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日本中世への招待 朝日新書

呉座勇一

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784022950574
ISBN 10 : 4022950579
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2020
Japan

Content Description

「中世史に詳しい」と自負する歴史ファンにとっての中世とは、大きな合戦や信長や信玄などの武将を指すのではないだろうか。
中世は戦が相次ぐ時代ではあるが、人々は毎日戦っていたわけではない。
彼らは当然、私たちと同じような日常を送っていたのだ。
それでは、中世に生きる人々の暮らしはどのようなものだったのか?
結婚や離婚、出産や葬儀、遺産相続、さらには旅行や接待、出向まで、今に繋がる中世日本人の日々の暮らしや習慣を詳細に読み解く初めての一冊。

庶民と酒を酌み交わす殿様もいた!
漢字を書けない鎌倉武士。
居眠りを禁じる武家の道徳教育。
前妻が後妻を襲う「後妻打(うわなりうち)」。

戦ばかりではない、今に繋がる日本人の生活がここにある!

戦の世における、人々の日常生活とは
山伏や陰陽師などにより祈祷が捧げられた出産、口を開けて舌を出したり、唾を飛ばすことを戒める武家の家訓、死傷者まで出た、子どもの日の石合戦、現代と変わらない、年長者による説教と自慢話……。
知られざる、中世日本人の姿に迫る!

[目次]
はじめに
【第一部】人生の歴史学  
●中世の家族 
女性天皇は中継ぎか?/氏から家へ/中世的「家」は男系継承/中世的「家」は永続が義務「/一夫一婦制」の成立/婿取婚から嫁取婚へ/鎌倉武士は嫁取婚/源義経の嫁取婚/北条政子の「後妻打」/中世百姓の「家」と結婚/中世女性の離婚/離婚・再婚の男女不平等/中世の「妻敵打」/中世の財産相続/中世武士の兄弟関係

●中世の教育  
日欧の教育の違い/武家の道徳教育/文武両道の勧め/武家の帝王学/一般武士の識字能力 /顕密寺院での高等教育/顕密寺院での初等教育/貴族社会での初等教育/禅僧が朱子学を教えた/禅院の実学志向/足利学校の「再興」/足利学校の教育/寺院学校の普及/庶民の教育  

●中世の生老病死  
中世の産屋/出産は公開されていた?/出産のケガレ/中世の老い/中世の医療/中世の医科/貴族の葬送/庶民の葬送とケガレ  

【第二部】交流の歴史学  
中世の宴会/中世の寺社めぐり/中世の誕生日会/中世のお正月/中世の外国人/中世の集団生活/中世の接待/中世の遊戯/中世の手紙/中世の贈答/中世のものまね/中世の旅行案内人/中世の旅行/中世の花まつり/中世のこどもの日/中世の見物/中世の同僚/中世の「出向」  /中世のおもてなし/中世の引っ越し/中世の自慢話/中世の悪口/中世の人生相談/中世の対談/中世の読者

【 付録 】さらに中世を知りたい人のためのブックガイド  
網野善彦『日本の歴史をよみなおす(全)』(ちくま学芸文庫)  
藤木久志『雑兵たちの戦場』(朝日選書)  
清水克行『 世界の辺境とハードボイルド室町時代』(集英社文庫)
ほか

おわりに

【著者紹介】
呉座勇一 : 1980(昭和55)年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。同大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専攻は日本中世史。国際日本文化研究センター助教。2014年『戦争の日本中世史』(新潮選書)で第12回角川財団学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • trazom

    歴史というと、政治・外交・軍事が中心になる中で、人々の生活ぶりを中心に描こうとして、家族制(結婚、離婚、兄弟、相続)、教育(武家、貴族、庶民)、生老病死(出産、葬送)、交流(宴会、行事、贈答、旅行)が紹介されている。婿取婚から嫁取婚への移行、女性の性愛自由説、庶民の葬送は風葬などの項目に興味を惹かれた。中世における網野史学の偉大さを認識する一冊でもあった。ただ、古代史や近世史の知識に乏しい浅学の私には、歴史の連続性が把握できず、折角、中世に招待されたのに、その本質がしっかり理解しきれないことが情けない。

  • エドワード

    「麒麟がくる」が面白い。ステレオタイプな戦国ではなく、色彩豊かで、立て膝で座る女性たち、リアルな城砦、たくましい庶民。ここには確かな考証に基づいた中世の姿がある。中世ファンの私には45分がすぐに過ぎる。中世研究の最前線を数々紹介してくださる呉座先生。近世の堅苦しいフィルターを取り去った、自由な中世の暮らしが見えてくる。漢字を書けない武士、家訓で「嘘をつくな」とあれば、嘘つきが横行していた、との解釈に苦笑する。人々の往来、市場のざわめき。結婚、まつり、贈答、教育。そこには確かに現代に繋がる日本の祖型がある。

  • terve

    腕を組んで人を斬る!!呉座抜刀齋の実力が発揮された本。いかに歴史の教科書が政治史に重きを置いているかが分かります。勿論、今の日本の成り立ちは政治史を見ていくことが大切です。しかし、我々に直接繋がっているのは我々と同じような日常ですよね。中世、特に室町といえば長年暗黒の時代のように捉えられましたが、浦では結婚・教育・出産・旅行という営みが綿々と続いていたわけです。特に島津家久のイメージがガラッと変わりましたね。非常におもしろい本です。

  • chietaro

    日本中世史は学生時代から苦手意識がありますが、この本は目線が当時の人々と同じ高さになった気がして楽しかったです。貴族の手紙の書き方の序列、出産に関わる穢れの話など、知らないことがたくさんありました。また、日本中世史のおすすめの本の紹介で次回読んでみたい本も発見できて嬉しかったです。

  • 白義

    新書サイズの薄い入門書でありながら、考えてみればこれほど中世人の生活というものを細部までよく知れる本はなかなかないのではないだろうか。結婚や相続、文化的な交流というその日常と人生を、わかりやすくしかし学問的な精度も落とさずに解説する、という難題を見事クリアしていて随一の水準。さらに巻末のブックガイドでは、もはや有名すぎる網野善彦だけでなく石井進や勝俣鎮夫のような重鎮から、細川重男や清水克行のような気鋭の研究者の読みやすい本まで凄く的確なセレクト。本書をお供にすれば、日本中世史に迷い遭難することはないだろう

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