照子と瑠衣 TERUKO&LUI

井上荒野

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784396636517
ISBN 10 : 4396636512
フォーマット
出版社
発行年月
2023年10月
日本
追加情報
:
216p;19

内容詳細

照子と瑠衣はともに七十歳。ふたりにはずっと我慢していたことがあった。照子は妻を使用人のように扱う夫に。瑠衣は老人マンションでの、陰湿な嫌がらせやつまらぬ派閥争いに。我慢の限界に達したある日、瑠衣は照子に助けを求める。親友からのSOSに、照子は車で瑠衣のもとに駆けつける。その足で照子が向かった先は彼女の自宅ではなく、長野の山奥だった。新天地に来て、お金の心配を除き、ストレスのない暮らしを手に入れたふたり。照子と瑠衣は少しずつ自分の人生を取り戻していく。照子がこの地に来たのは、夫との暮らしを見限り、解放されるため。そしてもう一つ、照子には瑠衣に内緒の目的があった―。

【著者紹介】
井上荒野 : 1961年東京生まれ。成蹊大学文学部卒。89年「わたしのヌレエフ」で第1回フェミナ賞を受賞しデビュー。2004年『潤一』で第11回島清恋愛文学賞を受賞。08年『切羽へ』で第139回直木賞を受賞。11年『そこへ行くな』で第6回中央公論文芸賞を受賞。16年『赤へ』(祥伝社刊)で第29回柴田錬三郎賞を受賞。18年『その話は今日はやめておきましょう』で第35回織田作之助賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • starbro さん

    井上 荒野は、新作中心に読んでいる作家です。著者版、テルマ&ルイーズ、面白くなくはないのですが、ここまでパクっても問題ないのでしょうか❓ https://www.coffret-web.jp/terukotorui/

  • みっちゃん さん

    もう最高!それまでの人生をぶん投げて。大脱走する老女二人、ともに70歳。表紙の2人の何て愉しそうな痛快なその姿よ。こういう小説にありがちな「置いてきたもの」に対する心残りは一切ない。後ろは振り返らない。ただ前を向いて。その潔さ。潜伏先を持ち主もわからない空き別荘にするとか無謀すぎる、と思ったけどその場所を選んだ照子の真意には胸が熱くなった。お互いを思いやる心よ。エピローグ的な終章がまた秀逸。私にもまだやれる事がある。やったるぜ!痛快にして爽快なり。

  • モルク さん

    今年70才の専業主婦の照子とシャンソン歌手の瑠衣。同じ中学だったが付き合いは30才の時のクラス会から、それでも40年。照子はセックスつき家政婦としかみない夫から、瑠衣は人間関係の面倒な老人マンションから、と一緒に逃避行。晩秋の別荘地、居住者の留守の他人の家に二人は住み着く。法を犯しているのだがこのふたりを見ていると応援したくなる。回りの人々の優しさにも包まれ…それにしても照子の緻密な計画には恐れ入る。その本当の目的を知ったとき、友情って素晴らしい。かっこいいふたりの今後に拍手。

  • ネギっ子gen さん

    【逃げ出したのではない、見限ったのだ!】妻を見下す夫や老人マンションの陰湿な人間関係を見限った共に70歳の二人は、シルバーのBMWを駆って大脱走。劇画調の表紙イラストに萌ゆ。 “別離”のための荷造りで、<結婚後のアルバムもあるが、こちらは持っていかない。結婚式の写真も、パリへ新婚旅行へ行ったときの写真も、持っていきたいという気持ちには全然ならない。自分のその未練のなさに、照子は少し悲しくなり、それ以上に心強さを感じた>と。その凛とした決意に痺れる。BGMは、アバの「ダンシング・クイーン」。本屋大賞推し!⇒

  • 愛玉子 さん

    『そうね、それを目指しましょう。ちょっと悪そうな老女。』面倒くさい人間関係のしがらみを見限り、七十歳の照子と瑠衣はシルバーのBMWで走り出す。この二人がカッコいいったら!一緒にいてお互い我慢しない、させない。新しいことに挑戦する勇気がキラキラと眩しく、二人の友情が本当に素敵。ちょっぴり法を犯してはいるけれど、切羽詰まるほどでもないので安心して応援しながら読める。こんな友人がそばにいたら歳を取るのも悪くない、いや、きっと楽しい。荒野さん作品らしくご飯が美味しそうなのも良き。最高のバディに元気をもらえました。

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人物・団体紹介

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井上荒野

1961年、東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業。89年「わたしのヌレエフ」で第一回フェミナ賞、2004年『潤一』で第十一回島清恋愛文学賞、08年『切羽へ』で第一三九回直木賞受賞など、受賞作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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