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歴史における「理論」と「現実」

仲正昌樹

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784275005854
ISBN 10 : 4275005856
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2008
Japan

Content Description

西欧近代が生み出した「歴史」という概念は、ユートピア的な「理想」に向けての人類=人間性の普遍的な「進歩」を含意していた。進歩主義的な社会理論は、「歴史」の発展過程の中で、自らが掲げる人類共通の「理想」が現実化していくと信じることができた。カント、ヘーゲル、マルクスは、「歴史」の発展方向の法則を定式化する歴史哲学を、あらゆる哲学のメタ哲学として構築することを試みた。しかし、「歴史の終焉」と呼ばれる事態によって、「歴史」の物語性が顕わになり、普遍的な「進歩」を暗黙の前提にした社会理論を展開することが困難になっている。「歴史」の普遍性の揺らぎに伴って、歴史的に構成された「現実」の理解も多元化している。「進歩」をめぐる「大きな物語」が失効した後の社会理論の可能性について多角的に考察する。

目次 : 左翼と進歩史観/ “現実”を超える現実主義―古典的リアリストの冷戦批判/ “物質”の叛乱のために―レーニンの唯物論と反映論/ ヴェーバーとワイマール大統領制―人民投票的指導者民主制の理論/ 一九世紀ドイツ憲法学における国家と公共/ 公共圏の行方を巡って―コミュニケーション論からメディア論へ/ デューイ教育哲学と現代/ ベンサムの女性論/ イデオロギーの「起源」とその現実的結果―アーレントのシオニズムイデオロギー批判に関する考察から/ 笑うがいい、ここは一番美しい所なのに!―ディドロ『俳優についての逆説』における理論と現実/ 「絶対的な事実」と「ことば」―保田/與重郎の芭蕉論を中心に/ 大宅/壮一と小林/秀雄―批評の「起源」における複数的な可能性

【著者紹介】
仲正昌樹 : 金沢大学法学類教授。専攻・社会哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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