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私たちの想像力は資本主義を超えるか 角川ソフィア文庫

Masachi Osawa

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784044007348
ISBN 10 : 4044007349
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

資本主義をなぜ私たちは終わらせることができないのか?それは、資本主義なき世界を私たちが“構想”できていないからだ。歴史上、「資本主義の破局」は何度も言われてきた。しかし、資本主義は幾度もその危機を乗り越えてきた。これは、資本主義が私たちの想像力よりも勝ってしまっているからではないか。いったい、これまでとは違う世界を私たちは見いだせるのか?社会現象を起こした有名作品から構想力を鍛える白熱講義!

目次 : 第1部 対米従属の縛りを破れるか(単なる作品の読解はしない/ 虚構の虚構性を上げる ほか)/ 第2部 善悪の枷から自由になれるか(あさま山荘事件の衝撃/ 善や正義に対する過剰な信仰は、逆に悪へと反転する ほか)/ 第3部 資本主義の鎖を引きちぎれるか(「くん」は「さん」にとって重要な背景になっている/ お約束に反する、きわめてリアリティある展開 ほか)/ 第4部 この世界を救済できるか(無関係の極限と関係の極限に振れる/ 恋愛の特徴は、無関係から関係への劇的な転換 ほか)

【著者紹介】
大沢真幸 : 1958年長野県松本市生まれ。社会学者。専門は理論社会学。思想誌『THINKING「O」』(左右社)主宰。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。社会学博士。千葉大学文学部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を歴任。2007年『ナショナリズムの由来』(講談社)にて第61回毎日出版文化賞(人文・社会部門)を、12年『ふしぎなキリスト教』(講談社現代新書、共著)で新書大賞2012大賞を、15年『自由という牢獄』(岩波書店)で第3回河合隼雄学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ころこ

    単行本の時に読んでいるので最初は歯ごたえが無いかな…と思っていたが様々に勉強になった。理想の時代、虚構の時代、不可能性の時代やアイロニカルな没入、偶有性など、著者の仕事で使われるキーワードをめぐる考察が映画、アニメ、ドラマを使ってなされる。他の著作で消化不良の読者には、本書はちょうど良いかも知れない。タイトルには資本主義とある。著者の資本主義の使い方は普通の資本主義よりも広く、意味も近代と資本主義を合わせたこの世界に現在あるシステムのことだ。この資本主義に直接言及されているのは第3講だ。ウェーバーの天職・

  • まると

    旧題「サブカルの想像力は資本主義を超えるか」。こちらの方がタイトルとしては合っているかもしれません。見たり読んだりした映画や漫画、小説が割と多く取り上げられていたので、興味深く読めました。ある意味で作者以上に作品を分析しています。最後のゲマインシャフトとゲゼルシャフト、ネーションステイトを基軸にした東京対地方論、おたく論がわかりやすい。東浩紀さんやデビッドグレーバーもそうだけど、今っぽいものを題材に現代的な哲学・思想を読み解こうとするこういう本は好きだなあ。大学での講義が基なので、なおさら読みやすかった。

  • ホシ

    「資本主義」は字義通りではなく資本主義を一種のゲームと捉え、信仰にも似た我々が無意識に守っているゲームの「ルール」という意味で使われます。我々は無意識下にあるルールを新しいものへと再構築できるだろうか?具体的には日本人の対米従属意識・善悪の観念・労働観・共同体意識の再構築についてサブカルを通して考察がなされます。多くの用例や概念・理論を駆使しながら著者の主張が展開されるので、正直うまく消化できなかった。資本主義に代わる新しい概念が見つからず閉塞感が漂う現代世界。私は「利他」が鍵になると信じていますがね。

  • えいこ

    早稲田大学文化構想学部での講義をもとにした本。原題は「サブカルの想像力は資本主義を超えるか」。サブカルチャーを切り口に、概念的に読み解いた現代社会の変遷。資本主義との関連性がなかなか掴めず、前半は手こずったが、後半からようやく理解が追いついてくる。第4部、「この世界の片隅に」「君の名は。」を題材に、国民国家がグローバル化によって普遍性を失い、一次的共同体へその普遍性が逆流してくるという解説は、興味深い。

  • またの名

    リテラシーが低いので、力道山を殺さなかったのは木村政彦だと初めて知った。サブカルを読解したところで何ができるのかという疑念などすぐ消し飛ぶ講義により漫画「デスノート」は、善の大義のため殺人を実行した浅間山荘事件が善に対しシニカルな距離を取る教訓を与えたが、やがて善悪を全て面白おかしく相対化するサブカルノリで地下鉄にサリンを撒く宗教が生まれ反道徳的で愚かな選択と自覚しつつ爆笑しながらサイコパスな政治家への支持を託す時代を解明する、最良の教科書に変貌。想像力なき概念にも概念なき想像力にも達し得ないことを実演。

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