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ISBN 10 : 4787234587
Content Description
保守的・愛国的な信条を背景に、その言動でしばしば他者を排撃する「ネット右派」。彼らはどのように生まれ、いかに日本社会を侵食していったのか。その真の意図とは何だったのか。
前史にあたる1990年代の雑誌論壇と草創期のネット論壇、55年体制の崩壊から現政権の成立までの政治状況、マンガ・アニメや「2ちゃんねる」などの文化状況、歴史教科書問題や外国人労働者問題、日本会議・在特会・極右組織などの団体の動向――。
日本社会に全面展開するネット右派の2000年代までを、嫌韓・反リベラル市民・歴史修正主義・排外主義・反マスメディアという5つのアジェンダ(論題)と、サブカル保守・バックラッシュ保守・ネオナチ極右・ビジネス保守という4つのクラスタ(担い手)からあざやかに分析する。
圧巻の情報量で「ネット右派の現代史」と「平成のアンダーグラウンド」を描き出す「ネット/右翼」研究の決定版。
目次
はじめに
第1章 新保守論壇と嫌韓アジェンダ――一九九〇年代前半まで
1 既成保守論壇から新保守論壇へ
2 『SAPIO』の登場とその後の右傾化
3 嫌韓アジェンダと反日アジェンダ
4 『SAPIO』の反日国家スキームの変遷
5 ジャパンバッシングの嵐のなかから
6 日本版反ユダヤ主義と陰謀論
7 「日韓論争」の展開
8 反日嫌韓スキームの成立
9 『醜い韓国人』をめぐる動き
10 歴史認識をめぐる神学論争
11 リベラル派対保守派の代理戦争
12 嫌韓アジェンダをめぐるいくつかの通説
第2章 サブカル保守クラスタと反リベラル市民アジェンダ――一九九〇年代半ばまで
1 リベラル市民主義の盛り上がり
2 日本型市民社会論と戦後民主主義
3 市民主義への自己批判という問題意識
4 ユーフォリアのなかのリベラル市民主義ブーム
5 小林よしのりによる市民運動批判
6 市民主義批判から戦後民主主義批判へ
7 リベラル市民主義の擁護者としての『朝日新聞』
8 大月隆寛による市民主義批判
9 サブカル保守クラスタの形成
10 「市民」対「庶民」の階級対立
11 サブカル保守クラスタとオタク文化との親和性
12 戦後民主主義と戦闘サブカルチャー
13 「上から目線」へのアンチテーゼとして
第3章 バックラッシュ保守クラスタと歴史修正主義アジェンダ――一九九〇年代後半まで
1 東京裁判史観と歴史教科書問題
2 バックラッシュ保守クラスタの台頭
3 自由主義史観研究会から「つくる会」へ
4 サブカル保守クラスタからの流れ
5 権威主義と反権威主義との野合
6 戦前エスタブリッシュメントと戦後エスタブリッシュメント
7 右からの引力と左からの斥力
8 ホロコースト否定論と日本型歴史修正主義
9 サブカル保守クラスタと歴史修正主義アジェンダとの親和性
10 善悪二元論批判と歴史的物語観
11 三つのアジェンダの統合と新保守論壇の完成
第4章 ネット右派論壇と保守系・右翼系の二つのセクター――一九九〇年代後半まで
1 ネット右派論壇の形成
2 密教を真に受けた人々
3 掲示板文化とメーリングリスト文化
4 ネット右派論壇を構成するサイト
5 新保守論壇の流れを汲む保守系セクター
6 右翼・民族派の流れを汲む右翼系セクター
7 保守と右翼との位置付けをめぐって
8 右翼・民族派をめぐる当時の状況
9 日本ちゃちゃちゃ倶楽部(日本茶掲示板)――保守系セクターを代表する存在
10 鐵扇會――既成右翼系クラスタを代表する存在
11 右翼共和派――新右翼系クラスタを代表する存在
第5章 ネオナチ極右クラスタと排外主義アジェンダ――二〇〇〇年前後まで
1 ヨーロッパ極右の流れを汲むネオナチ極右クラスタ
2 外国人労働者問題と外国人犯罪問題
3 ヨーロッパ極右をめぐる当時の状況
4 瀬戸弘幸と世界戦略研究所
5 篠原節と民族思想研究会
6 農本主義とエコロジー
7 「血と土」のイデオロギー
8 民族主義とディープエコロジー
9 反ユダヤ主義から外国人労働者排斥へ
10 山田一成と国家社会主義日本労働者党
11 ネオナチ極右クラスタの形成
12 ナチサブカルチャーへの強い志向
13 「三国人発言」と外国人参政権問題
14 日本茶掲示板と民団掲示板との論戦
15 嫌韓アジェンダと排外主義アジェンダとの結合
16 ネット右派論壇内部のカルチュラルポリティクス
17 サブカル保守クラスタとナチサブカルチャーとの親和性
18 民族主義の構造転換
19 差別主義への志向とカルト宗教
20 ナショナリズム・ナチュラリズム・スピリチュアリズム
第6章 2ちゃんねる文化と反マスメディアアジェンダ――二〇〇〇年代前半まで
1 ネット常民としての2ちゃんねらー
2 「ニホンちゃん」と観客民主主義
3 2ちゃんねる初の大規模な炎上騒ぎ
4 屈折した反権威主義の精神
5 プロ市民概念の発明
6 「悪い子」的キャラクターと「ダメな子」的キャラクター
7 ネトウヨ底辺説をめぐる誤解
8 反リベラル市民から反マスメディアへ
9 マスメディアのインチキを暴く
10 女性国際戦犯法廷とNHKの番組改変
11 朝日新聞叩きの系譜
12 明示的な偏向批判と暗黙的な特権批判
13 アングラネット論壇での朝日新聞不買運動
14 フジテレビ叩きに至る経緯
他
【著者紹介】
伊藤昌亮 : 1961年生まれ。成蹊大学文学部教授。専攻はメディア論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ヒロミ
読了日:2020/12/16
小鈴
読了日:2020/01/15
ふみあき
読了日:2021/10/20
小鈴
読了日:2020/01/15
garth
読了日:2019/12/14
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