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松本清張の「遺言」 「昭和史発掘」「神々の乱心」を読み解く 文春文庫

原武史

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784167910211
ISBN 10 : 4167910217
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2018
Japan

Content Description

推理小説の人気作家であると同時に、超一流の歴史研究者でもあった松本清張。昭和史研究の代表作が『昭和史発掘』だ。その成果からつながる未完の小説『神々の乱心』は、清張が30年余にわたって「あの話はいつか小説にしておきたい」と繰り返し、死の瞬間まで情熱的に取り組んだ遺作である。二作に秘められた清張の遺志を解き明かす―。

目次 : 『神々の乱心』を読み解く(『神々の乱心』までの道のり/ 「皇居」―女官と宗教/ 「秩父」―弟とクーデター/ 「吉野」―南朝と自称天皇/ 「足利」―忠誠と反逆 ほか)/ 特別講 『昭和史発掘』を再発掘する(「カネ」と「テロ」の時代へ―陸軍機密費問題/ 「君民一体」の空間とは―北原二等卒の直訴/ 新興宗教に斬りこむ―天理研究会事件/ 敗者としての水戸―五・一五事件/ 幻の「宮城占拠計画」―二・二六事件)

【著者紹介】
原武史 : 1962(昭和37)年、東京に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本経済新聞社に入社、東京社会部記者として昭和天皇の最晩年を取材。東京大学大学院博士課程中退。放送大学教授、明治学院大学名誉教授。専攻は日本政治思想史。著書に『「民都」大阪対「帝都」東京』(講談社選書メチエ、サントリー学芸賞受賞)、『大正天皇』(朝日選書、毎日出版文化賞受賞)、『滝山コミューン一九七四』(講談社文庫、講談社ノンフィクション賞受賞)、『昭和天皇』(岩波新書、司馬遼太郎賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    松本清張が逝って30年近いが、未だ彼をしのぐ者は現れず戦後文学最大の作家であり続けている。幅広いジャンルで活躍し戦後日本人の思想まで動かした作品群は、巨大な森のようで見通すのも難しい。その未完の遺作『神々の乱心』とノンフィクションの代表作『昭和史発掘』の格好なガイド本。小説で戦争そのものは描かなかったが、敗戦と破滅に突き進んでいったのかを戦前の歴史に探っていく。ネットもない時代に大量の史料を読み込み、隠された真実を抉り出す透徹した史観と史眼には驚くばかりだ。両作ともずいぶん昔に読んだきりだが再読しようか。

  • まーくん

    先週からのNHK番組100分de名著で紹介作品中、未読の「神々の乱心」を求め、先にこちらに行き当たってしまった。清張未完の遺作「神々の乱心」の背景を読み解く。清張は「昭和史発掘」執筆のために蒐集した膨大な資料を読み込み、本作を着想。天皇制、祭祀、女官、新興宗教などをモチーフに、皇室の奥にまで舞台を拡げている。清張の小説は単なるフィクションではなく、事実を積み重ね、解明できない部分を鋭い着眼で推察する。その着眼の正しさは、後に刊行された「高松宮日記」などの第一級資料でも裏付けられる。さて、次は本作を。

  • 浅香山三郎

    子どものころ、祖父がよく『週刊文春』を読んでゐたので、実は『神々の乱心』は分からないなりに部分的だが読んだ記憶がある。そして、清張さんが亡くなり未完作になつたことも憶へてゐた。しかし、実は、大人になり、文庫化してから実は読み通せてはゐない。本書は、清張のこの作品と、貞明皇后や秩父宮などの周辺で起きた史実との類似を見出だし、「昭和史」と「天皇」をそれぞれ捉へやうとした清張の足跡を辿る。『神々の乱心』と『昭和史発掘』の関心の繋がりかたも大変面白い。

  • sayan

    未完といわれる「神々の乱心」が(賛否両論ありつつも)、個人的にはプロット設定が非常に刺激的だった。展開する物語では色々と消化不良箇所にも出会い作品を楽しみ切ったというには程遠かった。例えば複数の登場する地名には馴染みがあったが、特段の由来を聞いたことがなく、しかし松本作品で出てくる以上何か特別な意味合いがあったのでは、と探求心が目を覚ます。そんな中で解説を求め本書を手に取った。期待通り、謎に思っていた箇所へ筆者なり考察が展開され大変興味深かった。また清張史観と紹介される歴史観は独特な変数を導入し興味深い。

  • Gen Kato

    昭和天皇と秩父宮の関係、そして226とのつながり。「小説」にして描きたいほどぞくぞくするネタが満載だったんだろうなあ、と読んでいるこちらもむずむずする。清張のノンフィクション作品に個人的には批判もあるのだけれど、『神々の乱心』は読みたいと思いました。

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