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警察捜査の正体 講談社現代新書

原田宏二

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062883528
ISBN 10 : 406288352X
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2016
Japan

Content Description

「このままでは大警察国家が復活しかねない、市民はとにかく自衛するしかない」北海道警の方面本部長を務め、警視長で退官、2004年に「道警の裏金」の存在を告発した著者が、今危惧するのは、警察の捜査権限がなし崩し的に拡大しつつあることだ。「検挙率アップ」「治安維持」という錦の御旗のもと、刑事訴訟法の改正で「司法取引の導入」「通信傍受対象の拡大」が着々と進み、防犯カメラ映像の活用、DNA捜査など、新しい科学捜査が次々導入される。だが、刑事訴訟法などの法律に照らすと、あまりにも「グレーゾーン」が広がっているのが現在の警察捜査の正体なのだ。警察組織に自浄作用がなく、チェック機能も働いていない現状では、「警察国家」が誕生しかねない危険もはらんでいる。本書は、まず、警察の犯罪捜査をめぐる法律を徹底的に点検、幹部が増加し捜査能力が落ちている警察組織を検証する。心ある警察官と、平穏な生活を送り冤罪に巻き込まれたくない市民のための必読書。同時に警察の健全化、民主化、透明化をライフワークとする元警察幹部の集大成となる1冊である。

 第1部 警察捜査と刑事訴訟法
第1章 刑事訴訟法「大改正」のポイント
第2章 問題だらけの「デジタル捜査」「科学捜査」
第3章 犯罪捜査と刑事訴訟法
第4章 拡大するグレーゾーン捜査
第5章 自白偏重捜査と取り調べの実態

  第2部 警察組織の変容
第6章 日本警察のしくみ
第7章 階級制度のひずみ、パワハラ不祥事
第8章 安全安心なまちづくりの正体
第9章 警察の権限強化

  第3部 市民のための犯罪捜査入門
第10章 警察マスコミの罪
第11章 繰り返されてきた冤罪の歴史
第12章 人質司法と弁護士の役割
終章   冤罪防止のガイドライン

【著者紹介】
原田宏二 : 北海道警察元警視長、釧路方面本部長。「明るい警察を実現する全国ネットワーク」元代表。1937年(昭和12年)生まれ。57年北海道警察に採用され、58年4月から札幌中央署、岩見沢署などで勤務し、75年に警察庁保安部防犯課に出向、山梨、熊本県警で捜査2課長を経て、82年3月から道警に復帰、道警本部機動捜査隊長、同防犯部生活課長などを務め、89年3月警視正に昇任、道警本部警務部警務課長、旭川中央署長、道警本部防犯部長などを歴任、95年釧路方面本部長(警視長)で退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • スター

     著者は警察にいただけあって、説得力がある。捜査のデジタル化が進んだが、聞き込みなどの捜査がおろそかになり、デジタルデータの過信による誤認逮捕が続く事にも警鐘を鳴らす。  また警官の捜査能力が落ちてるそうで、昔の交番の警官は単独徒歩が原則。管内の隅々の実態を知り、住民と接する事ができたが、現在はパトカーで巡回するため、警戒の目は荒くなってるそうだ。  そのうえ犯罪検挙や交通違反取り締まりにノルマを課すなどの業務管理が行われているという。ノルマは件数稼ぎ、やりやすい事件の検挙や数字の誤魔化しに通じるとの事。

  • リキヨシオ

    昨年、刑事訴訟法が改正され取り調べの可視化が取り上げられていたけど、実際は「こんなこと」になっていたなんて!?法律に照らし合わせてもグレーゾーンに該当する捜査が当たり前になっている。もし自分が無実にも関わらず警察に疑われたら…と思うと無性に怖い!今までは、警察は犯罪を憎む「正義」として行動してほしかったけでけど、法律の下で淡々と捜査するほうがいいのではないかと感じる。巨大権力を持った偏った正義は何だか危険だと思った。

  • skunk_c

    道警裏金事件を告発した元警視正による、現在の警察捜査の問題点を具体的かつ詳細に指摘したもの。冤罪事件や代用監獄など、過去に多くの書物で指摘されてきた問題もあるが、内部にいた人ならではの指摘は、改めて警察の恐ろしさを見せつけられた気がする。それ以上に本来地方警察であったものが国家警察化してきたこと、特定秘密保護法などが警察権力の強大化を招いていることなど、戦前の「治安警察」に近づきつつあることに戦慄した。一方暴力団対策などについてはちょっと分かりにくい面も。新聞3面記事の事件報道を見て納得する感覚は危険だ。

  • akinbo511

    警察の横暴から一般市民が身を守る方法やマスコミの問題点はわかったけれど、図表やグラフが一切なく、すべて文章で説明しているので非常に読みにくい。せっかくのデータが伝わらずもったいない。あまりに情報量が多く、1冊に様々な話題を詰め込み過ぎだと思う。

  • チェアー

    自分の体験に基づく話があまりなかったのが残念(それはほかの本で結構書かれているのかしらん)。警察はこんなに法律を無視する組織なので自衛できるところはしましょうね、という啓蒙書と見ました。

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