さよなら渓谷 新潮文庫

吉田修一

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101287546
ISBN 10 : 4101287546
フォーマット
出版社
発行年月
2010年12月
日本
追加情報
:
16cm,245p

内容詳細

緑豊かな桂川渓谷で起こった、幼児殺害事件。実母の立花里美が容疑者に浮かぶや、全国の好奇の視線が、人気ない市営住宅に注がれた。そんな中、現場取材を続ける週刊誌記者の渡辺は、里美の隣家に妻とふたりで暮らす尾崎俊介が、ある重大事件に関与した事実をつかむ。そして、悲劇は新たな闇へと開かれた。呪わしい過去が結んだ男女の罪と償いを通して、極限の愛を問う渾身の長編。

【著者紹介】
吉田修一 : 1968(昭和43)年、長崎県生れ。法政大学経営学部卒業。’97(平成9)年「最後の息子」で文學界新人賞。2002年『パレード』で山本周五郎賞、同年発表の「パーク・ライフ」で芥川賞、’07年『悪人』で大佛次郎賞、毎日出版文化賞を、’10年『横道世之介』で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

★
★
★
★
★

5.0

★
★
★
★
★
 
1
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
★
加害者と被害者どちらからもヒリヒリした感...

投稿日:2021/04/11 (日)

加害者と被害者どちらからもヒリヒリした感情が伝わり、自分にも降りかかる可能性がある未来を想像した。理解出来るなど軽々しく口には出来ない。

はらや さん | 大阪府 | 不明

0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ehirano1 さん

    『罪を償う』、というか『罪を一生背負って生きていく』と云うことはこうゆうことかもしれなと思いました。もちろんこれだけではないとは思いますが、1つの在り方を小説という形でこのように表現した(≒提示した)著者は流石だと思いました。

  • yu さん

    それぞれの立場があり、それぞれの感情がある。 全てを文字に起こさなくても、そこから湧き上がってくる思いがとても深くて重たい作品だった。 加害者と被害者。お互いが受けた傷から逃れられずに、もがき苦しんでいる様が、読んでいて辛かった。加害者と被害者だからこそ、相通じるものがあるのかもしれないけれど、他人から見ると理解に苦しむ関係。 だからこそ、渡辺はそこに何かを見出したかったんだろう。 『パレード』をちょっと思い出した。人間の奥底にある心理描写が、抜群にうまいなぁ。

  • にいにい さん

    初吉田修一さん。人は、過去の過ちから逃れられないのか、2度と幸せを望んじゃいけないのか。ワイドショー的になりつつあるマスメディアや日本人への警鐘だよね。一つの出来事に縛られ共に幸せになれない被害者と加害者や渡辺夫婦。子殺しから始まり、過去のレイプ事件に絡む不快感が、纏わりつく。閉塞感がやるせない。最後に俊介の過去を許し、去っていく夏美、しかし、俊介は必ず探し出し、二人で幸せになることを予感させる渓谷の涼風が救いだ。途中で嫌気が高まるが、読後感は悪くない。吉田さんの他作品にも挑戦だ。どの作品がいいかな?

  • yoshida さん

    過去に犯した罪と贖罪の重たい作品。しかし考えさせられる名作。幼児殺害事件を取材する記者渡辺は、容疑者の隣家の尾崎夫婦、夫の俊介の犯した集団強姦事件に気づく。事件の顛末、加害者と被害者の現在を調べ、尾崎夫婦の秘密に気づく。被害者は勿論、加害者も救われない。事件から数年後、加害者尾崎俊介が、偶然に被害者水野夏実と出会い、尾崎の贖罪が始まる。勤務先も婚約者も捨て贖罪する尾崎。殺害事件が解決後、尾崎の妻は去る。尾崎は許された事を意味する。しかし尾崎は去った妻を探す。当事者達の心の痛み、周囲の嘲りは消えない。

  • hit4papa さん

    過去の悲惨な出来事から抜け出せない俊介とかなこ。俊介とかなこがそれでも二人でいる理由、だからこそ離れられない理由は、読み手に大きくのしかかってきます。赦されたいけれど、それは別れを意味する。赦したいけれど、赦すと自分を見失ってしまう。二人の思いが交差する地点で胸がアツくなります。哀しみや憎しみから出発する愛もある。そしてそれは真実の愛に辿り着くのかもしれない。本作品は、ひとつの愛のかたちを提示する恋愛小説として、深い感銘をあたえます。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

吉田修一

1968年長崎県生まれ。97年「最後の息子」で文學界新人賞を受賞しデビュー。2002年『パレード』で山本周五郎賞を、「パーク・ライフ」で芥川賞、07年『悪人』で毎日出版文化賞、大佛次郎賞、10年『横道世之介』で柴田錬三郎賞、19年『国宝』で芸術選奨文部科学大臣賞、中央公論文芸賞を受賞(本データはこの

プロフィール詳細へ

吉田修一に関連するトピックス

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品