Books

安楽死が合法の国で起こっていること ちくま新書

児玉真美

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480075772
ISBN 10 : 4480075771
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

日本にも、終末期の人や重度障害者への思いやりとして安楽死を合法化しようという声がある一方、医療費削減という目的を公言してはばからない政治家やインフルエンサーがいる。「死の自己決定権」が認められるとどうなるのか。「安楽死先進国」の実状をみれば、シミュレートできる。各国で安楽死者は増加の一途、拡大していく対象者像、合法化後に緩和される手続き要件、安楽死を「日常化」していく医療現場、安楽死を「偽装」する医師、「無益」として一方的に中止される生命維持…などに加え、世界的なコロナ禍で医師と家族が抱えた葛藤や日本の実状を紹介する。

目次 : 序章 「安楽死」について/ 第1部 安楽死が合法化された国で起こっていること(安楽死「先進国」の実状/ 気がかりな「すべり坂」―線引きは動く)/ 第2部 「無益な治療」論により起こっていること(「無益な治療」論/ コロナ禍で拡散した「無益な患者」論)/ 第3部 苦しみ揺らぐ人と家族に医療が寄り添うということ(重い障害のある人の親の体験から医療職との「溝」を考える/ 安楽死の議論における家族を考える)/ 終章 「大きな絵」を見据えつつ「小さな物語」を分かち合う

【著者紹介】
児玉真美 : 1956年生まれ。一般社団法人日本ケアラー連盟代表理事。京都大学文学部卒。カンザス大学教育学部でマスター取得。英語教員を経て著述家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 読特

    どうせ死ぬなら、楽に逝きたい。安楽死への甘い誘惑。しかし、死への主張を強めることは、生への権利を奪われることにもつながる。揺れ動く気持ちの中で、一旦死にたいの意思を示したら撤回が効かない。再び生きる希望を持つことは許されず手続きが進められる。限られた医療リソース。QOLを望めない人生は切り捨てられる。障害を持つ子の救命は後回しにされ、長生きを模索する高齢者は煙たがられる。生活困窮者には助けることよりも死を選択させる。安易な法制化は地獄への一歩。「賛成」「反対」の二元論で語る前に知るべきことがたくさんある。

  • HANA

    欧州を中心に自分の死ぬ権利を求める「安楽死」。本書はその安楽死が合法化された国々で何が起きているのかをルポした一冊。著者のスタンスがどちらかというと安楽死否定派っぽいのでそこに留意する必要あり。安楽死は苦しまずに死ねるなら、末期の不治の病に侵された患者にとって救いとなるのではと今までは単純に考えていたが、それに付随する様々な問題が致命的。安楽死の範囲を拡大する滑り台効果に臓器移植の問題、そしてコスト削減を問題とした「無益な治療」論。現代社会、やはり生産性と思想によって全体主義化しているように感じるなあ。

  • 1.3manen

    2022年度。最後になった高校現代社会の倫理分野で出てきた人の尊厳(SOL)を思い出した。尊厳死:終末期の人に、やらなければ死に至るような治療や措置を控える(始めない)、中止して死なせる。安楽死:医師が薬物を注射して死なせる。消極的安楽死;死ぬに任せる。積極的安楽死;死に至る行為を医師がする(019頁)。蘭は2001年、ベルギーは02年、世界初積極的安楽死を合法化(037頁)。

  • マイケル

    最近は安楽死関連の新書が色々出ているが、これほど重く恐ろしい本は珍しい。死の権利主張の陰でどんどん進められている優生思想による臓器提供安楽死。2013年「死の自己決定権のゆくえ―尊厳死・「無益な治療」論、臓器移植」から 10年で安楽死合法の国が増えている。無益な患者・治療。患者の想いに無頓着な医師。すべり坂。トリアージ。安楽死は社会保障費削減策。現代はナチス「T4作戦」に近づいているのか。功利主義者ピーター・シンガー「パーソン論」の「血友病の新生児を殺すことは正しい」なんて。「コーヒー事件」は殺人では。

  • 樋口佳之

    実態として前者つまり日本で言うところの「尊厳死」は、現在の終末期医療においてすでに選択肢のひとつとされ、日常的に行われている。/合法化の現実が何をもたらすか、それらの国は宗教上の伝統からも個人の権利意識の上からも日本とは違うはずで、それでさえの事例報告。これ以上は止めた方が良いと思いました。医療費の件、移植医療の件、要はお金の話は想像通りですけど、医療従事者の倫理観が大きく変更されてしまう事が何より大きいと感じました。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items