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楽天記 講談社文芸文庫

古井由吉

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065297568
ISBN 10 : 4065297567
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2022
Japan

Content Description

そもそも存在しないはずの幻の息子が妙にリアルに作家柿原の夢に現れる。若い編集者が訪れ、疫病や死にまつわるエピソードを披露していく。様々な謎と言葉を残し死に至る旧友との対話。移ろい儚く過ぎ去る時間と情景のなかで、生と死のイメージが纏いつく。老いと死を意識せざるをえない人生の終盤、悲観しながらも達観しただ暮らしていくなか辿り着いていく楽天の境地。

【著者紹介】
古井由吉 : 1937・11・19〜2020・2・18。小説家。東京生まれ。東京大学大学院修士課程修了。大学教員となりブロッホ、ムージル等を翻訳。文学同人誌「白描」に小説を発表。1970年、大学を退職。71年、「杳子」で芥川賞受賞。黒井千次、高井有一、坂上弘らと“内向の世代”と称される。77年、高井氏らと同人誌「文体」を創刊(80年、12号で終刊)。83年、『槿』で谷崎潤一郎賞、87年、「中山坂」で川端康成文学賞、90年、『仮往生伝試文』で読売文学賞、97年、『白髪の唄』で毎日芸術賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 白いハエ

    「しかし言葉は性来、楽天のものだ。歴史の記述にも、過程の観念にも、楽天がとうに内在する」大学教師と作家と、著者自身の来歴の擬人化同士の不確かな対話と、青年編集者との大掛かりな死にまつわる対話が往復しつつ、少しずつ老いていく。こちらのコンディションが悪戯をしただけかも知れないが、綴られた日常のゆらめきにどこか安楽を覚えていた。無数の死の蠢きと、生を語る折に立ち上がる曖昧さが、これだけ文体へ内在しているというのに……この安楽を支える俗的な感覚を、古井由吉の去った今の世界でも支えているものは何なのだろうか。

  • n_kurita

    女性の見た目年齢に言及する箇所が多い。男性は関屋について少し触れるだけ。やはり古井由吉さん自身が女性を品定めしているかのようであまり気分のいい書き振りでもない。が、文章は面白い。『槿』しか読んでいないが、それよりも読みやすい。女性についての描写が入るとどうしても価値観が違いすぎて読んでいて気持ちが悪いので。本書はまだマシ。しかし解説が町田康で秀逸。本書にたまに出てくる英単語の使い所が町田康を連想させておかしみがある。マーゴール・ミッサービーブ。

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