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地形図でたどる鉄道史 東日本編 鉄道近代化の足跡を図上観察

Keisuke Imao

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784533034220
ISBN 10 : 4533034225
Format
Books
Release Date
March/2000
Japan

Content Description

本書では、沿線の景観を含めて面的に非常に豊富な情報を提供してくれる「地形図」を時代ごとに観察することで、日本の近代化とともにあった鉄道の足跡を物語る路線の改廃―栄枯盛衰を概観できるようなものを目指した。

目次 : 北海道(札幌付近―千歳線・苗穂〜北広島間の改良/ 室蘭付近―室蘭本線・室蘭〜東室蘭/ 狩勝峠と金山付近―根室本線(金山〜新得) ほか)/ 東北(野辺地・千曳付近―南部縦貫鉄道/ 花巻付近―花巻電鉄・岩手軽便鉄道/ 仙人峠越え―釜石線(足ヶ瀬〜陸中大橋) ほか)/ 関東(佐野・葛生付近―安蘇馬車鉄道・東武佐野線/ 今市付近―下野軌道→東武鬼怒川線/ 渋川・沼田付近―東武の軌道各線・吾妻軌道・利根軌道と上越線・吾妻線 ほか)/ 中部(新潟付近―信越本線・越後線・白新線・新潟交通/ 寺泊―越後交通長岡線・越後線/ 頸城トンネル付近―北陸本線糸魚川〜直江津間 ほか)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

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国土地理院が発行する5万分の1地形図は、全...

投稿日:2021/04/16 (金)

