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陸奥宗光 「日本外交の祖」の生涯 中公新書

佐々木雄一

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121025098
ISBN 10 : 4121025091
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2018
Japan

Content Description

条約改正や日清戦争の難局を打開した外交指導者、陸奥宗光。幕末の紀州に生まれた彼は、坂本龍馬のもと海援隊で頭角を現す。明治新政府において県知事などを務めるが、政府転覆計画に関与し投獄される。出獄後、欧州遊学を経て再起し、駐米公使としてメキシコと対等条約を締結。1892年、伊藤博文内閣の外務大臣に就任し、条約改正や日清戦争で手腕を発揮した。最新の研究成果をもとに、「日本外交の祖」の実像に迫る。

目次 : 第1章 幕末―紀州出身の志士/ 第2章 維新官僚―能吏の自負と焦燥/ 第3章 獄中生活とヨーロッパ遊学/ 第4章 議会開設前後―再び政府のなかで/ 第5章 条約改正/ 第6章 日清戦争/ 第7章 日清戦後の内外政―知られざるもう一つの活動期/ 終章 近代日本と陸奥宗光―陸奥をめぐる人々

【著者紹介】
佐々木雄一 : 1987年、東京都生まれ。2011年、東京大学法学部卒業。16年、東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。東京大学特任研究員、首都大学東京都市教養学部法学系助教を経て、18年より首都大学東京法学部助教。専攻は日本政治外交史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • skunk_c

    藩閥から離れている分、例え海援隊にいたとしても維新史には殆ど名前が出ない人で、外交官として日英通商航海条約、日清戦争に登場、しかしその仕事ぶりへの評価が高い人だった。今回このコンパクトながらかなり詳細な評伝により、その心理的側面や、政治家としての指向性や資質を知ることができた。かなりの策士であり、議席を持つ閣僚でありながら、既成の政党とは距離を置くスタンスは、その「政治好き」な生き方とともに、この希有な人物を際立たせているようだ。著者は若い研究者だが、読みやすくまとまりのいい著作で、今後が楽しみだ。

  • 鐵太郎

    孤高にして狷介と評され、剃刀陸奥と畏怖された日本外交の父の一代記。単に理想の政治・外交術を求めて生きたのではなく、明治の藩閥政治の中で立身出世を志し、あるべき理想の日本を築くためにあらゆる手練手管を用いて奮闘した一人の熱情家・努力家の物語。即断即決の切れ者という世評の中で、「決してそんな当たって砕ける主義の野猪漢ではない。彼は如何なる場合にでも、出来得る限りの考慮を回らして、為し得る限りの準備を怠らなかった(P197)」と評された人物の生き方は面白い。あと10年の寿命があったら、時代に何を残しただろう。

  • Tomoichi

    明治の大外交官、陸奥宗光の評伝。幼少期や坂本龍馬との関係なども面白いが、この時代人特有の変人ぶりである。それでも伊藤博文や山県有朋ともうまくやっていたのだから中々仕事はできたからだろう。変人偉人から学ぶって無理があるのかな?

  • Kentaro

    陸奥宗光と言えば、条約改正や日清戦争において日本外交を導いた外務大臣として知られる。おそらく日本史上、最も有名な外務大臣だ。何を成したかという点から見ると、外相時代、とりわけ条約改正と日清戦争が、陸奥生涯最大の山場だ。しかし、陸奥の人生全体を振り返ってみれば、終生関心を向けていたのは日本の政治体制の変革であった。後の陸奥外相期の条約改正事業において根幹となる考えは、法権の完全回復を軸として「対等条約」の締結を図ること、そしてその際の根拠を日本の変化や進歩に求めること。「対等」というのが最大のキーワードだ。

  • LUNE MER

    面白かった。自分の中の陸奥宗光は海援隊にて坂本龍馬に師事し、龍馬の報復のために天満屋騒動の際には血気盛んに斬り込んだ若かりし頃のイメージが強く、むしろ一般的なカミソリ外相としてのイメージには明るくなかった。本書を読めば、上記のイメージ群がどうも実像とは異なるらしいという点も含め、陸奥宗光という明治の男の生き様を堪能できる。半沢直樹のスタッフでドラマ化したら非常にしっくりきそうな人生。ハイライトは条約改正と日清戦争だが、教科書の記述の行間に彼の熱さや絶妙手あり!と読んでいて爽快だった。

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