江戸・東京水道史 講談社学術文庫

堀越正雄

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784065209226
ISBN 10 : 4065209226
フォーマット
出版社
発行年月
2020年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
320p;15

内容詳細

徳川家康の命で小石川の水を引いたときから東京の水道史は始まる。明治三十一年に近代化された東京の水道は、関東大震災、戦災、水害、渇水、地盤沈下、断水―と度重なる危機をのりこえ、巨大化の一途をたどる首都の生活を支え発展してきた。戦前より東京市・都の水道局で長年実務に携わった著者ならではの視点で描く、技術の進化と市民生活の変貌。

目次 : 1 江戸の暮らしの中の水(江戸の発展と水道の建設/ 完成された江戸水道の給水システム)/ 2 江戸から東京へ(文明開化と水道改良の機運/ 近代水道創設前夜/ 永くかかった水道改良工事/ 文明開化の水)/ 3 変わりゆく都市生活と水道(いちじるしく手間どった水道拡張―大正二年より昭和十二年に至る二四ヵ年継続事業/ 震災被害と復旧および拡張工事の推移/ 市域拡張と町村水道・民営水道の合併・買収)/ 4 戦争と水道(戦時下の水道/ 終戦直後の水道)/ 5 戦後の都市生活と水道(都市の復興と給水需要の増大/ 水道拡張工事の進行/ 変貌する東京の水道地図―多摩川系中心から利根川系が主流に/ 江東地区の地盤沈下対策と市街地再開発―下水処理水再利用による工業用水道の建設など/ 新宿副都心計画による淀橋浄水場の移転/ 広域水道(三多摩水道の一元化)/ 水需要の抑制と新しい水源を求めて―迫られる発想の転換、節水型社会の創造へ)

【著者紹介】
堀越正雄 : 1916‐2000。千葉県生まれ。明治大学専門部地理歴史科卒業。東京市水道局勤務。日本水道協会特別会員。詩人・祝算之介(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 美術鑑賞好きな猫 さん

    100万人都市だった江戸には、早くから水道設備が整っていたようです。非常に衛生的な反面課題も多く、川から直接取水しているため渇水期は水が出ない、浄水施設がないため疫病が流行りやすい、雨が降ると泥水が混じって飲めなくなる、また水道管には石や木、竹などの材料を利用しているため漏水がひどいという有様でした。明治時代に洋式水道が普及し始めて解消したかと思えば、関東大震災、戦争、人口過密など、次々沸き起こる課題にどう取り組んできたか、といったまさに東京の水道史がわかる一冊です。人間が住むところに水道史あり、ですね。

  • 月猫夕霧/いのうえそう さん

    タイトルには江戸とありますが、内容的には東京都水道局100年史という感じの本です。玉川上水などの素掘りの水道しかなかったところから今の利根川まで使った大規模な近代水道網に至る歴史を職員さんの目線で書いているますが、東京の拡大とともに面的にも質的にも拡大していく様子がよく解ります。そういえば80年代までは渇水が良くありましたが最近は渇水を聞くことも少なくなって、本書では書かれてない直近30年間も水道の拡充は続いているのですね。

  • アメヲトコ さん

    単行本1981年刊、2020年文庫化(著者は故人のため増補なし)。著者は元東京市水道局勤務。近世から戦後まで、巨大都市江戸・東京がいかに水を得るために苦闘してきたかを描きます。近世から多摩川に依存するという脆弱な基盤を思うと、19世紀末に東京府が神奈川県から三多摩を強奪した理由もよくわかります。全体的に興味深い内容ですが、地図が少ないのが残念。

  • バッシー さん

    東京の水はどこから来ているのか知りたくて手に取った。江戸時代からの水道の成り立ちが興味深い。元書が古い本なので昭和50年代で終わってしまうのが残念。令和までの変遷も知りたい。

  • うみ さん

    コレラ祭りからの。東京編がおもしろい。人口拡大はインフラ整備を必要とするけど、そんなにすぐには整わず。水源確保もたいへん。出版されてから時間が経ってるから現在のフォローまではないけど、その後のことを思ったら水道民営化なんてちょっと考えられない。

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堀越正雄

1916‐2000。千葉県生まれ。明治大学専門部地理歴史科卒業。東京市水道局勤務。日本水道協会特別会員。詩人・祝算之介(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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