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チワワ・シンドローム

大前粟生

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784163917986
ISBN 10 : 4163917985
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「弱く≠ネりたいと思うのって、そんなに悪いことですか?」
若い世代から厚い信頼を集める著者が、〈弱さ〉アピールのはびこる現代のリアルを優しくあぶり出す会心の一作!


■あらすじ

ある日、知らない間に “チワワのピンバッジ” が付けられていたという呟きがネットに溢れた。
その数、なんと800人以上!

主人公・琴美の想い人も、被害者のひとりだった。
そして、〈チワワテロ〉と呼ばれるこの奇妙な事件の直後、彼は姿を消してしまった。
「僕のことはもう信じないでくれ」とメッセージを残して――。

どうして彼は姿を消したのか?
親友でインフルエンサーのミアの助けを借りて彼を捜索し始めた琴美は、
かつて起きた暴露系YouTuberによる悲しい事件のことを知る。


【著者紹介】
大前粟生 : 1992年、兵庫県生まれ。2016年、「彼女をバスタブにいれて燃やす」が「GRANTA JAPAN with早稲田文学」の公募プロジェクトにて最優秀作に選出され小説家デビュー。20年刊行の『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』によってジェンダー文学の新星として注目を集める。同作は23年に英語版の刊行、金子由里奈監督による映画化を果たし、国内外に反響を広げている。21年、『おもろい以外いらんねん』で第三八回織田作之助賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 夢追人009

    非常に現代的なストーリーでZ世代の若者にアピールする小説ですね。殺人事件を捜査する刑事も出て来ない仮想現実の物語のように思えますが一歩間違えれば自殺にも繋がる危うさを孕んでいるので厄介ですね。本書を読んで実感したのはヒロインの琴美のように自分を信じて他者に依存され過ぎずに物事を冷静に判断して生きる事の大切さですね。現代社会を生きる若者たちには気を強く持ってネット社会に安易に騙されぬようにして欲しいですね。著者の描く物語の示す道の方向性は正しいと思いますので今後とも注目したいですね。#NetGalleyJP

  • ゆのん

    自分の事を弱い人間だと思っている琴美。そんな琴美を『そのままの弱くて可愛い琴美で良いんだよ』と寄り添う親友・リリ。出会った男性が失踪し、世の中はチワワテロなるものに沸き立っている。男性の行方や、テロの謎に迫っていくうちに琴美の中でリリとの関係に違和感が…。人間は機械じゃないから強い部分も弱い部分もあって良いと思った。弱い自分でいたくても強くならざる得ない環境だってあるだろう。大切なのは自分が自分を好きかという事なのでは。ミステリ色もあり、スピード感もあってかなり楽しめた。

  • もぐたん

    強さからの解放の象徴がチワワ。弱くなりたいんじゃなく、強くなりたいのでもない。自分は自分のままで愛されたい、認めてもらいたいということを軽くミステリ仕立てに表現している。軽く、あくまでサラッと。後半明らかになるリリの孤独が切ない。タイトルに興味を引かれた私も弱さに憧れているのかもしれない。★★★☆☆

  • オーウェン

    チワワのピンバッジが知らないうちに付けられている。 チワワテロと世間では呼ばれ始め、そのせいで琴美は恋人に別れを告げられてしまう。 人気配信者でもあり友人でもあるミアと共に、その行方を捜す。 友人との関係性に葛藤を持っていく過程。 人気ライバーに巻き込まれて出る結論が切ない。 誰しも弱い面が見えるのが、最終的に友情に繋がっていくのがなんとも。

  • sayuri

    人の強さや弱さは何を持って判断するんだろう。著者の既読作品『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』『きみだからさびしい』でも感じた孤独と生きづらさ。本作でもSNSに翻弄され人との関係性に葛藤する人達が登場する。主人公は大手人材サービス会社の人事部で働く田井中琴美。尊敬する親友の穂波実杏は「ミア」の名で活躍するインフルエンサー。親友とは言いながらも琴美はミアに庇護されているような存在だ。チワワを弱く可愛いものの象徴と捉えたエモーショナルな作品だが、チワワだって時に牙を剥く。読みながら自立の文字が何度も浮かんだ。

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