ネット右派の歴史社会学 アンダーグラウンド平成史1990‐2000年代

伊藤昌亮

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784787234582
ISBN 10 : 4787234587
フォーマット
出版社
発行年月
2019年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
512p;22

内容詳細

保守的・愛国的な信条を背景に、その言動でしばしば他者を排撃する「ネット右派」。彼らはどのように生まれ、いかに日本社会を侵食していったのか。その真の意図とは何だったのか。

前史にあたる1990年代の雑誌論壇と草創期のネット論壇、55年体制の崩壊から現政権の成立までの政治状況、マンガ・アニメや「2ちゃんねる」などの文化状況、歴史教科書問題や外国人労働者問題、日本会議・在特会・極右組織などの団体の動向――。

日本社会に全面展開するネット右派の2000年代までを、嫌韓・反リベラル市民・歴史修正主義・排外主義・反マスメディアという5つのアジェンダ(論題)と、サブカル保守・バックラッシュ保守・ネオナチ極右・ビジネス保守という4つのクラスタ(担い手)からあざやかに分析する。

圧巻の情報量で「ネット右派の現代史」と「平成のアンダーグラウンド」を描き出す「ネット/右翼」研究の決定版。
目次

はじめに

第1章 新保守論壇と嫌韓アジェンダ――一九九〇年代前半まで
 1 既成保守論壇から新保守論壇へ
 2 『SAPIO』の登場とその後の右傾化
 3 嫌韓アジェンダと反日アジェンダ
 4 『SAPIO』の反日国家スキームの変遷
 5 ジャパンバッシングの嵐のなかから
 6 日本版反ユダヤ主義と陰謀論
 7 「日韓論争」の展開
 8 反日嫌韓スキームの成立
 9 『醜い韓国人』をめぐる動き
 10 歴史認識をめぐる神学論争
 11 リベラル派対保守派の代理戦争
 12 嫌韓アジェンダをめぐるいくつかの通説

第2章 サブカル保守クラスタと反リベラル市民アジェンダ――一九九〇年代半ばまで
 1 リベラル市民主義の盛り上がり
 2 日本型市民社会論と戦後民主主義
 3 市民主義への自己批判という問題意識
 4 ユーフォリアのなかのリベラル市民主義ブーム
 5 小林よしのりによる市民運動批判
 6 市民主義批判から戦後民主主義批判へ
 7 リベラル市民主義の擁護者としての『朝日新聞』
 8 大月隆寛による市民主義批判
 9 サブカル保守クラスタの形成
 10 「市民」対「庶民」の階級対立
 11 サブカル保守クラスタとオタク文化との親和性
 12 戦後民主主義と戦闘サブカルチャー
 13 「上から目線」へのアンチテーゼとして

第3章 バックラッシュ保守クラスタと歴史修正主義アジェンダ――一九九〇年代後半まで
 1 東京裁判史観と歴史教科書問題
 2 バックラッシュ保守クラスタの台頭
 3 自由主義史観研究会から「つくる会」へ
 4 サブカル保守クラスタからの流れ
 5 権威主義と反権威主義との野合
 6 戦前エスタブリッシュメントと戦後エスタブリッシュメント
 7 右からの引力と左からの斥力
 8 ホロコースト否定論と日本型歴史修正主義
 9 サブカル保守クラスタと歴史修正主義アジェンダとの親和性
 10 善悪二元論批判と歴史的物語観
 11 三つのアジェンダの統合と新保守論壇の完成

第4章 ネット右派論壇と保守系・右翼系の二つのセクター――一九九〇年代後半まで
 1 ネット右派論壇の形成
 2 密教を真に受けた人々
 3 掲示板文化とメーリングリスト文化
 4 ネット右派論壇を構成するサイト
 5 新保守論壇の流れを汲む保守系セクター
 6 右翼・民族派の流れを汲む右翼系セクター
 7 保守と右翼との位置付けをめぐって
 8 右翼・民族派をめぐる当時の状況
 9 日本ちゃちゃちゃ倶楽部(日本茶掲示板)――保守系セクターを代表する存在
 10 鐵扇會――既成右翼系クラスタを代表する存在
 11 右翼共和派――新右翼系クラスタを代表する存在

