国道16号線スタディーズ 二〇〇〇年代の郊外とロードサイドを読む

塚田修一

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784787234353
ISBN 10 : 4787234358
フォーマット
出版社
発行年月
2018年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
275p;21

内容詳細

国道16号線―神奈川県横須賀市から千葉県富津市までの首都圏の郊外を環状に結ぶ、いわば郊外が濃縮された国道―を実際に車で走り、街を歩き、物語るテキストを読み込むことで、2000年代以降の郊外とロードサイドのリアリティを描き出す。

目次 : 第1章 「場所」と「非‐場所」―二つのテレビ番組が映した道と街、そして人/ 第2章 鉄塔がある風景―『闇金ウシジマくん』の郊外/ 第3章 幹線移動者たち―国道十六号線上のトラックドライバーと文化/ 第4章 「重ね描き」された国道十六号線―「十六号線的ではない」区間としての横須賀・横浜/ 第5章 「軍都」から「商業集積地」へ―国道十六号線と相模原/ 第6章 ジューロクゴーが片隅を走る世界で―青木淳悟『学校の近くの家』の狭山/入間/ 第7章 不在の場所―春日部にみる「町」と「道」のつながり/つながらなさ/ 第8章 死者が住まう風景―国道十六号線ともう一つの郊外/ 第9章 国道十六号線/郊外の「果て」としての木更津―『木更津キャッツアイ』は何を描いたのか/ 終章 「東京都市圏」の縁をなぞる―国道十六号線と沿線地域の歴史と現状

【著者紹介】
塚田修一 : 東京都生まれ。東京都市大学・大妻女子大学非常勤講師。専攻はメディア社会学、文化研究

西田善行 : 千葉県生まれ。法政大学・日本大学非常勤講師。専攻はメディア文化論、ポピュラー文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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  • takaC さん

    過去に横浜、千葉、八千代に住んでた時に国道16号は多用してました。3度目の千葉市移住になった今現在も、庄和IC〜松ヶ丘IC間は愛用しています。20年くらい前に国道友だちのN島君と車1台で横須賀→富津をいっぺんにトレースしたこともあったな。その頃は今のR126がR16だったので穴川から千葉市道路元標経由で登戸に抜けたけど、今ならバイパス(京葉道路の側道)経由で浜野(R357交差点)だね。

  • Tadashi_N さん

    軍や経済のために人工的に形成された道路だった。たしかに横浜横須賀間は異質。

  • Tui さん

    「16号」の起点近くに住む者として読んでみた。首都圏を走水から富津までぐるりと囲む国道16号線の特色を抽出検証した本。たとえば16号に沿った軍施設との関連(横須賀、相模原、福生、入間)、たとえば家と墓(ニュータウンと没後)、たとえば送電線(16号の円環が、ほぼ首都圏送電網の横のバランサーと同一)、たとえばマツコ・デラックスの16号線愛(そりゃ東急田園都市線に毒舌にもなるわ)…。どれも社会学以外のどれにも当てはめようのない考察だなと。改めて社会学という学問の節操のなさを思い出したので、関連本を読んでみるか。

  • cape さん

    つい最近、国道16号をバイクで走破した。16号の側近くで長く過ごしてきた身として、特別な想いがある。16号線的なるもの。拡大し、収縮する日本の縮図。鉄塔、軍施設、モール。横須賀から、狭山、春日部、八千代、木更津。社会学として16号にアプローチする考察はどれも非常に興味深く、そんな視線で見ていなかった、身近に素通りしていた読者の目を開かせる。16号の近くに住み、あるいは何かしらの愛着を持っている人には面白い。道がつなげるもの、つなげないものがあるが、16号線は間違いなく日本の近現代につながっている。

  • しゅん さん

    神奈川・東京西部・埼玉・千葉をぐるっと囲む16号線を複数の観点から読み解く。執筆者も複数名いることから分かる通り論理的に一つの主張が説かれるわけではないが、それでも共有されている一つのムードがある。繋がっているのに孤立していること。16号線は車移動のために使われ、歩く道として使われることが少ない。それが人々のコミュニケーションを死産させる。生まれ得るものが生まれ得ないという切なさがこの道路にはつきまとう。同時に、周辺生活者にとっては意識されない道であるという指摘も忘れがたい。

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塚田修一

相模女子大学学芸学部メディア情報学科准教授/都市文化研究

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