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学校と日本社会と「休むこと」 「不登校問題」から「働き方改革」まで

保坂亨

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784130530972
ISBN 10 : 4130530976
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
保坂亨 ,  

Content Description

学校に行かないことが不登校として「問題」だと言われるのはなぜか。身体を壊しても打ち込んだ部活動が「美しい」のはどうしてか。多年にわたり教育相談に従事してきた著者がみた日本社会、はなはだしくは過労死にもいたる「皆勤」の空気と、それに囲まれた現代学校の姿を浮き彫りにする。


【著者紹介】
保坂亨 : 千葉大学名誉教授・教育学部グランドフェロー。1956年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得中退。東京大学教育学部助手(学生相談所専任相談員)、千葉大学教授等を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • katoyann

    日本企業の長時間労働に見られるような、「休まずに働く」というエートスが不登校を過度に問題視する社会的な規範を生み出しているとしている。長期欠席の研究で功績をあげた心理学者だが、教育史や社会学の研究知見を参考にしながら、皆勤賞が高く評価されてしまうような学校文化の背景にある日本社会の問題を分析している。休まず働くという倫理は高度経済成長を促したが、過労死や精神疾患の急増という人的被害も生み出している。子どもの内面の問題と考えられる傾向のある不登校から日本社会の課題を切り抜くという点が斬新だった。

  • TAK.I

    学校に行かないのは「問題」なのか。身体を壊しても部活動、仕事に打ち込むのは「美しい」のか。本書は日本社会における「休むこと」について多角的に論じている。高度経済成長を遂げてきた裏には働きすぎの実態がある。コロナ以前から「ワークライフバランス」や「働き方改革」が叫ばれているが実態は…。日本社会の歪な文化が現代の子供達にも伝播しているのは大問題だ。しかしそれは裏を返せば多少無理してでも学校を休まないことが美徳とされ、「皆勤」の空気を蔓延させてきたことが原因だ。改めて「休むこと」について考えるきっかけにしたい。

  • てくてく

    自分が中高6年間で休んだのは1日だけ(精勤賞)だったのは、家より学校の方が気が休まって楽だったからだとはいえ、学校や仕事を休むことは悪い事、といった価値観は自分にしみついてしまっていた。コロナ禍を契機に体調不良なのに登校・出勤することは周囲の感染リスクを高めるよろしくないこと、という感覚が定着し、それに学校や職場が対応していることは、おそらくは感染対策としても、過労死防止としても良いのだろう。そのあたりの社会の変化をまとめており、参考になった。

  • AyaZ

    コロナ後のデータを含めて、働きすぎの日本社会、そして欠席できない学校について論じた本。働き方にういてはここ10年くらいでかなり意識の変化が起こっているし、コロナで学校における欠席の扱いが混乱したこともあり、この流れは一層加速していくのだろう、と感じた。

  • お抹茶

    会社,学校,スポーツ界での休むことをデータで調査。全体的にもう少し深掘りしていればよいのでは。高校野球での投げすぎ問題は2020年前後に賛否に変化の兆しが見られたが,アメリカでは球数制限は当たり前。コロナ禍で体調不良でも入試の追試ができる時代になるかもしれないが,国家試験は非対応。日本中が猛烈に働いていた1970〜1980年代に,子供は毎日学校に行かなくてはならないという観念が広がり,学校を休むことは悪いことという雰囲気になっていった。

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