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チカクサク

今井恭子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784774338255
ISBN 10 : 4774338257
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ぼくのせいだ―。戦争の傷あとの残る時代に生まれた英治は、弟を亡くした事故に罪の意識を抱えている。英治の心を救ったのは、おじと過ごした菜の花畑での日々や、同じように悲しみを抱える大人たちとのできごとだった。少年が受け取り、そして手渡していく救いの形を描く傑作小説。

【著者紹介】
今井恭子 : 広島県生まれ。上智大学大学院修士課程修了。日本文藝家協会会員、日本児童文学者協会会員。『歩きだす夏』(学研)で第12回小川未明文学賞大賞を受賞。『こんぴら狗』(くもん出版)で第67回小学館児童出版文化賞、第58回日本児童文学者協会賞、第65回産経児童出版文化賞(産経新聞社賞)を受賞する

いとうあつき : イラストレーター。文教大学教育学部心理教育課程卒業。保育士として勤務後、イラストレーターに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • chimako

    今井恭子さんは児童文学の作家だが、これは5歳の英治の目線で描かれた戦後色が残る昭和28年〜の大人の物語だと感じた。戦死したと思われていた一家の長男の思いがけない帰還や養蜂で暮らしを立てる叔父、二つの家族が住む大家族の家の様子、恐ろしい廃屋。これより10年ほど後に英治位の年頃で大家族の友人の家の様子や、戦争で亡くなった伯父の写真、濃い近所付き合い等を思い出した。英治の弟は2階から落ちて亡くなる。昔は子どもが亡くなることも今より多かった。幸せは身近にあり不幸も身近にあった。懐かしく、切なく暖かい読後感。

  • 雪丸 風人

    人にも自分にもやさしくなれる物語。戦争の傷跡が残る時代の商家を舞台に、重いトラウマを抱える少年が荒波にもまれながら成長していきます。傷痍軍人の話は私の心にもグサリと刻まれました。子どもを子ども扱いしない養蜂家の叔父さん、魅力的ですね。傷ついた少年のために、彼がする思いがけない働きかけが沁みましたよ。女絵師のエピソードでは、二人して感情を吐き出す場面が圧巻でしたね。さらにラスト。失礼ながら変なタイトルだと思っていたのが「これしかない!」へ引っくり返る妙技に、心から満たされた!(対象年齢は12歳以上かな?)

  • manamuse

    いろいろ伝えたいことがあるんだな…と。全体的に不穏な感じがしてなんか怖い。電報のシンプルさが新鮮。

  • joyjoy

    自分の親世代が子どもだった時代の物語。皆が何かしら哀しみを背負って生きていて、その分、人を思いやることができたのかな。家族や親戚、ご近所さんとの交わりが深いだけ公然の秘密も多くあったかもしれないが、誰にも言えない心の秘密を、ここぞという場面で大事なひとと分かち合う場面にグッときた。校長先生の訓話「人には親切に」ではないが、勇気を出して心を開くことで、自分自身が癒されたり成長したり、成仏できたり?するのかも。読み返すと「おあいこか」は絵師から英治への「ありがとう」のようにも思える。タイトル、表紙画も素敵。

  • 柊子

    カバーのイラストが美しい。タイトルも秀逸。ストーリーは児童書と言うより、大人向きでは? 女絵師との絡みなど、不思議な雰囲気の中、胸に迫るものがある。100年も?描き続けていた蝋燭が、やっと燃えた……こういう展開は好きだ。でも、子供にはなかなか理解できないだろうなあ。初読みの作家さん。面白かった。

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