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ISBN 10 : 4389421964
Content Description
今からほぼ一世紀前、第一次世界大戦の時期に、吉野作造は「民本主義」の提唱者として登場した。米騒動や三・一独立運動が起こった時代の潮流をみつめ、精力的に執筆された吉野の諸論説は、時代の「臨床診断」ともいうべき性格をもち、世の注目をあびた。その診断は、国内の非立憲的な政治制度を果敢に批判し、「デモクラシー」運動に理論的根拠を提供し、また、中国・朝鮮の民族主義的な運動に共感を寄せるものでもあり、いずれも国際主義的・平和主義的な立場からなされ、光彩を放った。吉野は東大を退職し朝日新聞社に入社した一九二四年、「舌禍事件」によって退社を余儀なくされる。自由な言論活動が大きく制約される時代が近づいていた。本書は、吉野と交流のあった人びとをあわせて描き、晩年の明治文化研究まで、吉野の姿を浮き彫りにする。吉野作造生誕一四〇年を記念する出版。
目次 : 1 欧州留学時代まで―大正デモクラシーの時代/ 2 政論家吉野の誕生と中国の大変動―大正政変/ 3 民本主義と中国・朝鮮論の転換/ 4 政治と社会の大変動/ 5 労働問題と平和主義の模索/ 6 迫害と抵抗/ 7 無産政党への関与/ 8 明治文化論と晩年
【著者紹介】
太田哲男 : 1949(昭和24)年、静岡県に生まれる。東京教育大学大学院文学研究科博士課程(倫理学専攻)中退。博士(学術)。現在、桜美林大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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