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逆説の世界史 3 ギリシア神話と多神教文明の衝突

Motohiko Izawa

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784093887021
ISBN 10 : 4093887020
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2019
Japan

Content Description

「ヘラクレス」はなぜキリスト教に負けたか
『逆説の世界史』は、550万部突破のベスト&ロングセラー『逆説の日本史』の著者による新たなライフワーク。構想15年の本シリーズは、民族・宗教・イデオロギーによる偏見や差別を極力排し、世界史を「地球人の視点」で読み解く文明論です。
 待望の第3弾は「多神教文明の興亡」がテーマ。ギリシア神話の神々がキリスト教に撲滅されたように、多神教文明は「強い一神教」に駆逐されるのが世界史の大原則。ところが、日本とインドには、一神教に負けない「強い多神教」がある。その強さの根源にあるものとは!? 
 古代ギリシアにおけるオリュンポスの神々と神話から、古代インドで「完全なる死」を求めて誕生したヒンドゥー教と仏教まで、著者が聖地を訪れながら、その謎に迫ります。
 日本人ほど宗教に疎い民族は世界でも珍しい。自分は「無宗教」だと思い込んでいる多くの日本人が知っておくべき多神教世界のルーツ、さらに欧米・中東の一神教世界との違いがよく分かる必読書です。
『逆説の世界史』の新章「ローマ編」は、9月頃から小学館のウェブサイト「P+D MAGAZINE」(https://pdmagazine.jp/)にて連載予定。

〈 目次をみる 〉
序 章 多神教社会に生きる日本人
──無宗教ではなく、「日本教」を信じる民族
「無宗教」の日本人は世界の非常識/芥川龍之介が見抜いた独特な宗教社会の「造り変える力」


第一章  インダス文明の滅亡とヒンドゥー教の誕生
──古代インド思想における「輪廻転生」と「永遠の死」
「世界最古の看板」に刻まれた「インダス文字」の謎/ヒンドゥー原理主義的な歴史解釈の弊害/創造、破壊、維持の役割を分担するヒンドゥー教の三神/古代インド人が願っていた「輪廻転生」のサイクルからの脱出


第二章  ブッダの生涯と仏教の変容
──なぜインドではなく中国と日本で発展したのか
第一話  ブッダが追求した「完全なる死」の境地
苦行と瞑想の末に悟りを開いたブッダの選択/ブッダの伝道の旅と火葬にされた遺骨の所在/大乗仏教が新たに創造した経典と悟りを開いた「如来」たち/シルク・ロードはいかにして仏教を東アジアに定着・発展させたか

第二話  禅宗がもたらした日本型資本主義
「シルク・ロードの終着駅」日本における新たな仏教の誕生/一神教的宗教戦争もあった「日本仏教」発展史/「信教の自由」を確立した織田信長の世界史的評価/S・ジョブズの愛読書『弓と禅』と日本型資本主義の真髄/日本型資本主義のルーツは禅宗か浄土真宗か/なぜ日本で「キリスト教なき資本主義」が生まれたのか


第三話  仏教はなぜ発祥の地インドでは衰退したのか
発掘されたアショーカ王石柱碑が証明したブッダの歴史的実在/インドにおける「一神教イスラム教vs多神教」の攻防/「強い一神教」に負けなかった「強い多神教」とは?

インドの宗教興亡史略年表


第三章  オリュンポスの神々とギリシア文明の遺産
──ポリス(都市国家)の連合体が確立した平和
第一話  キリスト教に敗北したギリシア神話の世界
現代のギリシャ人に忘れられたギリシア神話の神々/なぜ日本神話とギリシア神話に共通点が多いのか/最高神ゼウスを讃える祭りの行事として始まった古代オリンピック/世界四大文明とはまるで違うギリシア文明の特異性/ギリシア神話の最高神ゼウスが生まれたクレタ島とミノア文明の謎

第二話 民主主義のルーツとしてのポリス
なぜポリスの連合体が「ギリシア連邦」を築けたのか/ポリスが一つの帝国に統合されなかった背景/「ポリス連合」を結成させたギリシア-ペルシア戦争/古代ギリシアにおける不完全な直接民主政/「アテネの覇権vsスパルタの自由」を巡る軍事同盟の戦い/敵国に亡命を繰り返した「カメレオン人間」アルキビアデス/アテネ黄金時代の終焉とペルシア帝国の台頭/ポリス同士の闘争を操った黒幕はペルシア帝国!?