国土地理院が発行する5万分の1地形図は、全国を1,291面によりカバーし、不定期に更新される。鉄道ファンにとって、概して過去地形図は魅力的なものだと思う。「かつて存在した鉄道」の線形がそこには記録されている。当書は、古い地形図から、鉄道の改廃、線形変更の歴史、その背景を紹介してくれる。当「東日本編」と題する本書で紹介されているのは下記の通り。 【北海道】 札幌付近◆千歳線・苗穂〜北広島の改良  室蘭付近◆室蘭本線・室蘭〜東室蘭  狩勝峠と金山付近◆根室本線(金山〜新得) 小樽・幌内付近◆旧・手宮線と旧・幌内線の今昔  殖民軌道と標津線◆根室標津・中標津・厚床付近  駒ヶ岳をめぐって◆函館本線(七飯〜大沼〜森)  苫小牧・沼ノ端◆室蘭本線・千歳線・日高本線  【東北】 野辺地・千曳付近◆南部縦貫鉄道  花巻付近◆花巻電鉄・岩手軽便鉄道  仙人峠越え◆釜石線(足ヶ瀬〜陸中大橋)  石巻〜女川間◆金華山軌道と石巻線  羽越本線◆村上〜鶴岡間  白河付近と棚倉◆東北本線(白河〜黒磯)の改良と白棚鉄道  塩釜・松島◆東北本線新旧線・宮城電気鉄道(仙石線)  小名浜付近◆磐城海岸軌道・小名浜臨港鉄道・江名鉄道他   【関東】 佐野・葛生付近◆安蘇馬車鉄道・東武佐野線  今市付近◆下野軌道→東武鬼怒川線  渋川・沼田付近◆東武の軌道各線・吾妻軌道・利根軌道と上越線・吾妻線  千葉付近◆総武本線・内房線・外房線・京成電鉄  津田沼付近◆新京成電鉄  成田・三里塚付近◆成田鉄道・京成電鉄他  川越への鉄道◆川越鉄道・川越電気鉄道・川越線・東上鉄道  荒川放水路◆東武伊勢崎線・京成押上線  新宿停車場◆山手線・甲武鉄道・その他私鉄  羽田空港への鉄道◆京浜急行空港線  東京の東急路線網◆東横線・目蒲線・池上線・大井町線  西武の複雑路線網◆国分寺・所沢付近  八王子付近◆京王御陵線と高尾線・武蔵中央電気鉄道  多摩の専用線◆中央本線・青梅線・横浜線に沿って  鶴見の埋立地をゆく◆鶴見線・海岸電気軌道・京浜急行  横浜駅三代◆横浜駅付近  海老名・大和付近◆小田急・相鉄・相模線  小田原〜熱海◆豆相人車鉄道→東海道本線  【中部】 新潟付近◆信越本線・越後線・白新線・新潟交通  寺泊◆越後交通長岡線・越後線  頸城トンネル付近◆北陸本線糸魚川〜直江津間  確氷峠◆旧・信越本線(横川〜軽井沢間)と長野新幹線  三島・沼津◆新旧の東海道本線・駿豆鉄道  大井川鉄道井川線◆井川線・長島ダム付近  富士を目指す鉄路◆富士急行他  吉原・富士宮付近◆身延線・岳南鉄道他  飯田線◆辰野〜伊那松島 中部天竜〜大嵐  遠州の鉄道・軌道◆秋葉原馬車鉄道・中遠鉄道・光明電気鉄道・遠州鉄道他   各項目ごとに、鉄道や線形の変遷の歴史、背景が述べられていて、読者は、その文章を読みながら引用された地形図を見比べるという体裁になっている。地形図は、基本的に同地点における変化の前後を参照できる形で引用されていて、なかなか興味深い。特に、北海道で、かつて拓殖のため、道東・道北を中心に敷設された狭軌の軌道「殖民軌道」など、1946年には、総延長は600kmを越えたにもかかわらず、なかなかきちんとした記録がないものであるため、地形図は一次資料としても有用なもので、本書では1925年5月に厚床-中標津58kmに開通した最初の軌道を中心にその変遷を紹介してくれる。私のような趣味を持つ人間には、とても楽しく拝見できるが、地形図の引用を参照するさい、「細かすぎる紙面」は人によっては苦労させられるかもしれない。また、紙面の制約からやむないとは言え、情報も鉄道線の変遷のみであり、個人的希望として、例えば、いくつかの廃止された鉄道に絞って、その全線を地形図で紹介し、地域一帯の歴史を紹介してみるような試みであれば、より深い社会的興味を喚起できそうに感じる。また、森林鉄道についても、是非触れてほしかったところである。ただ、そのような趣味性に基づく要望は、それこそ「言い出せばきりがない」であろう。それよりも、これほど全国の広範囲なターゲットから、興味深い地点を抽出し、資料を集約した著者の労力は、賞賛されてしかるべきものだし、これを機に、さらなる分析を加える機会を人々に提供されたなら、最大の成果というべきものになるだろう。著者のこれからの活躍にも期待したい。なお、巻末にある「廃線・路線変更区間地形図一覧」は、線路が通っていた個所の地形図を、図郭番号で示しただけのものとなっている。こちらは、廃線なだけに、線路の記載されている地形図の「発行年」を併せて周知しなくては、データの意味が薄いと感じられました。

ココパナ さん | 北海道 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Tadashi_N

    鉄道線路の場所は、立案時の迷信と政治力と建設技術によって決まる。残された場所には痕跡がある。

  • rbyawa

    b061、正直興味のある土地でしか地図を確認しなかったのだけれども(北海道くらい変化があるとさすがにわかりやすいんだけどね)、今まで読んできた本とは方向が違う内容が多くてなかなか面白かった。しかし横浜の駅関係はダイナミックで地図でも事情がわからない…、流れはまるで掴めなかったが、事情が複雑なことはまあわかった(一駅二駅という範囲で「横浜駅」が移転している;)。北海道はまず鉄道が作り、東北では地形と戦い、関東では人の行き来に左右され、中部では様々な観光の発達と足並みを共に、ととりあえず理解してみたw

  • doremi

    2010年 縮小されて文字が潰れて読めないような地図を元に語られても困る。版を大きくして、地図はトレースして見やすくするとか、工夫をして欲しい。

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