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碇星

Akira Yoshimura

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122041202
ISBN 10 : 4122041201
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2002
Japan

Content Description

孤独を分かち合う七十すぎの三人の男たちを描く「喫煙コーナー」、定年と同時に妻に去られた男の心境を描く「寒牡丹」、葬儀に欠かせぬ男に、かつての上司から特別な頼みごとがきた表題作ほか全八篇。人生を静かに見つめ、生と死を慈しみをこめて描く作品集。

【著者紹介】
吉村昭 : 1927年(昭和2年)、東京に生まれる。学習院大学国文科中退。同大学文芸誌『赤絵』、『文学者』などに拠って作品を発表する。66年『星への旅』で第2回太宰治賞を受賞し、会社勤めを辞めて本格的な作家活動に入る。『戦艦武蔵』『関東大震災』など一連のドキュメントで73年に第21回菊池寛賞、79年『ふぉん・しいほるとの娘』で第13回吉川英治文学賞、84年『破獄』で第36回読売文学賞・芸術選奨文部大臣賞、85年『冷い夏、熱い夏』で毎日芸術賞、94年『天狗争乱』で大仏次郎賞を、それぞれ受賞。97年より芸術院会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • やすらぎ

    慌ただしい日常が終わり、虚脱感に襲われ孤独を分かち合う男達。各々の人生を貫き、無理をして、見栄を張り、笑顔を忘れ、寄り添うこともできず、それでも支え合いながら歩き続けていく。吉村昭さんは長篇を終えると短篇を書くという。小説と実体験と思われる物語、計八篇。人気の少ない落ち着く場所を探し、緩やかに繋がっていく友情のほほえみ。病を治してくれた医師が先に逝ってしまった。夜空に打ち上げられる度に、生きているという実感が胸に満ちる。少年の頃に見上げた空は今も広がっている。心に浮かぶ私の星はいつまでも消えることはない。

  • kinkin

    八篇の短編集。冒頭の都会に住むどこにでもいる普通の女性と飲み友達になる男性を描いた「飲み友達」この本の中で一番好きだ。死期間近の弟の孤独を描いた「喫煙コーナー」著者はあとがきでいわゆる短編小説は竹の節に似ていて、それがなければ竹幹である私の長編小説は、もろくも折れてしまうだろうと語っている。長編小説が終わったあと、ちょっとした町中で起きる小さなドラマを描写し筆慣らしをしていたのだろうか。寂しさやほろ苦さをテーマにした短編はこってりとした長編を読んだあとの読者にもやすらぎを与えてくれる、そんな気がする。

  • ぼっちゃん

    ”定年後、あなたはどう生きていきますか。”の帯に惹かれ読んだ。定年退職同時に妻も家庭の務めを退職すると言って家を出ていく「寒牡丹」の様にならないようにしなくては。表題作の「碇星」に出てくる定年退職で二通りの生き方があり、表情が明るくなる人。逆に虚脱感におちいり、会社無くして自分の存在意義がないと感じる人にはなりたくない。ちなみに碇星とはカシオペア座のこと。

  • Shoji

    サラリーマンの定年前後の悲哀を書いた物語。物語に綴られているのは、初老を迎えた人たちが終末に向って淡々と過ごす日々。例えば、妻との別れであったり、家族の成長であったり、会社勤め時代の仲間の動静であったり。生れ落ちてから現在までの悲喜や人間模様がぐっと胸に染み入りました。良書だと思います。

  • 小説を最初に書いた人にありがとう

    吉村昭作品を初めて手に取った。定年前後のサラリーマンの悲哀を描かれた作品も多い短編集。どれも感情移入しながら楽しく読めた。文章も決して古臭くなく、綺麗な文章で読みやすかった。他にも短編集が出てるようなので読むこと楽しみ。

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