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昭和歳時記 中公文庫

Akira Yoshimura

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122076686
ISBN 10 : 4122076684
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2025
Japan

Content Description

戦前・戦中の東京下町を、昭和2年生まれの著者が体験を通して振り返る。
綿密な考証と巧みな描写にもとづく歴史小説・ノンフィクションに定評のある著者による、昭和事物回顧。
「歴史」「昭和史」という括りからは見落とされた、庶民の暮らし・風俗、東京下町の情景が、生き生きと甦る。
単なるノスタルジーではない、冷静な視線で、自らの記憶を掘り起こす。

「『古き良き』とは浅薄な過去を美化する言葉でしかない。決して『良き』ばかりとは言えず、簡単にそんなことを口にしてもらいたくはないのだ」(本文より)

【本書に出てくる事物】
物干台/毛糸/焼芋屋/羅宇屋/お化け煙突/自転車泥棒/電柱掘り/焼け金庫屋/ソフト帽/下駄・雪駄/銀流し/朴歯の高下駄/ハダシ足袋/ソロバン/エジソン・バンド/大学芋/電球/提灯/リヤカー/山手線/地下鉄/汽車/チッキ/花柳病/肺病/肝油/脚気/浣腸/ヒマシ油/蚊帳/火の見櫓/湯タンポ/長火鉢/焚火/映画館/ポスター貼り/ラジオ体操/仏法僧/ベルリン・オリンピック/二・二六事件/喫茶店/お定事件/浪曲・講談/徳川夢声/玉音放送/ラジオ/ツェッペリン号/説教強盗/下駄スケート/大八車/オート三輪/木炭自動車/輪タク/都電・市電/谷中墓地の桜/アメ横のサクラ/井の頭のひき蛙/食用蛙/夏服/カンカン帽/パナマ帽/アッパッパー/南京虫/蚤/虱/DDT/銭湯/行水/朝顔/石榴/金魚/山の湯宿/赤トンボ/柿木金助/B29/夜の闇/双葉山/男女ノ川/夜行列車/蒸気機関車/煤煙
〈解説〉森まゆみ

【著者紹介】
吉村昭 : 1927(昭和2)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。58年、短篇集『青い骨』を自費出版。66年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。73年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、79年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、84年『破獄』で読売文学賞を受賞。2006年(平成18)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • KAZOO

    私よりも二世代近く上の方の昭和の風物誌です。下町に生まれ育った著者の思い出が詰まっています。少年時代の下町の風情がよく理解でします。私も懐かしくなります。前半は、下町の情景や若いころの思い出が中心で、後半は歳時記ということでのエッセイです。文章も非常に読みやすく、目の前に情景が浮かんでくるような感じです。解説が「谷根千」に詳しい森まゆみさんというのも楽しめました。

  • Shoji

    解説に書かれていました「昭和は良かったのか、悪かったのか」。良くもあり、悪くもあったことでしょう。昭和2年生まれの著者が昭和時代を回想して綴られたエッセイ。主に戦前戦後の昭和の風俗、生活、下町の情景が綴られています。もちろん、所得は低く民度は低い。公害も多くインフラも未整備。しかし、活気があり人情もあり、戦後復興期には、明るく楽しい日々だったことでしょう。「昭和は良かったのか、悪かったのか」、いろいろ思いながら読んだ。

  • ちゃま坊

    昭和100年の今年、つらつらとあの時代を思い出す。ここに出てくる事柄は、子供時代に大人たちが話していたり、見たりしたことばかり。今の若い世代には異世界のことだろう。あの時代がよかったかというと、いや今の方がはるかに快適な毎日を過ごせているはず。と思いなおす。しかし懐かしさは感じる。

  • アドソ

    氏は昭和2年生〜平成18年没と、昭和時代をフルに生きた。本書は貴重な戦前の風俗の記録であろう。といっても昭和50年ごろまではこういうTHE昭和が続いていたのではないかとも思う。巷の懐古趣味に対して氏は、昔なんてちっともよくなかったと断言する。それはそうだろう、戦争や衛生環境を考えたら本気で昭和時代がよかったなんて思う人はいないし、実際戻ることもない。戻ることがないとわかっているから安心して懐古できるのだろう。このエッセイは懐古というより回顧だが、昭和を生き延びてこられた感謝のようなものが感じられる。

  • Inzaghico (Etsuko Oshita)

    昭和2(1927)年生まれの著者が戦前戦中の昭和の下町の風俗を語る。わたしがぎりぎり見たことがある屋根上の物干台、カンカン帽に腹巻にステテコ、「アッパッパー」。湯たんぽなんて、書かれているとおり、金属製で布に包んで使っていた。文中には昭和30年以降見かけなくなったとあるけれど、実家では昭和50年代に入っても現役だった。 二・二六事件の重苦しさを、阿部定事件がガス抜きして明るくした、という見方に納得する。大人たちがにやにやしながら語るその理由を、吉村少年はなんとなく察していたのだろう。

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