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武田の金、毛利の銀

Ryosuke Kakine

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784041112496
ISBN 10 : 4041112494
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2024
Japan

Content Description

上洛した織田信長に呼び出された明智光秀は、とある任務を下される。数の信奉者である信長は、敵対する大名の武力を把握する必要があった。中でも武田と毛利の資金源である湯之奥金山と石見銀山の見定めは不可欠である。ただし、そのためには敵地の中枢に潜り込み、金銀の産出量を示した台帳を確認しなくてはならない。見つかれば命の保証はない危険な道中である。光秀は盟友の新九郎と愚息を伴って隠密裏に甲州へ向う。駿河湾の港・田子の浦にたどり着いた三人は、そこで土屋長安と名乗る奇天烈な男に出会い――。
 『光秀の定理』『信長の原理』に連なる、直木賞受賞第一作!

【著者紹介】
垣根涼介 : 1966年長崎県生まれ。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の史上初となる三冠を達成。05年『君たちに明日はない』で山本周五郎賞、16年『室町無頼』で本屋が選ぶ時代小説大賞、23年『極楽征夷大将軍』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    世界各国の情報機関にとって、敵国の経済力調査は最重要の仕事だ。同様にカネがなければ滅びると身に染みていた戦国大名も、敵対大名の経済力を気にしていた。その筆頭である信長が、金銀の鉱山を有する武田と毛利の実態調査を明智光秀に命じるところから物語が動きはじめる。いわば歴史小説に経済と冒険とスパイ戦の要素を投げ込み、さらに戦国期最大の経済官僚である後の大久保長安が加わってカネでする戦いが展開される。戦争と権力闘争以外の経済の場で天下支配の行く末が決まる有様は、新しい視点から戦国時代を見る面白さを満喫させてくれる。

  • starbro

    垣根 涼介は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 経済通の織田信長ならではの視点、しかし明智光秀が、忍びのような調査をする可能性は、かなり低いような気がします。結果として、最終的に佐渡の金山が、徳川政権を支えたのでしょうか❓ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000015102.000007006.html

  • 修一朗

    「光秀の定理」は大好きだったのに,その新九郎と愚息を覚えてなくて最後にやっと気づいた。ちょうど「笑わない数学」でこのモンティ・ホール問題を詳しく解説していたのにねぇ。やれやれ。垣根涼介さんは信長を経済の面から考察しようとしている。これもその一環。経済スパイとなれば,やはり光秀の登場だ。国力を経済視点から見定めようとしてた描き方。面白いね。実は土屋があの人とは気づかず,長安って名前が出てきてあっとなった。あの人と,明智光秀が出会っていたらっていう…面白かった!

  • tonnura007

    光秀は盟友新九郎と愚息とともに、武田の金山と毛利の銀山を秘密裏に調査する命を信長から受ける。駿河湾に辿り着いた三人は、土屋と名乗る武田家家臣に出会う。 信長が脅威に感じていた武田と毛利を金銀で結びつけたのは面白い。金銀の採掘量だけでなく兌換という概念で評価する点、信長の洞察力が鋭い。 光秀たちの関係を歪にする土屋という存在が毛利領の探索を面白いものにさせている。土屋が実はあの人だったというのは驚いたが、最終盤の信長と長秀のやり取りから後ろは蛇足に感じる。書くならもう少し書かないと完全に尻切れトンボ。

  • のぶ

    垣根涼介さんの直木賞受賞第一作は信長の命で甲斐金山、石見銀山の偵察を任された光秀たちのロードムービー的小説だった。読み始めは方向性が掴めず戸惑ったが、ミッションが出されてからは面白くなってきた。この物語は史実に基づくものではなく、恐らく創作だろうが、展開が魅力的で引き込まれた。隠密裏に旅をする光秀に新九郎、愚息に途中から加わる土屋というメンバーのキャラが良かった。自分も甲斐から石見銀山まで旅をしている様な感覚でハラハラして十分に楽しめた。当時の事情を考えると、いかにもありそうな設定が面白い一作だった。

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