さらば、欲望 資本主義の隘路をどう脱出するか 幻冬舎新書

佐伯啓思

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784344986565
ISBN 10 : 4344986563
フォーマット
出版社
発行年月
2022年05月
日本
追加情報
:
219p;18

内容詳細

グローバリズムの矛盾が露呈し、新型コロナに襲われ、ついにはプーチンによる戦争が始まった。一体何が、この悪夢のような世界を生み出したのか―自由、人権、民主主義という「普遍的価値」を掲げた近代社会は、人間の無限の欲望を肯定する。欲望を原動力とする資本主義はグローバリズムとなり、国益をめぐる国家間の激しい競争に行き着いた。むき出しの「力」の前で、近代的価値はあまりに無力だ。隘路を脱するには、われわれの欲望のあり方を問い直すしかない。稀代の思想家による絶望と再生の現代文明論。

目次 : 序章 「ロシア的価値」と侵略/ 第1章 なぜ誰もがこんなに生きにくいのか/ 第2章 かくも脆弱だった現代文明/ 第3章 さらば、欲望/ 第4章 「民意」亡国論/ 第5章 ポスト・コロナ時代の死生観/ 第6章 日本近代、ふたつのディレンマ

【著者紹介】
佐伯啓思 : 思想家。1949年奈良県生まれ。東京大学経済学部卒業。同大学院経済学研究科博士課程単位取得。滋賀大学教授、京都大学大学院教授などを歴任し、現在は京都大学名誉教授、京都大学人と社会の未来研究院特任教授。『隠された思考』(筑摩書房、サントリー学芸賞受賞)、『「アメリカニズム」の終焉』(TBSブリタニカ、NIRA政策研究・東畑記念賞受賞)、『現代日本のリベラリズム』(講談社、読売論壇賞受賞)など著書多数。言論誌『ひらく』(A&F)の監修も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • trazom さん

    「名状しがたい不安感、危機感、窮屈感」に満ちた現代社会を佐伯先生と共有する。破壊された伝統的な道徳観、「民意」という亡霊、自己抑制・寛容・思慮・エリートの責任感という価値の喪失、独裁者を生み出す民主主義…。コロナが終息したら、再び、グローバル資本主義、経済成長主義へと回帰するのかと先生は問う。市場主義や効率主義や過剰な情報文化が、我々から思考能力や常識を奪い取っていた狂った時代へ、また戻るのかと。近代人の欲望こそが問題の本質であり、経済より大切なのは「死生観」だとコロナが教えてくれたのではなかったのかと。

  • まゆまゆ さん

    2018年から最近までの筆者のコラムをまとめた内容。半径数メートルにしか興味がない人たちの考えを民意とよび、その民意を利用して改革と称して行われた政策がどうなったのか、誰も評価できないでいる。アメリカ文化中心のグローバル化によって世界が複雑化している社会において、背景を深く洞察した上で政策を訴える政治家はいるのだろうか……

  • にゃんにゃんこ さん

    資本主義の行き着いた結果、膠着した日本の状況を文化や歴史、政治、思想等の面から多角的に考察している。新潮45に連載されたコラム集。 深い内容で満足できた。他の著作があれば、読んでみたいと思った。

  • kanaoka 56 さん

    様々な気付きを与えてくれるコラム集。 常に騒がしく多忙であり、不安定化・不確実性が増し、そして、資本主義の終焉も何となく見えつつあるような時代、我々は、自然や生命、身体感覚に重心をおくこと、過去への深い洞察・先人・死者たちへ敬意を払うこと、常識へ立ち戻ること等々、静かに落ち着いて、あたりまえのことを心掛けることが大切なような気がしてきました。

  • harhy さん

    ここ5年以内に書かれたエッセイをまとめたもの。その時々のホットなテーマについて、結構本質的な視点から切り込んでいて、面白い。今の民主主義や政治、学者、経済人、メディアなどが、欲望や薄っぺらい民意に振り回され、今直面している重要な争点を避けて、危うい今を作り出しているのが見えてくるよう。特にメディアやSNSが物事を単純化しすぎて、見えない悪意を増幅して、民意に白黒突き付けているというくだりなど、耳が痛い。こういうズバズバいう声がもっと必要なんだろうな。

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人物・団体紹介

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佐伯啓思

思想家。1949年奈良県生まれ。東京大学経済学部卒業。同大学院経済学研究科博士課程単位取得。滋賀大学教授、京都大学大学院教授などを歴任し、現在は京都大学名誉教授、京都大学人と社会の未来研究院特任教授。『隠された思考』(筑摩書房、サントリー学芸賞受賞)、『「アメリカニズム」の終焉』(TBSブリタニカ、

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