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振仮名の歴史

今野真二

User Review :4.0
(1)

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784006023188
ISBN 10 : 4006023189
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2020
Japan

Content Description

日本語が漢字と仮名とを使い始めた時に、「振仮名の歴史」が始まった!表意文字と表音文字という2つの文字種、中国語と日本語という2つの言語、「2つの2」によって振仮名が成り立つ。平安時代から現代まで、脈々と続く振仮名の歴史を辿りながら、日本語の多様性を浮かび上がらせた名著に書き下ろしの補章を加え、待望の文庫化。

目次 : 第1章 振仮名とはなにか(サザンオールスターズの歌詞にみられる振仮名/ 現代の小説にみられる振仮名/ コミックスにみられる振仮名/ ルビ訳のいろいろ)/ 第2章 平安時代から室町時代までの振仮名―読みとしての振仮名(振仮名の起原/ 仮名(平仮名・片仮名)と振仮名/ 室町時代の振仮名)/ 第3章 江戸期の振仮名―表現としての振仮名(読本の振仮名/ 江戸期に出版された辞書にみられる振仮名/ 江戸期の振仮名百花繚乱)/ 第4章 明治期の振仮名(新聞の振仮名/ 布告・布達の振仮名/ 翻訳小説の振仮名/ 夏目漱石の振仮名)/ 補章 「振仮名の歴史」のそれから

【著者紹介】
今野真二 : 1958年神奈川県生まれ。1986年早稲田大学大学院博士課程後期退学。清泉女子大学教授。日本語学。著書に『仮名表記論攷』(清文堂出版、第30回金田一京助博士記念賞受賞)等多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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『振仮名の歴史』文字の並びを「いい景色は...

投稿日:2021/06/27 (日)

『振仮名の歴史』文字の並びを「いい景色はじっくりとみたいものだ。」と語り「振仮名がおもしろいことは間違いない。」と言い切る筆者の姿勢に好感がもてる。「日本語の歴史をできるだけ幅広く、かつ相応の深さをもって、しかもできればわかりやすく、とらえてみたい。」という思いも良い。「日本語を書く」というシステムの中で振仮名は次第にその「機能」を拡大していっている。漢字と仮名=意味と音をつなぐ貴重な工夫なのだ。人々の知識や知的なたのしみが増えるとともに、行き動く振仮名の役割や活用の増加もある。さまざまな時代や場面を通して辿る、振仮名の鑑賞の現在と過去を自由に行き来する旅のよう。振仮名の歴史にいろいろと触れては、読み進め度に楽しく知り深めることの出来る本です!

seigo-hk さん | 長崎県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 猫丸

    よろしいんじゃないでしょうか。長年にわたって洗練されていった通年講義の精華を読ませてもらいました。振り仮名ネタに目を付けたのはグッド。話のマクラにサザンの歌詞(moon light lover)を持ってくるあたり、授業巧者でありますね。漢字の右横に平仮名で振り仮名を付すばかりでなく、欧文に平仮名、逆にカタカナに欧文、果ては漢字の左に読み、右に語釈、さらに語釈に振り仮名、しめて四行に及ぶ例など、なかなか一筋縄ではいかないディープな世界。その他さまざまに楽しい実例も用意されています。作家志望者必読。

  • Akito Yoshiue

    馬琴の用いた振仮名の使用を「振仮名のマニエリスム」と評しているのが印象に残った。

  • Inzaghico (Etsuko Oshita)

    現代人なので(笑)、やっぱり最も興味深かったのは第1章「振仮名とは何か」だ。なかでも第1節「サザンオールスターズに見られる振仮名」は緻密にして秀逸。日本語はひらがな、カタカナ、漢字、アルファベットを自在に使い分けられるし、ルビという武器もある。通常、外国語のルビはメインは日本語、ルビに外国語、というのが基本だが、サザンの「匂艶(にじいろ)THE NIGHT CLUB」ではその逆で、メインが外国語でルビに日本語を振っている。著者の言う「日本語には正書法がない」おかげだ。これはけっこう大きい。

  • skr-shower

    集英社新書で読んだ。内容に違いがあるのかな?Jpopのルビも文豪のルビも「こう読ませるか!」と言うのがある。江戸時代の草紙も面白そうだ。

  • 土橋俊寛

    振仮名について「読みの難しい感じに読み仮名を付ける」という役割しか考えたことがなかった。ある意味でこの思い込みは自然だろう(と思う)。新聞や本では振仮名を滅多に見かけない一方、読者として子どもが想定されるマンガ本の類では頻繁にお目にかかる。けれども振仮名とはそんな単純なものではなかったらしい。「表現としての振仮名」について読んで、確かにそうだなと思う。現在、基本的には感じの使用を当用漢字に制限して仮名は振らない。誰もが読めるからという前提がある。この原則が振仮名の表現力を高めていることに気づいた。

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