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焼け跡の高校教師 集英社文庫

大城立裕

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087441185
ISBN 10 : 4087441180
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2020
Japan

Content Description

沖縄に生きて、「沖縄の私小説」を書いてきた作家が自らの老いの境地を描く私小説集。川端康成文学賞受賞作『レールの向こう』ほか5編。

【著者紹介】
大城立裕 : 1925年沖縄県生。上海の東亜同文書院大学中退。高校教師を経て沖縄県庁職員となり、経済・歴史編集畑を歩む。67年『カクテル・パーティー』で芥川賞受賞。「沖縄」の矛盾と苦しみと誇りをみつめた小説、戯曲やエッセーを多数発表。83年から86年まで沖縄県立博物館長。90年紫綬褒章。93年『日の果てから』で第21回平林たい子文学賞。96年勲四等旭日小綬章。2015年「レールの向こう」で第41回川端康成文学賞、19年第3回井上靖記念文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • Willie the Wildcat

    米国統治下、矛盾の溢れる世相。反米・祖国復帰の機運も高まる中、手探り/手作りで模索する戦後沖縄の教育現場。”新世界”への希望に溢れる教師・生徒と、著者が作り上げた劇と歌が、夢を齎す過程が輝いている。120点を付けた解答用紙、授業そっちのけの四方山話など、時勢故有用な”余裕”だった気がする。たった2年の教員生活だが、その後の生徒たちとの再会に滲む信頼・愛情が温かい。特に、問題児・徳郎が、本を持参した件。「文学性を削る」国の教育方針を憂う著者。同感。古典の良さ云々以前に多様性の喪失を危惧。

  • へくとぱすかる

    94歳になった作家・大城さんの、2年間の教師時代を回想した文庫書き下ろし作品。教え子の孫の結婚式から1948年の沖縄へ飛ぶ。まともに校舎も教科書もなく、手探りの授業や家庭訪問を始める。何もなくても工夫をこらし、バスケットボールや演劇で成果を収めていくが、淡々とした筆致からは、いわゆる熱血とはちがう先生のあり方がうかんでくる。元生徒の作文、脚本、原作の引用など、回想と小説とドキュメントが渾然一体となって、沖縄戦の数年後、みんなが苦しかった時代なのに、なぜか明るさを感じさせる。奇跡という言葉がふさわしい。

  • 海燕

    心に残る良い本だった。著者が戦後いくらもたたない頃、2年間務めた沖縄の高校での教師経験を基にした自伝的小説。全体を流れる時代感が何とも懐かしくてよいのだが、近年書き下ろされたものなので表現や視点が現代的で、古さを感じない。どのように文字にされたか承知しないが、90歳過ぎてこのような瑞々しい物語を著されたことに驚く。そして最後に、文学を排し実務書類の読み解きに比重を移していく近年の国語教育のあり方について、「漱石や鴎外に接することなく卒業していく生徒も出てくる」と憂う。文学を好む者として同感。

  • Masakazu Fujino

    大城立裕さん94歳の遺作。戦後の沖縄で1948年から2年間、高校教師を務めた著者の自伝的小説(?)。苦しく貧しくても、幸せな日々だったのだなあ。

  • 100名山

    氏の作品はレールの向こう、あなた、琉球処分、カクテルパーティーと来て本作が5冊目。簡単に言うとサンチャゴの対極。俗人丸出しの老人の自慢話。でもそれがいいのです。千葉聡と言う人の解説が秀作です。唯一の難点は表紙カバーですね。青い海に入道雲のヤシの木。沖縄の快晴率は低いのです。ヤシの実に当たって死ぬ人が何人いるか。作者はよくこんな表紙を許したものです。それでもおすすめの一冊です。

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