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日本がバカだから戦争に負けた 角川書店の教養と運命 星海社新書

大塚英志

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065105535
ISBN 10 : 4065105536
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2017
Japan

Content Description

日本がバカだったから戦争に負けた。そう考えた角川書店創業者・角川源義は、戦後日本の「教養」の復興をめざし、角川文庫を創刊する。二代目角川春樹の「大衆文化」、三代目角川歴彦の「オタク文化」、そして四代目となるドワンゴ代表・川上量生の「工学的知」と角川4代は「教養」をいかに変貌させたのか。戦後日本の「知」の運命とその将来を見通す。『「おたく」の精神史』と『二階の住人とその時代』に続く、大塚英志にしか書けない“八〇年代サブカルチャー私史三部作”完結編にして、メディアの未来を予言する必読書。

目次 : 第1部 「教養」から「ニコ知」へ(「教養」の時代、「大衆」の時代、「サブカルチャー」の時代/ 煩悶青年の新しい「円本」―源義の「教養」/ アングラと大衆動員―春樹の「教養」 ほか)/ 第2部 TRPGからプラットフォームへ(モニターと端末/ 企業思想としてのTRPG/ 『コンプティーク』と「世界観」のあるまんが ほか)/ 第3部 「教養」は工学化されるのか(『ジャンプ』は本当に「教養」なのか/ 川上量生は何故、宮崎駿に叱られたのか/ プラットフォームは公共性のツールとなるか)

【著者紹介】
大塚英志 : まんが原作者・批評家。1958年東京都生まれ。まんが原作者としての近作に『クウデタア“完全版”』『恋する民俗学者』海外のまんがアニメ研究者の日本語による投稿論文に門戸を開く研究誌『トピオクリティクス』を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • harass

    角川書店(現KADOKAWA)の社長四代の歴史と現代日本の教養についての新書。編集者として活躍した著者の思い出話も。岩波を目指していたはずだが、角川映画、ゲームとコミックス、そして「ニコニコ動画」という現状と著者が語る危惧などを語る。やや説明不足かと感じたが三部作の最終巻か。「ロードス島戦記」やTRPGなどの話題がでてくるが、個人的にあまりピンとこない。大体同世代なので知識として知っているのだが、と考えてみると、当時は筒井康隆にドハマリしていたのだった。表題は、角川原義の言葉を蓮っ葉にもじったもの。良書。

  • HANA

    題名はアレだが、内容は戦後の「教養」の変遷を角川四代社長を軸に辿ったもの。冒頭の源義から春樹にかけて角川書店のスタンスや教養の解体は面白く読めたものの、八十年代サブカルは馴染みが薄いというか、ほぼ触れた事が無いのでよくわからず。ロードス島戦記とかコンプティークは名前は聞いた事あるんだけどなあ。で、最後の歴彦から川上量生にかけて、教養が工学知として、システムに収斂されるというのは理解できるけど、自分の頭が古いのかこういうのには違和感を覚える。最近の角川に微妙な感じを受けるのはこういう所から来ているのかなあ。

  • かば

    旧教養としての「人文知」とサブカルチャー的な「工学的知」 との間における「教養の分断」という問題について、前者から後者への移行が顕著な角川(カドカワ)の系譜(川上量生まで)を例に示している。 80年代の我が国における「見えない文化大革命」や「共通の参照系」という教養の定義など、この国の文化精神史に対する刺激的な考察に溢れる。何より、SNS等の情報プラットフォームにおいては、ユーザーによる無償の投稿がコンテンツに錬金されており、労働の搾取が起きているという指摘は、読書メーター利用者としても考えさせられる。

  • 阿部義彦

    サブカルに強い星海社新書の新刊です。漫画原作者としても著名な大塚英志が角川書店社長、初代源義、春樹、歴彦、ドワンゴ代表の川上量生のそれぞれの戦略を糸口にこれからの出版、編集などを語ります。源義には「教養」春樹には「大衆文化」 歴彦には「おたく」をキーワードに論を繰り広げます。角川書店はコンテンツを自ら作る事をしないで既にあるものを現代らしく脚色して売り出す(例→横溝正史)商社的な性格の強い会社には成程と思わされた。歴彦さんのスニーカー文庫(ラノベの始まり)からの話題はもうついて行けませんでした。

  • ミスター

    大塚英志の良いところは戦後民主主義を「システム」として捉えている点である。戦後民主主義はきわめて理念的なものと考えられているが、実際はそうではなく、むしろ人文知を軽視して工学知に立場を置くものだった。それは戦争放棄の「理念」とも繋がっているものだ。大塚は今回でも角川三代の系譜から工学知の戦後民主主義時代を描いている。

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