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進化のからくり 現代のダーウィンたちの物語 ブルーバックス

千葉聡 (進化生物学)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065187210
ISBN 10 : 4065187214
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
千葉聡 ,  

Content Description

19世紀にダーウィンが提唱した「進化論」は、自然科学のみならず、思想や文学、宗教にも影響を与えた。その革新性は、21世紀にいたっても色褪せることなく、分子レベルで進化のメカニズムの解明が進んでいる。毎日出版文化賞・自然科学部門を受賞した稀代の書き手でもあり、巻貝研究の第一人者として知られる著者が、進化生物学者たちによる最新研究成果を活写する。

目次 : 不毛な島でモッキンバードの歌を聞く/ 聖なる皇帝/ ひとりぼっちのジェレミー/ 進化学者のやる気は謎の多さに比例する/ 進化学者のやる気は好奇心の多さに比例する/ 恋愛なんて無駄とか言わないで/ ギレスピー教授の講義/ ギレスピー教授の贈り物/ ロストワールド/ 深い河/ エンドレスサマー/ 過去には敬意を、未来には希望を/ グローバルはローカルにあり

【著者紹介】
千葉聡 : 東北大学東北アジア研究センター教授、東北大学大学院生命科学研究科教授(兼任)。1960年生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。理学博士。静岡大学助手、東北大学大学院准教授などを経て現職。専門は進化生物学と生態学。著書『歌うカタツムリ』(岩波科学ライブラリー、2017年)で第71回毎日出版文化賞・自然科学部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ひろき@巨人の肩

    進化学者とは、まさに現代のダーウィン。好奇心を原動力にニッチな分野を研究して「進化のからくり」を紐解く。進化は性選択と自然選択から成り、種分化は連続的でダイナミックなもの。ガラパゴスフィンチは40年で生殖的隔離が発生。モノアラガイやガーデンスネイルの右巻き・左巻きが与える交尾や食物連鎖への影響。琵琶湖生息のカワニナに見る種分化と遺伝子数の不一致。ハワイのクモ類、西インド諸島のアノールトカゲ、小笠原諸島のカタマイマイに見る自然選択の再現性の高さを示す適応拡散。二世吸虫に生殖活動を支配されるホソウミニナ。

  • サンダーバード@怪しいグルメ探検隊・隊鳥

    著者は陸貝を専門とする生物学者。同じ種でありながら、異なる染色体数を持つ個体が多く存在し、かつそれらが交配可能と言うカワニナの話は興味深い。また、小笠原諸島に生息するカタツムリの研究を行った英国からのポスドク、アンガス君と大学院生のミウラ君などの若き研究者のエピソードなどは読み物としてもなかなか面白かった。「ダーウィンの最も偉大な功績は、その志を継ぐ無数の同志を未来に誕生させたことだったかもしれない」と言うが確かにその通りで、この本を読んで未来のダーウィンを目指す若者もいるかもしれない。★★★★

  • ホークス

    2020年刊。研究者が語る「進化研究の今」。進化は幅広い因子から起こる。孔雀に見られる性間選別、地形や気候の変化、捕食生物の交代、島への隔離など。各生物の進化の歴史に、遺伝子調査やフィールドワークで迫っていく過程が面白い。ホタルの幼虫が食べるカワニナの種は、琵琶湖の拡大縮小とともに増減した。一度減っても環境が整えば再び適応放散して種を増やす。干潟のホソウミニナは寄生虫との攻防を通じて今も進化中。進化とは偉大な能力であり宿命でもある。人間だって「子孫をより多く遺す者の特性が濃くなっていく」という進化の最中。

  • yutaro13

    ブルーバックスなので学術的な内容を想像していたが、中身は進化生物学者によるエッセイ。が、これがなかなか面白くてあっという間に読み切ってしまった。巻貝研究やフィールドワークなど、ディープな研究者生活がユーモラスに紹介されていて興味深いエピソード満載。百万匹に一匹の確率で見つかる激レアな「左巻き」ヒメリンゴマイマイは普通の右巻きマイマイとは交尾ができない、なんてことを知らなくても日常生活に困ることはないけれど、知っていたら少しは人生が豊かになりそうなもんじゃないですか(そんなことないか)。

  • haruka

    好奇心を働かせて得られるものは、たいてい何の役にも立たない雑多な情報だ。子孫を残す上では不利になるはずなのに、なぜ私たちはこんなにも好奇心が強いのだろう。それは、好奇心が強いことによる目先の不利益を、それによって得られる長期的あるいは大局的な利益が上回るからだという。まさにそれを体現した、若き生物学者たちの奮闘である。島へ渡り、何年もかけて生物を観察し、膨大な情報を収集する。必死でやっても時の運でポストを失ったり、無駄に見えていた基礎的な知識とスキルが独自の発見に際して威力を発揮したり。情熱が分かる一冊。

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