鐘を鳴らす子供たち

古内一絵

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784338287227
ISBN 10 : 4338287225
フォーマット
出版社
発行年月
2020年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
336p;20

内容詳細

教科書に墨を塗らされた良仁たちは、大人が起こした戦争にふり回された子供だ。同時に大人たちもまた、自分たちの起こした戦争に、深く傷つきさいなまれていた。だからこそ、大人と子供が一緒になって作り上げた『鐘の鳴る丘』は、あんなにも圧倒的に、世間に受け入れられたのだろう。『鐘の鳴る丘』は、大勢の人にとって、自分たちの物語だった。戦後七十五年―著者渾身の最新作!

【著者紹介】
古内一絵 : 1966年東京都生まれ。日本大学藝術学部映画学科卒業。第五回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、2011年にデビュー。2017年『フラダン』(小峰書店)で第六回JBBY賞・文学作品の部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ウッディ さん

    終戦から2年後、戦災孤児を描いたラジオドラマ「鐘の鳴る丘」を演じることになったのは、良仁たち素人の小学生だった。発声もままならなかったかった彼らが、内容を理解し、多くの人に何かを伝えることのやりがいを感じ、一つの作品を作り上げる喜びを見出すまでを描いた友情の物語。敗戦によって、これまで教えられてきたことが否定され、ドラマと現実との乖離に戸惑う一方、自由な時代の一歩を力強く踏み出すまでが丁寧に描かれている。戦争の記憶が薄れつつある今だから、子供たちに読んでほしい良書だと思った。とっても面白かったです。

  • へくとぱすかる さん

    1947年のラジオドラマ「鐘の鳴る丘」に出演することになった、東京のとある学校の小学生たち。本当の戦災孤児に出会ってたじろぐ場面を読むと、ドラマと現実との違い以上に、今でもそうだが、虐げられた人々を知らない甘さ、見る方の立場の身勝手さを指摘される思いがする。演じる側も作る側にも思いは反復され、作中の子どもたちもその経験を抱きつつ、戦後を生きていったのだろう。フィクションだが、実際にこのようなことがあってもおかしくなかっただろうと思わせる。子どもと戦災を描きながら、戦後という時代自体がここに描かれている。

  • けろりん さん

    敗戦の傷跡癒えぬ街角に、鐘の音が響く。澄んだ子ども達の声が弾ける。戦災孤児の救済と更生の願いをこめて放送されたラジオドラマに、大人も子供も熱狂した。新しい時代、平和と自由平等の、より良い明日を希求する物語を演じたのは、素人の小学生たち。戦後の復興と、高度成長を担った世代である彼らの体験を通じ、焦土から立ち上がった人々の理想と、実際の傷痍復員兵やガード下の子供たちの現実との乖離が描き出される。激しい時代の流れを漕ぎ渡り、あるいは必死に抵抗した人々から手渡された未来を生きる我々の姿勢が問われる素晴らしい作品。

  • ちょろこ さん

    力強く響く一冊。敗戦の瓦礫が残る時代、放送劇、戦争孤児を知ることができた良作。身勝手な戦争に誰もが人生を狂わせられ、どれだけの苦しみを仕方なしに受け入れなければならなかったか…さまざまな境遇の子供達の心情描写が逐一、涙と共に心に響く。中でも良仁が放送劇を通じて世の中を大人を悟っていく姿は秀逸。誰もの心情が、良仁の目と心を通してしっかり伝わってくる。金平糖の涙。涙を流すしかない自分の申し訳なさ。この時代があっての今を受け止める。あしたはもっとしあわせに…いつの時代にも通ずる平和への願いが鐘が心に力強く響く。

  • けんとまん1007 さん

    戦後間もない時をメインにした物語。ラジオドラマを題材に、子どもたちの成長と、時代背景を描いている。今もだとは思うが、生きるのに精一杯の子どももいれば、その反対の子どももいる。お互いのことを、素直に表現できない時もあるし、それを超えるからこそ、仲のよい友達になれる。

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