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小説の未来 講談社文芸文庫

加藤典洋

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065319604
ISBN 10 : 4065319609
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2023
Japan

Content Description

一九九〇年代以降、大江健三郎、高橋源一郎、阿部和重らが目指し達成したものとは?金井美恵子、吉本ばなな、川上弘美らが捉えていた、より繊細な感情はどのように描かれたのか?―同時代の小説家による作品の意義と新しさと面白さを徹底的に読み解き、はじめて現代文学にふれる読者に向け、深く強く、そしてわかりやすく示す、本格的で斬新な文芸評論集。第七回桑原武夫学芸賞受賞。

目次 : 1 「両村上」の時代の終わり(行く者と行かれる者の連帯―村上春樹『スプートニクの恋人』/ 七合目での下山―村上龍『希望の国のエクソダス』)/ 2 九〇年代以降の小説家たち(「先生」から「センセイ」へ―川上弘美『センセイの鞄』/ 二重の底とポストモダン―保坂和志『季節の記憶』 ほか)/ 3 時代の突端の小説たち(生の「外側のその向こう」―大江健三郎『取り替え子』/ 言語・革命・セックス―高橋源一郎『日本文学盛衰史』 ほか)/ 4 新しい小説のさまざまな展開(その小さなもの(女性形)―伊藤比呂美『ラニーニャ』/ 「毎日ぶらぶら遊んで暮らしたい」―町田康『くっすん大黒』 ほか)/ 5 よしもとばななと一九九五年の骨折(なぜ小説はお猿の電車を選ぶのか―吉本ばなな『アムリタ』)

【著者紹介】
加藤典洋 : 1948・4・1〜2019・5・16。文芸評論家。山形県生まれ。1972年、東京大学文学部仏文科卒。国立国会図書館勤務、明治学院大学教授、早稲田大学教授を経て、2014年、同大学名誉教授。1985年、最初の評論集『アメリカの影』刊行。97年、『言語表現法講義』で新潮学芸賞、98年、『敗戦後論』で伊藤整文学賞、2004年、『テクストから遠く離れて』『小説の未来』で桑原武夫学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Foufou

    かつて『小説から遠く離れて』という画期的な評論があって、村上春樹や丸谷才一の「玄人離れ」を促進したように記憶するが、本作はそれの向こうを張るとも言うべき、扱われた作品のすべてを読者が読みたくなるような言説に満ち満ちているという点であまりにも感動的。解読格子に当てはめて優劣を決定するようなテクスト論からは遠く離れ、作品から聞こえる肉声にじっくり耳を傾け、肌を撫ぜてその質感を丹念に触知するといった、愚直かつは繊細な読み。なぜか救われるのです。もう著者に会えないのがこんなに寂しいとは。

  • Go Extreme

    小説の分構造; 村上春樹の『スプートニクの恋人』の基本構造 第一ー日本の吉祥寺が舞台 第二ーギリシャが舞台 第三ーすみれの視点 キャラクターとその関係: 「ぼく」とミュウ・すみれ・ガールフレンドなどのキャラクター ミュウの過去の秘密やトラウマが物語の展開に影響 テーマとメッセージ: 喪失・愛・アイデンティティの探求 すみれの消失ー人間関係の脆弱性を象徴 個々のキャラクターの内面的な葛藤→物語全体の深み 文体と技法: 村上春樹特有の文体ー幻想的かつ現実的な描写 フラッシュバックや視点の交替→物語に緊張感

  • yuyuCh

    『テクストから遠くはなれて』を理論編、こっちを実践編のようなイメージでまとめられたとのことだけど、正直理論編のほうが自分としては読みやすく感じた。高橋源一郎氏の『日本文学盛衰史』についての読みに救いを感じた。

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