第5章 ネオナチ極右クラスタと排外主義アジェンダ――二〇〇〇年前後まで
 1 ヨーロッパ極右の流れを汲むネオナチ極右クラスタ
 2 外国人労働者問題と外国人犯罪問題
 3 ヨーロッパ極右をめぐる当時の状況
 4 瀬戸弘幸と世界戦略研究所
 5 篠原節と民族思想研究会
 6 農本主義とエコロジー
 7 「血と土」のイデオロギー
 8 民族主義とディープエコロジー
 9 反ユダヤ主義から外国人労働者排斥へ
 10 山田一成と国家社会主義日本労働者党
 11 ネオナチ極右クラスタの形成
 12 ナチサブカルチャーへの強い志向
 13 「三国人発言」と外国人参政権問題
 14 日本茶掲示板と民団掲示板との論戦
 15 嫌韓アジェンダと排外主義アジェンダとの結合
 16 ネット右派論壇内部のカルチュラルポリティクス
 17 サブカル保守クラスタとナチサブカルチャーとの親和性
 18 民族主義の構造転換
 19 差別主義への志向とカルト宗教
 20 ナショナリズム・ナチュラリズム・スピリチュアリズム

第6章 2ちゃんねる文化と反マスメディアアジェンダ――二〇〇〇年代前半まで
 1 ネット常民としての2ちゃんねらー
 2 「ニホンちゃん」と観客民主主義
 3 2ちゃんねる初の大規模な炎上騒ぎ
 4 屈折した反権威主義の精神
 5 プロ市民概念の発明
 6 「悪い子」的キャラクターと「ダメな子」的キャラクター
 7 ネトウヨ底辺説をめぐる誤解
 8 反リベラル市民から反マスメディアへ
 9 マスメディアのインチキを暴く
 10 女性国際戦犯法廷とNHKの番組改変
 11 朝日新聞叩きの系譜
 12 明示的な偏向批判と暗黙的な特権批判
 13 アングラネット論壇での朝日新聞不買運動
 14 フジテレビ叩きに至る経緯


【著者紹介】
伊藤昌亮 : 1961年生まれ。成蹊大学文学部教授。専攻はメディア論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヒロミ さん

    大変な労作。分厚い本です。右派の近代から2010年代までの動きを丹念に追っています。タイトルにあるネット右派についてももちろん詳細に書かれていますが、個人的には幕末から近代の「保守」は決して排外的な「右翼」のイデオロギーを持っておらず、アジアと連携していく姿勢を見せていたということと、ネオナチとディープエコロジー思想についての関わりがゾクリときました。ヨーロッパのエコロジーな団体が過激なことが長年謎でしたが、それがナチズムに基づいていたとは…。本書の中ではそれがいちばんの衝撃でした。

  • 小鈴 さん

    90年代半ばに市民運動が最高潮に達したが、その頃から「市民」から排除された泥臭い庶民達が雑誌やネットを通して集まり、議論し、今に至る「ネトウヨ」言説を生み出してきた。右翼系セクターの三つのクラスタ(既成右翼、新右翼、ネオナチ極右)、保守系セクターの二つのクラスタ(サブカル保守、バックラッシュ保守)、ビジネス保守クラスタがいかに「嫌韓」「反リベラル市民」「歴史修正主義」「排外主義」「反マスメディア」アジェンダを産み出していったのかをまとめた労作。ぜひ図示化してほしい。戦後の反市民史。大衆の雄叫びここに有り。

  • 小鈴 さん

    社会学のマニアックな分野に社会運動論というものがあり、アジェンダ設定の形成過程の分析というものはよくあるし雑誌やネット上の言説から立ち上げるのは手法としては間違ってはいないのだが、当事者にヒアリングしたわけではないのでアジェンダの向こう側の人の顔が見えてこない。集合としての大衆は分かっても一人一人の顔が見えてこないので、「読み物」としては物足りなく感じる人もいるかもしれない。とはいえ、『民主と愛国』以後の大衆の蠢きを感じることはできる。左派はどうしたらよいのだろうか。

  • garth さん

    吉本隆明の名前が最後の最後になってようやく出てくるのだが、ここに呉智英が一度もメンションされないのがちょっと疑問であった。というのは戦後民主主義とその優等生としての朝日・岩波批判はもともとは新左翼のお家芸だったわけだし、大月・浅羽の師匠としての呉智英が現代につながる中興の祖であったのはまちがいないと思われるからだ。

  • ドラマチックガス さん

    2ヶ月近くかかってしまった。といってもつまらないわけでも読みにくいわけでもなく、むしろ逆。ネット右派を分類し丁寧にその栄枯盛衰を記述しておりとても勉強になったし面白かった。根っこにある「反体制」「反権威」の正体が、先生に対する反感というのは色々と腑に落ちる。どうりで本職の学者が丁寧に反駁しても聞く耳持たないわけだ。倉橋耕平さんとの対談を求む。倉橋さんが注目した産経新聞の経営問題は、伊藤さんはあまり注目していなかったので。

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