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「科学的に正しい」の罠 Sb新書

千葉聡 (進化生物学)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784815633370
ISBN 10 : 4815633371
Format
Books
Release Date
October/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
千葉聡 ,  

Content Description

"「""物語られる""科学を切開し、縫合する一冊!! 」

「神話後の世界では、愛も憎も科学を装う。
歴史を剔抉した時、
真と善と美が分裂する‥!
‥さて我々は、いかにして違うまま、再び融合できるのか?」
――魚豊(『チ。―地球の運動について―』『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』)

「科学的な正しさ」とは何か?
もっともらしい科学にだまされないための考え方

私たちが知らず知らずのうちに信じてしまう「科学的な正しさ」の罠を明らかにし、だまされないための解決策を示す。『歌うカタツムリ』(第71回毎日出版文化賞)、『ダーウィンの呪い』(2024年新書大賞10位)で注目される進化学者が描き出す、科学の過ちと今に生きる教訓。

疑似科学や陰謀論の歴史は古い。しかしこれらは反権力または自然派による呪術的・神話的なものが多く、拡散の規模は一部を除き限定的だった。
ところが近年、一見「科学的に正しい」と感じられる、巧妙な事例が増えている。SNSや動画サイトを利用して、科学的な専門用語、画像、データを駆使して科学としての客観性を巧みに装う。心地よさ・怒り・共感が絡みついた科学、「測れるものだけが真理」という数値への過信、新しい科学と技術への信仰、事実は一つではないという「相対主義」の悪用、自分は客観的だと信じる「価値中立」という思い込み‥‥。

本書は、事実が巧妙に偽装される現代における科学的な事実との向き合い方を、豊富な事例とともに示す。科学に対する考え方と世界の見方が変わる1冊。"

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • trazom

    疑似科学の紹介のような安直な本とは異なり、科学と価値観との関係を哲学的に考察する一冊。ルイセンコ学説のような悲劇的な歴史を反省しつつ、それでも「価値観を排除しない科学的な正しさ」が定着するポストモダンの思想。著者は、生物学、優生学、地学などを例として、「客観的な事実はありうるのか」「事実は一つではないのか」「事実から正しさは生まれるのか」と畳み掛ける。地球温暖化、パンデミック対策、原子力政策、生物多様性など、「科学的に正しい」とは何かを問われる課題に直面する中、多くの示唆を与えてくれるいい本だったと思う。

  • よっち

    科学的説明が一見合理的に見えても、偏見やイデオロギーに基づき、社会に深刻な害を及ぼす可能性がある。事例からいかに不利益をもたらしたかを示す1冊。危機の予防は陰謀とされる科学的な正しさの罠や、なぜ事実は歪められるのか、なぜ正しいと思いむのか、客観的な事実はありえるのか、どのように事実は偽装されるのかなど、具体的な過去の事例を挙げて解説しながら、科学的事実を「価値中立」として扱うことの危険性や社会的責任を伴う説明を行う必要性を指摘していて、単なる疑似科学批判ではなく科学と社会の関係を深く考えさせる1冊でした。

  • まゆまゆ

    科学の結論はいつも暫定的であり、ときに人々の願いや価値観によって偽の正しさが台頭したり、事実に合致する以外の意味を含むことがあることを語る内容。これまでも価値観で科学的な事実の正誤を判断する人が一定いて、そのような人が政治的を含めて影響があると、混乱と対立を生んでしまう。「科学的に正しい」と聞いたら少し立ち止まってみよう。

  • おやぶたんぐ

    言葉遣いは平易だが、内容は手強く、読み応えあり。価値観と科学的事実を混同してはならない、という“あたりまえ”のはずのテーゼを守るのが如何に困難か。価値観から離れて科学的事実を取り扱うことも又不可能なのだから。“中立の立場で”“普通の人なら”などという言葉とともに提示される“科学に正しい”事実を盲信すれば、自滅あるのみだろう。“あたりまえ”は思考停止ではないはずだ。価値観(イデオロギー)で事実の正しさを決め、ジャンクサイエンスや擬似科学がもたらす“事実”で異なる価値観を抹消する社会は、地獄だ。多分。

  • わ!

    めちゃくちゃ面白い本でした。内容としては以前に読んだ「ダーウィンの呪い」と同じ様な場所を辿るのですが、事象を見つめる視点としてはこちらの本の方がたくさんあって、勉強になります。著者の巧妙なトリックも忍ばせられていて、本当に「科学ってなんだろう」と思えてきます。「ひとは見たいものだけを見る」という人間の「欲」と、あからさまにすれば、利害が出る場合の答えの出し方など…、人文科学ではなく、本来の科学の分野でも「正しい」ことを考えたり、伝えたりする難しさがよくわかります。

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