基本情報
内容詳細
共寝した男女が翌日に別れることを意味する、「後朝の別れ」。それは闇の中で行われた。これまで、その時間帯が注目されることはなかったが、それではあまりにももったいないので、これまでの「常識」をあらためて検討し直す。恋物語において“別れの時刻”として機能する、その大事な時間帯は、聴覚や嗅覚の描写によって、男女の別れ際の心の機微が表出されている。ここから物語の読みを深めてみたい。本書は「垣間見」る源氏物語の姉妹編である。
目次 : 後朝の別れ―闇のなかで/ 1 後朝の風景(後朝の時間帯「夜深し」/ 女性たちへの別れの挨拶―須磨下向へのカウントダウン)/ 2 音がみちびく別れ―聴覚表現(人妻と過ごす時―空蝉物語の「暁」/ 庶民生活の騒音―夕顔巻の「暁」 ほか)/ 3 香りの物語―嗅覚表現(「なつかし」と結びつく香り/ 男性から女性への「移り香」 ほか)
【著者紹介】
吉海直人 : 昭和28年7月、長崎県長崎市生まれ。國學院大學文学部、同大学院博士課程後期修了。博士(文学)。国文学研究資料館文献資料部助手を経て、同志社女子大学表象文化学部日本語日本文学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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人物・団体紹介
吉海直人
長崎県生まれ。國學院大学文学部卒業、同大学院修了。博士(文学)。現在、同志社女子大学表象文化学部日本語日本文学科特任教授。専門は平安朝文学、特に『源氏物語』や『百人一首』の研究。資料の発掘・収集が趣味。八重の懐古談や覚馬の『管見』の写本も発掘している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されてい
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