)。

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