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経済学の思考法 稀少性の経済から過剰性の経済へ 講談社学術文庫

佐伯啓思

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065217740
ISBN 10 : 4065217741
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2020
Japan

Content Description

格差拡大、雇用不安、デフレ、グローバリズムの停滞……。「構造改革」以降、実感なき好景気と乱高下する日本経済。過剰な貨幣発行がもたらす問題、「複雑な”経済現象”」と「理論重視の”経済学”」の乖離など、現代資本主義が直面する困難を徹底的に検証。
アダム・スミスから金融理論、リーマンショックからアベノミクスまで、経済学の限界と誤謬を提示する。

内容抜粋
「経済学」がひとつの思想でありイデオロギーであるとすれば、今日の支配的な経済学の考え方とは異なった「経済」についての見方はできないか。「稀少な資源の配分をめぐる科学」というような経済学の典型的な思考方法ではない、別の思考様式はないのか、ということだ。―――学術文庫版「はじめに」より

目次
学術文庫版「はじめに」
第1章 失われた二〇年――構造改革はなぜ失敗したのか
   学術文庫付論
第2章 グローバル資本主義の危機――リーマン・ショックからEU危機へ
   学術文庫付論
第3章 変容する資本主義――リスクを管理できない金融経済
第4章 「経済学」の犯罪――グローバル危機をもたらした市場中心主義
第5章 アダム・スミスを再考する――市場主義の源流にあるもの
第6章 「国力」をめぐる経済学の争い――金融グローバリズムをめぐって
第7章 ケインズ経済学の真の意味――「貨幣」の経済学へ向けて
第8章 「貨幣」という過剰なるもの――「稀少性」の経済から「過剰性」の経済へ
第9章 「脱成長主義」へ向けて――現代文明の転換の試み
あとがき――ひとつの回想
学術文庫版あとがき

2012年刊行、講談社現代新書『経済学の犯罪』を改題、
大幅加筆修正したものです

【著者紹介】
佐伯啓思 : 1949年、奈良県生まれ。東京大学経済学部卒業。同大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。京都大学名誉教授。京都大学こころの未来研究センター特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • TM

    タイトルに反して,経済学の本流ではなく,それを批判的に考察する本。著者の考えが前面に出ているので,一般的な見解ではなさそうだが,相応に説得的な内容だとも感じた。特に,現代経済学では打開できていない日本の経済状況を生み出した経済学的思考に対する批判がなされており,思考を前に進めるのに有用だと思う。通説をよりよく理解するための少数説の把握,という感じの本だろうか。

  • クレストン

    新書「経済学の犯罪」の文庫化。経済思想・文明論が専門の方による本。内容としては複雑すぎる経済現象と「教科書としてまとめられている」経済学をどういった関係性で見れば良いか述べられている(基本的には経済学(照準は主流派経済学)批判が多い)。私が大学で勉強した時、経済学はイデオロギー的側面があると思っていたが、この本ではそういう部分を多く取り上げられている。経済を理解するには経済学では足りないのかなぁと感じさせられる本です。

  • もてぃ

    面白かった。現代の経済学には科学のような顔をして実は「効率」や「利益」を至上価値とするイデオロギーが前提に含まれている。そのせいで我々は効率性の追求や市場での競争に追い立てられており、そこから脱するために脱成長主義と価値の転換が必要であるという。言ってることは理解するし似たようなことを考えもするのだが、価値の転換とは具体的にどうやって転換した価値についてのコンセンサスを作るのか、というところで立ち止まってしまう。

  • ジョンブリアン

    純粋に面白かった。いろいろ経済の本を読んで来たが、思考を重ね洗練された文章、要点を押さえた論理展開、滲み出る確かな知識、という点で本作は頭一つ飛び出ている、かなと。行き過ぎた自由主義の問題を指摘し、国家とはなにか、何を守るべきか、そのために何に価値観の軸を置くべきか、を根底に経済を俯瞰する。 これは是非英訳して世界中で読んで貰いたい。

  • horada

    ****

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