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珍品堂主人 増補新版 中公文庫

井伏鱒二

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122065246
ISBN 10 : 4122065240
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2018
Japan

Content Description

風が吹かないのに風に吹かれているような後姿には、料亭“途上園”に夢を託した骨董屋・珍品堂主人の思い屈した風情が漂う―。善意と奸計が織りなす人間模様を鮮やかに描く。表題作に自作解説エッセイ、珍品堂との骨董買い出し紀行「能登半島」を併せた決定版。

目次 : 珍品/ 珍品堂主人/ この本を読んで―『珍品堂主人』/ 珍品堂主人について/ 能登半島/ 巻末エッセイ 珍品堂主人 秦秀雄(白洲正子)

【著者紹介】
井伏鱒二 : 本名・満寿二。1898年(明治31)、広島県に生まれる。早稲田大学、日本美術学校を中退。1929年(昭和4)「山椒魚」「屋根の上のサワン」で文壇に認められる。38年(昭和13)、「ジョン万次郎漂流記」により直木賞を受賞。「本日休診」(読売文学賞)「漂民宇三郎」(芸術院賞)「黒い雨」(野間文芸賞)などの小説の他、詩集や随筆・紀行も数多い。66年(昭和41)、文化勲章受章。93年(平成5)没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • NAO

    戦中から戦後にかけて名を知られた泰秀雄という骨董屋をモデルとした小説。彼は骨董だけでなく料理屋もやっていて、戦後すぐ千駄ヶ谷で開いた「梅茶屋」は疎開先から帰ってきた友人たちで賑わい、文士のたまり場のようになって、小林秀雄、青山二郎、河上徹太郎、今日出海、三好達治などが毎日のように出入りしていたという。骨董屋同士の騙し合いから始まって、料亭を任されることになりその料亭から放り出される経緯などが面白おかしく描かれている。来宮という骨董好きの文士との交流が微笑ましいが、この来宮は小林秀雄だそうだ。

  • コーデ21

    昨年読んだ谷崎潤一郎の『台所太平記』同様、さすが文豪!と納得の一冊でした。骨董屋・珍品堂主人の周りの奇々怪々な(笑)人間模様や、料亭「途上園」の経営をめぐる生臭さなど、実に鮮やかな筆さばき✨ 最後まで飽きずに面白く読めました。TV「開運なんでも鑑定団」お好きな方に、おすすめの一冊かも〜(*´艸`*) ずいぶん前に読んだ村田喜代子著『人が見たら蛙に化れ』を再読したくなりました🎵

  • ワッピー

    何が潜むかわからず、自分の勘を信じて突き進むも、魔の域があり、魔の刻があるというのは、他の本でも知っていたけれども、ここまで自分のことを韜晦し、他人を出し抜き、それでも結局は何が何だかわからない、あな恐ろしきかな、骨董界。珍品堂主人も騙し、騙され、立て直しのために始めた料理屋商売がまたも泥沼に。どこまで本気で言っているのか、自分自身でも定かではないようなところに、なぜか突き抜けた良さがあります。珍品堂同行記「能登半島」、白洲正子さんのあとがきで3Dの珍品堂を楽しめます。世界は循環することを実感しました。

  • こすも

    今年は井伏鱒二の生誕120周年なんですね。今年1月刊行の増補新版は、自作解説的なエッセイに、珍品堂主人のモデルとなった秦秀雄に関する白州正子のエッセイ、秦秀雄との骨董品買い出し紀行まで収録され、まさに『珍品堂主人』完全版!といった趣です。この秦秀雄という人は、北大路魯山人が作った高級料亭・星岡茶寮の初代支配人で、魯山人と喧嘩して辞めてしまったのですが、この作品でも珍品堂主人は違った形で料亭を追い出されます。この作品は、リズム感溢れる軽妙な文体で珍品堂主人の人間臭さを描ききった、とっても可笑しい小説です。

  • 秋良

    凡人には分からない骨董狂いたちの腹の探り合い、化かし合いがすごい。相手を出し抜いたと思えば一杯食わされたり。巻末の、そんな骨董百鬼夜行を温かい目で見つめる白洲正子の解説が良い。

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