Books

テクノロジーは貧困を救わない

外山健太郎

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622085546
ISBN 10 : 4622085542
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

いまだITスキルに大きな格差があるインド。学校では上位カーストの生徒がマウスとキーボードを占領している。「これこそまさに、イノベーションにうってつけのチャンスだ。1台のパソコンに複数のマウスをつないだらどうだろう?…そしてすぐに“マルチポイント”と名付けた試作品と、専用の教育ソフトまで作ってしまった」。しかしその結果は…「ただでさえ生徒を勉強に集中させるのに苦労していた教師たちにとって、パソコンは支援どころか邪魔物以外のなんでもなかった。…テクノロジーは、すぐれた教師や優秀な学長の不在を補うことは決してできなかったのだ」こうして、技術オタクを自任する著者の数々の試みは失敗する。その試行錯誤から見えてきたのは、人間開発の重要性だった。ガーナのリベラルアーツ教育機関「アシェシ大学」、インド農民に動画教育をおこなう「デジタル・グリーン」、低カーストの人々のための全寮制学校「シャンティ・バヴァン」などを紹介しながら、社会を前進させるのは、テクノロジーではなく、人間の知恵であることを語りつくす。

目次 : 第1部(どのパソコンも見捨てない―教育テクノロジーの矛盾する結果/ 増幅の法則―テクノロジーの社会的影響についてのシンプルで強力な理論/ 覆されたギーク神話―テクノロジーの迷信を打ち砕く/ シュリンクラップされた場当たり処置―介入パッケージの例としてのテクノロジー/ テクノロジー信仰正統派―現代の善行について蔓延するバイアス)/ 第2部(人を増幅させる―心、知性、意志の重要性/ 新しい種類のアップグレード―テクノロジー開発の前に人間開発を/ 願望の階層―内面的動機の進化/ 「国民総英知」―社会的発展と集団の内面的成長/ 変化を育てる―社会的大義の枠組みとしてのメンターシップ)

【著者紹介】
外山健太郎 : ミシガン大学情報学部W.K.ケロッグ准教授、マサチューセッツ工科大学「倫理と変革の価値観のためのダライ・ラマ・センター」フェロー。2005年にマイクロソフト・リサーチ・インドを共同設立し、2009年まで副理事を務めた。同研究所では、「新興市場のためのテクノロジー研究班」を立ち上げ、世界でも特に貧しい地域の人々がエレクトロニクス技術とどのように触れ合うかを研究して、テクノロジーが社会経済的発展を支援する新しい方法を開発した

松本裕 : 翻訳者。青年海外協力隊として2年間、西アフリカのセネガルに滞在(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 白玉あずき

    厚いし、参考文献のボリュームがすごいので、さぞかし高度な内容だろうと思ったのに違った・・・・貧困層や低開発国(失礼な言葉だと思う。嫌いだ)にPCやらネット環境を与えれば、きっと人々の生活は改善するに違いない、という能天気なITギーク達は間違っています。さてどうしたらいいのでしょうか、という内容だった。開発経済とも重なるし、最近はやりだった人間開発、社会的文化資本という観点から分類すべき内容でした。所詮インターネットはツールに過ぎず、それをどう活かせるかは指導者とツールを使う人間次第という当たり前の現実。

  • ケニオミ

    少し誤解を招きそうですが、言いたいことをストレートに表したタイトルですね。いくらテクノロジーが発達しても、個人の強い意志、判断能力、自制心がなければ、テクノロジーは活躍する場を与えられない。当たり前のことなんですが、IT関係技術者である著者の、インドでの豊富な経験に裏付けられた主張ですので説得力がありました。ただ、少し冗長だったと思います。

  • koji

    本書は、「テクノロジー(以下TEC)が貧困問題を解決できるか」を主題としていますが、身近な従業員教育等にも応用がききます。長年、インド、ガーナ等でTECによる貧困対策に取組んできた著者が、「TECだけでは貧困問題は解決しない。人の心、知生、意志(すぐれた意図、判断力、自制心)という内面的成長が先で、その先のTECは有用」との考えに至る軌跡が綿密に描かれています。キーワードの「増幅の法則」もTECより人の心の増幅こそ本質とします。ブータンの幸福、センのグラミン銀行の本質等例も分かり易く豊富でお薦めの良書です

  • shikada

    単にタブレットやPC、ワクチンを配るなど、単純化されて計測しやすいパッケージ的施策はほとんど効果を上げておらず、貧困を解決できてないよって話。いわくテクノロジーは「増幅」という特徴を持っていて、熱意を持って問題解決にあたっている人びとの活動を前進させる。著者が何度も強調するのは、画一的で大規模なPRしやすい政策よりも、意思を持って粘り強く現場で貧困支援を行うメンターシップ(助言)の重要性が見逃されているということ。

  • 田中峰和

    性善説の側に立てば、テクノロジーは人類発展に寄与するはずだが、現実は貧困を助長している。他人よりいいものを求める、欲望や虚栄心こそ人間の性。アメリカファースト、都民ファーストと叫ぶポピュリズム政治家は、自国以外、他国の貧困を見ようとしない。また、受益者側にも貧困脱出の意志や学習の基礎能力が備わっていなければ、テクノロジーは貧困撲滅や学業成績の向上には役立たない。適切な種類の心と知性、意志があって初めてテクノロジーが貧困撲滅に対し期待された効果を上げることができる。介入パッケージだけでは役に立たないのだ。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items