Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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• こばまり

  読了日：2019/05/24

  ストイックなまでの変幻自在ぶりは女優というよりも職人。スタァが大勢いた時代にあって、替えがきかない存在。未見の作品がまだまだ沢山ある。今後ゆっくり観ていけたらと思う。京マチ子氏を偲んで。

• gtn

  読了日：2021/05/02

  肉体派女優と謳われた彼女だが、素顔は古風で愚直、恋愛や私生活の楽しみを二の次にし、ただただ役作りに没頭していたという。結果、海外が求めるオリエンタリズムにも、商業映画に必要な娯楽性にも自在に応じることができた。ただ、自然と醸し出される艶っぽさに、本人自身気付いていない節がある。彼女を大女優の一人たらしめたのも、そのギャップ故か。

• かふ

  読了日：2019/03/11

  京マチ子映画祭に合わせて購入。京マチ子の魅力を語り尽くす良きガイド本。日本の４大監督（溝口、小津、黒澤、成瀬）の映画に出演しているだけでなく、監督の重要作にもなっている。他にも市川崑や増村保造監督作品もある戦後を代表するスター女優。京マチ子の活躍をデヴューからの肉体派ヴァンプ女優、国際映画賞グランプリ女優、国民派の七変化女優というそれぞれの時代の魅力を語っている。ぜひ映画と一緒に。

• しゅん

  読了日：2022/10/16

  京マチ子のイメージは�@肉体のボリュームを誇示して戦後の焼け跡のエネルギーを象徴する「ヴァンプ女優」�A『羅生門』『雨月物語』などの国際的映画でみせる、日本的な美としての「静の女優」�B醜女から美女、幼女から老女、コメディからメロドラマまでを演じる「変幻自在の女優」に分けられる。�@から�Bへと移る変遷を追いながら、映画女優が国民的象徴性を背負った時代としての1940年代〜50年代を素描した一冊。映画会社が海外に日本映画を売り込むときの姿が描かれてて、オリエンタリズムを自ら強調していたのを興味深く読む。

• オールド・ボリシェビク

  読了日：2024/10/07

  力作である。圧倒的なボリュームの肉体で「戦後」のシンボルとして活躍した女優は、同時に「羅生門」「雨月物語」などでは国際的にも認められて、日本の伝統にをも象徴した。さらに変幻自在な顔を見せ活躍した女優を通時的に作品分析をしながら、戦後社会の流れも読み解いていく。原節子もそうだが、この世代、大正生まれの女性たちの芯の強さは魅力的だ。ある意味、同時代の男たちより、意識的に生きていたのだと思う。圧倒されました。また、映画全盛期の活力も伝わってきます。

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