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地獄めぐり 講談社現代新書

加須屋誠

User Review :5.0
(1)

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065161470
ISBN 10 : 4065161479
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2019
Japan

Content Description

読者のみなさんを地獄へと招待するための案内記。口では「地獄なんて嫌だ」という人は数多い。しかし、実は地獄に興味を持つ人は決して少なくない。老いも若きも男も女も、なぜか地獄に心惹かれる。美しいものに対して、心惹かれるのは自然なことだ。しかし、不気味なものに対しても、私たちの心は強く反応する。それは一体なぜなのか?本書はそうした疑問に答えるために、地獄めぐりの旅路を歩み、そこかしこで立ち止まりつつ考えた、記録と省察である。

目次 : 第1章 地獄の誘惑/ 第2章 地獄へ旅立つ/ 第3章 地獄をめぐる/ 第4章 閻魔王の裁き/ 第5章 地獄絵を観た人たち/ 第6章 地獄からの生還者たち/ 第7章 地獄の衰退と復興

【著者紹介】
加須屋誠 : 1960年東京都生まれ。1991年京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。帝塚山学院大学文学部助教授などを経て、元奈良女子大学文学部教授。文学博士(京都大学)。専門は日本仏教美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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日本仏教美術史を専門とする著者による「地...

投稿日:2021/06/30 (水)

日本仏教美術史を専門とする著者による「地獄」ガイドブックといった趣の講談社現代新書(No.2557)の1冊です。比較的豊富なカラー図像とともに、恐ろしくも、なぜか魅力的な「地獄」に親しむ(?)ことのできる好著です。カラー印刷へ対応するため、通常の講談社現代新書よりも厚手の用紙が使われているため、価格がやや高く、重量も重め(寝ころびながらの読書では、姿勢によっては、本を持つ手が疲れます)です。(2019年6月20日 第1刷発行)

梨杏 さん | 不明 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 夜間飛行

    恐ろしい脱衣婆にもどこか親しみのある婆さまの影がちらつく。この片膝立ちの老婆は川という境界にいる両義的・母性的な存在だとか。読むにつれ地獄そのものが両義的に思える。我々は地獄絵の酷さを忌み嫌いつつ、嗜虐や被虐といった願望を覗いているのだ。著者によるフロイト流の解釈はややクドいが、その可否は一旦置くとしても、地獄が現実社会の写しであり、人の心の鏡として機能してきたことは納得される。親に先立つ《不孝》のせいで子供が虐められる「賽の河原地獄和讃」は涙なしに読めない。これを今の価値観から因襲と蔑んでいられようか。

  • keroppi

    水木しげる「あの世の事典」に続いて、地獄の本。なぜ人は、地獄に惹きつけられるのか? 「暴力とエロスの欲動」によると、この本は語る。図版も多用し、地獄の描かれ方や人が地獄をどう見てきたかを論じる。「心のなかに暴力とエロスの欲動を秘めた私たちは、皆平等に生まれながらにして、地獄に堕ちる資質を与えられている。」私も地獄に堕ちるのかぁ…。

  • NAO

    地獄は、自分が生きている間にしてきた行いに等しい罰を受けるところだ。地獄絵は、それを描くことで、人の行いを戒めている。自業自得の地獄の沙汰でひとつだけ気になったのは、幼子が地獄に落ちて責め苦を受けていること。親より先に死ぬことほど親不孝はないと考えられていたためだ。だが、不慮の事故や病気で亡くなった子どもに罪があるだろうか。これはきっと、親に対する戒めなのだろう。かわいい子どもをこんな目にあわせてしまうことのないよう大事に育てなさい、と。

  • 雲をみるひと

    国内の出典より地獄像とその時代変遷について論じた本。主に地獄がどのように表現されているかが解説されていて、地獄を体系的に分析しているものではない。カラーの絵が多数挿入されているようにビジュアルに訴える手法が取られている。

  • きいち

    美術史の碩学による地獄絵の読み解き、それが「地獄めぐり」という趣向で一冊の書物に仕上がっていて本当に入り込みやすい。あとがきによると、編集者は学部・院の著者の教え子だとのこと、第一稿に朱入れされてムッとしながら改稿し、「はるかに読みやすく、内容の濃いものになった」と。でも確かに、図版の入り方ひとつにしても本当に編集の力の入った本だと思う。先生の新書を出すために頑張ったのかな?など思わず成立過程を妄想してしまった。◇最後に紹介されてる映画三本ともみたい!

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