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新撰小倉百人一首 講談社文芸文庫

塚本邦雄

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062903271
ISBN 10 : 406290327X
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2016
Japan

Content Description

「沖の石の讃岐以外は悉皆非代表歌、式子と定家とあと二、三人を除けば、他は一切凡作―」定家の百人一首が「凡作」揃いだとの批判は多い。だがあえて定家と同じ人選で、まったく別の「百人一首」を編んだ強者はいない。本書は前衛歌人・豪腕アンソロジストが放つ、定家への挑戦状である。どちらが秀歌か。読者ひとりひとりの判断を待つ。

目次 : 朝倉や木の丸殿にわがをればなのりをしつつ行くはたが子ぞ―天智天皇/ 北山にたなびく雲の青雲の星離りゆき月を離りて―持統天皇/ もののふの八十氏河の網代木にいさよふ波の行く方知らずも―柿本人麿/ 春の野に菫採みにと來しわれぞ野をなつかしみ一夜ねにける―山邊赤人/ あひ見ねば戀ひこそまされ水無瀬川何に深めて思ひそめけむ―猿丸大夫/ うらうらに照れる春日に雲雀あがりこころ悲しも獨し念へば―中納言家持/ あまのはらふりさけ見れば春日なる三笠の山にいでし月かも―安倍仲麿/ 樹の間より見ゆるは谷の螢かもいさりにあまの海へゆくかも―喜撰法師/ はかなしやわが身のはてよ淺緑野邊にたなびく霞と思へば―小野小町/ 世の中はとてもかくても同じこと宮も藁屋もはてしなければ―蝉丸〔ほか〕

【著者紹介】
塚本邦雄 : 1920・8・7〜2005・6・9。歌人、評論家、小説家。滋賀県生まれ。歌誌「日本歌人」(前川佐美雄主宰)に入会。1951年、『水葬物語』で歌壇に登場。60年、岡井隆、寺山修司等と「極」を創刊。85年、歌誌「玲瓏」主宰。反リアリズムの前衛短歌の雄として精力的に活動。『日本人靈歌』で現代歌人協会賞、『詩歌變』で詩歌文学館賞、『不變律』で迢空賞、『黄金律』で斎藤茂吉短歌文学賞、『魔王』で現代短歌大賞を各々受賞。97年、勲四等旭日小綬章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • kaizen@名古屋de朝活読書会

    #天智天皇 #短歌 朝倉や木の丸殿にわがをればなのりをしつつ行くはたが子ぞ #返歌 朝暗く木の間をぬけて辿り着くわれより先に行くは誰が子ぞ。小倉百人一首が個人的には良い歌を集めたとも思えない。塚本邦雄の百人一首と並べ雑念を払って選ぶ。必ずしも塚本邦雄のが圧倒的ではないかも。歴史に詳しくて枠をはめすぎか。音声が残っていないので、どういう音の響きだったかがわからない。土屋文明の万葉集私注同様、塚本邦雄の本書も歌を歌う人間の視点で書いているので好感が持てる。苦手な古典を真面目に読む気になった。ありがとう。

  • 双海(ふたみ)

    定家の百人一首が凡歌揃いという批判は多い。塚本は、「沖の石の讃岐以外は悉皆非代表歌、式子と定家とあと二、三人を除けば、他は一切凡作」として、あえて定家と同じ人選で、まったく別の「百人一首」を編んだ。定家への挑戦状である。

  • おおた

    定家の百人一首なんて「無味淡泊、平懐単調」とうっちゃって、式子内親王と定家、あと2・3人を除けば他は一切凡作と滅多切り。1人ずつ格調高い旧仮名遣いで表に出ない名歌をうたいあげ、百人一首の話題になるとどーんと地面にたたきつけるギャップが堪らない。「窈窕たる美」「榮耀に春を惜しむ」「丈高くうるはしい歌」褒め言葉に困ったら本書を気儘に開くと、絢爛豪華な言葉の美酒に酔いしれること疑いなし。意外とは失礼かもしれないが歌の解釈も丁寧で、古語に慣れ親しんでいなくても案外分かりやすい。『ちはやふる」の後にぜひ。

  • Waka

    仕事関係で友人にもらった本。塚本邦雄はもともと好きなのだけど、「ほかの人がどう言おうと、俺はこう思う」とはっきり断言する姿勢がこの本にも貫かれていて、好ましく思った。後書き部分で爆笑した。ま、まだ語るんだ……と。良経の一首に「きりぎりす」を採ったことについて殺意さえ覚えるというくだり、大好きです。本編の良経の項でもさんざん語ったはずなのに笑。 百人一首が凡作100選であるということがもっと知られてほしい。前書きと後書きだけでも読む人が増えれば……。

  • 月音

    「定家選の百人一首は凡作」と言いきる歌人が作者はそのままに、新たに百首を選出する。各人一首のほかになかなか手に取る機会のない歌集からも数首ずつ、作者自身、歌の背景について鑑賞文が付される。詩歌の心は個人が自由に受け取るものであり、こうした配慮は蛇足にもなりうるが、背景を知ることで一首の奥行と陰影が増すことは確か。うつろう美、刹那のきらめき、扇の陰にふとのぞく深淵。まばたきをした瞬間に幻は消え、ひるがえる袖の残像と花の香りだけが後に残った。

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