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日本古代貨幣の創出無文銀銭・富本銭・和同銭 講談社学術文庫

今村啓爾

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062922982
ISBN 10 : 4062922983
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

『日本書紀』「今より以後、必ず銅銭を用い、銀銭を用いることなかれ」(六八三)と『続日本紀』「始めて銀銭・銅銭を行う」(七〇八)の記述の矛盾は何を意味するのか。六八三年頃発行の日本最古の銅銭富本銭とそれに先立つ無文銀銭の併存。なぜ、和同開珎には銀銭・銅銭があるのか。なぜ蓄銭叙位令が出されたのか。貨幣誕生の謎を徹底的に解明する。

目次 : 第1章 富本銭の発見/ 第2章 最古の貨幣の追究/ 第3章 無文銀銭とは何か/ 第4章 和同開珎の真相/ 第5章 日本の初期貨幣の独自性/ 第6章 貨幣発行の歴史的背景/ 第7章 貨幣の誕生/ 追加新章 藤原京「門傍」木簡の発見―さらなる展開

【著者紹介】
今村啓爾 : 1946年生まれ。東京大学文学部卒業、同大学大学院人文科学研究科博士課程中退。博士(文学)(論文)。東京大学大学院人文社会系研究科教授などを経て、帝京大学文学部教授。専門は、考古学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • へくとぱすかる

    三読目。考古学と文献史学とが協同してこそ、研究が進む分野だろう。日本の「お金」がスタートした時点から、市場経済の原理がしっかり働いていて、政府の思惑どおりにはコントロールできなかった点が印象的だ。「和同開珎」という銭文の語句が文献にない理由(次の「万年通宝」が文献に出てくるのに!)や、「古和同」の多くが銀銭で、銅銭がほとんどない理由。富本銭がアンチモンを含む合金である理由、銀銭の「大平元宝」が幻の存在である理由などなどが、無理なく説明できるのだから、ここに述べられた、経済から考察した論理は強力だと思う。

  • へくとぱすかる

    今や、日本最古のお金が、和同開珎でないことは常識だろう。しかし富本銭ですら最古でないと言えば、相当に驚かれるだろう。従来は単なる銀塊か、まじない物のように扱われてきた「無文銀銭」こそ日本最古のお金であった。想像以上に流通していた無文銀銭がこれまでネグレクトされていた理由を、著者は古代の政治家にだまされていたのだと述べる。古代の日本人はお金の使い方を知らないとか、慣れていなかったというのは律令政府のウソであったという。それにしても当時から市場原理が存分に働いていたことには驚かざるをえない。

  • へくとぱすかる

    再読。今回は琉球での貨幣使用が、本土より進んでいたことに注目した。理由は銅銭を地金の価値で流通させたこと。中国はこれをやっていたが、日本の律令政府は自身の収入増をもくろんで、かえって流通を阻害。古代といえども市場経済の力学はきちんと働いていたというわけ。ならば、正常化の立役者は、平清盛ということになるだろう。宋銭を輸入し、貨幣経済を盛り立てたのは功績。

  • みのくま

    都市建設の費用捻出の為に鋳造された富本銭や和同開珎銅銭は、それ以前から流通していたと思われる無文銀銭(もしくは和同開珎銀銭)を前提している。現代人は、貨幣経済は古代人には不可能だとナメているが、そんな事は全くないという事である。当時の律令政府は、銀銭よりも地金価値の低い銅銭を等価で取引きさせようとした。本書ではそれを経済に無知な政府の暴政だと断じているが、電子・仮想通貨が流通している現代と親和性が高いように思う。「貨幣」はなぜ使えるのか、なぜ魅力を感じてしまうのか、という謎がここに集約しているに違いない。

  • とりぞう

    「『和銅』というのは、『日本の銅』ではなく、自然銅、製錬する必要のない金属の状態で産出する銅のことである。」なんていう、わかりやすい話も一部にはあり。ただ、基本的には「論文」体裁であり、ただ「ストーリー」を求める人の役には立つまい。テーマに関し、いくつかの本、何本かの論文を読んだことのある人には面白いかもしれない。

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