死の快走船 創元推理文庫

大阪圭吉

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784488437039
ISBN 10 : 4488437036
フォーマット
出版社
発行年月
2020年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
433p;15

内容詳細

白堊館の建つ岬と、その下に広がる藍碧の海。美しい光景を乱すように、海上を漂うヨットからは無惨な死体が発見された…堂々たる本格推理を表題に、早逝の探偵作家の魅力が堪能できる新傑作選。愛憎の末に待つ水中の惨劇を描いた犯罪奇譚「水族館異変」、大晦日の夜更けに町人が集団消失してしまう弓太郎捕物帖「ちくてん奇談」など多彩な作風が窺える十五の佳品を選り抜く。

【著者紹介】
大阪圭吉 : 1912年愛知県生まれ。日本大学商業学校卒。32年「人喰い風呂」が大衆雑誌“日の出”創刊号の懸賞小説で佳作入選、同年に甲賀三郎の推薦で「デパートの絞刑吏」を“新青年”に発表する。“新青年”や“ぷろふいる”を中心に本格探偵小説を旺盛に執筆して、36年には初の作品集『死の快走船』を刊行。43年に応召、45年にフィリピンのルソン島で没する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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 久しぶりに創元推理文庫から大阪圭吉の作...

投稿日:2021/04/10 (土)

 久しぶりに創元推理文庫から大阪圭吉の作品集がでました。  戦前の日本の空気を満喫させていただきました。(妄想)

白塗りのサル さん | 神奈川県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    大阪圭吉氏がルソン島で病死しなければ、日影丈吉氏と並ぶ、戦後の多ジャンルなミステリー作家として名を連ねただろう。「なこうど探偵」は題名の収まり方にアッと言わされる。同時に「求婚広告」同様に人の優しさが滲み出ていて好きです。男女のねっとりとした愛執と冷酷の行く末の「水族館異変」は、伏字にしている部分が逆に背徳的でモゾモゾしてしまった。(笑)「空中の散歩者」や「氷河婆さん」は戦争へと向かいつつあった時代を感じてしまう。後、弓太郎捕物帖シリーズのお花さんや「香水紳士」のクルミさんが大変、可愛らしいです。

  • geshi さん

    再評価めざましい探偵作家のユーモア寄りの短編集。力の抜けたユーモラスな語り口と当時の世相・風俗を反映させた日常の切り口が読んでいて心地よい。『死の快走船』謎とその探求と意外な真相をしっかり踏んだ本格探偵小説の力作。フーダニットより被害者の謎にフォーカスあてるのが独特。『なこうど名探偵』野菜泥棒を探偵した先の結末がこの時代としては異質。『三の字旅行会』ホームズ譚のような奇怪な行動とお話と合理的理屈づけ。『氷河婆さん』凍りつくような執念の物語を反米へと合わせるのが時節がらだなぁ。

  • 本木英朗 さん

    戦前日本の本格ミステリ作家のひとりであり、太平洋戦争のさなか33歳という若さで没した大阪圭吉の、待望の新傑作選である。岬の端に建つ白堊館の主人キャプテン深谷は、愛用のヨットで帆走に出かけた翌朝、無残な死体となって発見された……という「死の帆走船」や、東京駅のホームを舞台に三の字づくしの謎に隠された意外な犯罪を暴く「三の字旅行会」、アパートの謎の住人«香水夫人»の正体とは! ユーモア探偵小説「愛情盗難」など、どれもこれもみんなすごく面白かったよ、うん。さすが大阪先生である。『とむらい機関車』『銀座幽霊』は、

  • harukawani さん

    創元推理文庫既刊の前二集は本格短編の傑作集だったが、本書はユーモア物から防諜探偵物、捕物帖まで、バラエティ豊かな作品集。戦前の作だけど読みやすくめっちゃくちゃに楽しい。書肆盛林堂発行の未収録作品集でも大阪作品の多彩さには触れていたが、やっぱり大好きだなぁ。戦時体制が敷かれるにつれ、本格探偵小説が書きづらくなった時代、大阪はこういった作品を書くほか無かったのか。はたまた、“魚釣りをするような愉快な探偵小説”を目指した結果か。明確な答えはないけれど、後世の僕は残された諸作を純粋に大事に読んでいきたいと思う。

  • Inzaghico さん

    当時の挿絵も掲載されていて、時代がしのばれて面白い。かつぢの塗り絵で有名な松本かつぢも挿絵を描いている。当時は、歳が離れた夫婦というのが多かったのか、本作でもずいぶんと年上の夫に若い妻、という組み合わせが多い。でも、別に夫が虐げているというわけでないのは結構である(若い男によろめく妻は登場する)。「なこうど名探偵」では、年上亭主の健気ぶりが泣かせる。自宅のトマト泥棒の正体を暴こうとするために死んだふりをしたはいいが、事態が思わぬ方向に展開したら、大人の対応をするところが泣ける。

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