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琉球処分 「沖縄問題」の原点 中公新書

塩出浩之

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121028600
ISBN 10 : 4121028600
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

琉球処分とは、日中の両属国家だった琉球王国を日本が強制併合した政治過程をいう。1872年の琉球藩設置から「処分官」派遣、79年の警察・軍隊を動員した沖縄県設置、80年に強く抗議する清国との八重山分島交渉までを指す。
 国王は東京に送られ、島内では組織的抵抗が日清戦争まで行われる。本書は、併合の過程とその後を精緻に追い、清国や西洋諸国を巻き込み東アジアの新秩序をも形成した琉球処分の全貌を描く。

【著者紹介】
塩出浩之 : 1974(昭和49)年広島県生まれ。97年東京大学教養学部卒。2004年同大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。06年琉球大学法文学部専任講師、07年准教授を経て、16年教授。18年京都大学大学院文学研究科准教授、21年より同教授。専攻/日本近現代史・政治史。著書『越境者の政治史―アジア太平洋における日本人の移民と植民』(名古屋大学出版会、2015年)第38回サントリー学芸賞、第38回角川源義賞、第70回毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • skunk_c

    近代日本史の出来事の中でもかなり重要な事件でありながら、適当な概説書のなかったテーマに、本土出身の研究者が挑む。その動機が琉球大学の講義の際に、琉球処分を全く知らない(表面上ではなく、その本質)自分に愕然としたからという。新書というコンパクトな中で、琉球、日本、清の当時の世界認識と情勢判断が錯綜しながら進む姿を、見事に整理している。日本による「処分」は言ってみれば「植民地化」という認識が出てきて、かねてからその様相が強いと思っていたので膝を打った。事後の琉球の抵抗も詳しく、分島案の顛末も丁寧だ。良書。

  • kk

    図書館本。中国の潜在的な宗主権を前提とする東洋的国際秩序と、国家主権の至高性を基礎に据える近代国際法秩序。明治日本の歩みを、「万国公法」をレバレッジに、伝統システムに基づく地域的現状を塗り替えることによって覇権・権益を目指したものと捉え、その最大の焦点の一つが琉球「処分」であったと論ずる。国際法上の議論や「分島論」など様々な重要論点を紹介するほか、現地の葛藤や苦悩を活写。「処分」のタイミングが日清戦争後であったとしたら、また「分島論」が実現していたとしたら、果たして今日の安保環境はどうなっていたことか。

  • kan

    琉球処分は廃藩置県のあたりでさらっと学ぶくらいの印象だったが、ちくまプリマー新書「沖縄について私たちが知っておきたいこと」で冒頭にあったため、きちんと知る必要性を感じていた。本書の説明は詳細で深く多角的だが、一つ一つの語彙を丁寧に定義しながら進んでいくので、歴史に詳しくない私でも迷子にならずに学べた。琉球の日清両属国家としての繊細なバランスの上に成り立つ独立と西洋的概念の主権国家の組み合わせの悪さや、日本政府による併合・植民地意識が、現在の沖縄の諸問題を理解する重要な視点の基盤になることがよくわかった。

  • ∃.狂茶党

    沖縄について何も知らないので、とりあえず手に取った本。 教科書に、太字で記されるが、ほとんど何も伝えていない、琉球処分についての本。 清と日本の狭間にある小国の、不安定な地位が、大日本帝國に剥奪されるまでの、小さな歴史。 政治の話に始終するので、琉球の文化などは、また別の本に当たらなければならない。 今も沖縄では、基地問題など、様々面で、本土よりも低い地位に置かれている。 本土から基地問題でやってきた、警官が、現地の人を土人と呼んだ事は、記憶に新しい。

  • 電羊齋

    日清に両属していた琉球王国が日本の沖縄県として併合される過程を概説。本書の特色は『尚家文書』など琉球王国側の史料を駆使し、併合に抵抗する琉球側の視点と論理を詳細に明らかにしていることである。そこからは琉球側の日本(ヤマト)への認識の深さが読み取れた。その一方で、併合した側である日本政府側の琉球への無知および政府官僚の沖縄と沖縄人への植民地視も明らかにされている。そしてその関係性がその後現在に至るまで継続していることを思えば、まず日本人としては沖縄について知ることから始めなければならないのだろうと思った。

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