第三話  アレクサンドロス大王の偉業とマケドニア帝国の興亡
マケドニア王国の基礎を築いたフィリポス2世の生涯/「大王」となったアレクサンドロス3世の野望/ダレイオス3世はなぜアレクサンドロス大王に敗れたか/側近たちがアレクサンドロス大王の暗殺を計画した理由/インド遠征中に味わった生涯最大の挫折/世界征服の野望を阻んだ下級兵士の「セックス管理」/アレクサンドロス大王の急死で始まった後継者問題/アレクサンドロス神話が世界史に与えた影響

第四話  ギリシア・ヘレニズム文明の賢者たち
哲学者ソクラテスを殺したギリシア文明の汚点/『ソクラテスの弁明』から読み解く「死刑の覚悟」/弟子プラトンが「イデア論」で証明しようとしたソクラテスの「霊魂不滅論」/プラトン哲学を批判したアリストテレスの論点/アリストテレスはアレクサンドロス大王に影響を与えたか/逆説史観で選ぶギリシア・ヘレニズム文明の七賢人

古代ギリシアの略年表

【著者紹介】
井沢元彦 : 作家。1954年2月1日、愛知県名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒業。TBS報道局記者時代の80年、『猿丸幻視行』で江戸川乱歩賞を受賞。累計550万部突破のベスト&ロングセラー『逆説の日本史』シリーズの他、著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 誰かのプリン

    ヒンズー教のアンチテーゼとして仏教は誕生したんだ。そしてインドに於いて仏教は滅んだと思っていたら、ヒンズー教の一神として今でも存在している。伊沢氏には毎度ながら驚かされる。

  • TheWho

    「逆説の日本史」の著者が、題材を世界史に広げて論述するシリーズ3巻目。今回は、古代インド文明のバラモン教から仏教、そしてヒンドゥー教の多神教の世界が日本に齎した影響と、強い一神教に負けなかった強い多神教世界。。そして西欧世界の源流でありながらキリスト教に駆逐されたギリシャ神話の世界と、古代ギリシャ文明の成り立ちとアケメネス朝ペルシャとの確執からアレクサンドロス大王による東西融合のヘレニズム文化の発生と地域世界の歴史から世界史へと展開されている。次巻はローマ世界!楽しみです。

  • 19年。3年前に1,2巻を読んだがほとんど記憶に残っていない。今回も特に第三章のギリシア神話、ポリスの興亡のあたりは借りてきた内容が多い印象で、「逆説の日本史」シリーズに比べると新鮮味がない。筆者のこだわりが見えるのは「従軍慰安婦問題」に言及した箇所くらい■気になった部分は、インダス文明の文字は解明されていない■日本型資本主義のルーツは仏教■インドで生まれた仏教がインドでは衰退した理由、「強い多神教」ヒンドゥー教が「強い一神教」イスラム教をも圧倒した理由は以前から根付いていた輪廻転生の思想の影響か

  • TheWho

    前読本の「神を統べる者」で、宗教哲学風の論述に気になり、本著を久しぶりに再読した。本著は、古代インド文明のバラモン教から仏教、そしてヒンドゥー教の多神教の世界が日本に齎した影響と、強い一神教に負けなかった強い多神教世界を論述している。本来民族の歴史・文化とも云える神道が、仏教を取り入れる事により、死生観を確立し、強い多神教に変貌したと云う論法だったが、これも聖徳太子の功績かとも「神を統べる者」とシンクロした。改めて著者の歴史観は興味深い。

  • sosking

    世界史無知の私には、ギリシアの歴史は分かりやすく堪能できました。また、仏教についてもある程度、整理ができました。紀元前の話がほとんどなので、歴史の深さと登場人物たちの時代背景を改めて再認識いたしました。読んで良かったです。

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