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戦争調査会 幻の政府文書を読み解く 講談社現代新書

井上寿一

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062884532
ISBN 10 : 4062884534
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

戦争への道を検証する。1945年11月、幣原喜重郎内閣が立ち上げた国家プロジェクト=戦争調査会。多数の戦犯逮捕、公文書焼却という困難のなかおこなわれた40回超の会議。日本人自らの手で開戦、敗戦の原因を明らかにしようとしたものの、GHQによって1年弱で廃止された未完のプロジェクトの全貌。

目次 : はじめに(戦争検証の国家プロジェクト/ 四〇回以上もの会議、当事者インタビュー、独自の資料/ 敗戦直後の切実さ ほか)/ 第1部 戦争調査会とその時代(戦争調査会の始動/ 戦争調査会は何を調査するのか?/ 戦争回避の可能性を求めて ほか)/ 第2部 なぜ道を誤ったのか?(戦争の起源/ 戦争と平和のあいだ/ 日中戦争から日米開戦へ ほか)

【著者紹介】
井上寿一 : 1956年、東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業。同大学院法学研究科博士課程、学習院大学法学部教授などを経て、学習院大学学長。法学博士。専攻は日本政治外交史。内閣府公文書管理委員会委員、特定歴史公文書等不服審査分科会委員。著書に、『危機のなかの協調外交』(山川出版社、吉田茂賞)、など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • yoshida

    対米戦争の敗戦。その敗因は、そして戦争回避は出来なかったか。日本は自身の手で総括をしていない。東京裁判で戦勝国から一方的に裁かれたのみ。しかし敗戦後の幣原内閣で総括は進められていた。それは戦争調査会。政財軍民の各界から様々な人物を集め部会毎に約40回の会合が持たれた。しかしソ連やGHQ左派により戦争調査会は結論を出すことなく解散させられた。2016年に公開された資料から会の様子を読み解く。私見だが対米戦争回避は日中戦争の講和、独ソ戦開始前の状況ならば有り得たと思う。米国側はWW2参戦機会を狙っていたので、

  • 金吾

    ○戦争調査会の調査内容が広範かつ詳細であり、興味深い内容でした。特に各部会における論争は面白かったです。しかし戦争の起源の調査の初っ端が平野義太郎氏のような変節漢というのは驚きました。また馬場恒吾氏のソ連批判的思考はもっと外交筋がいうべきだったと思います。軍部特に海軍の増長、無責任や戦略的な考えのない政府は、誰でもわかる目先に懸命になり、長じては地位ではなく自分が偉くなったと思い、ノーブレスオブリージがなく国家を考えられないことから起因していると考えます。今に至る民族性でしょうか?

  • rico

    戦後間もなくこのような調査会が立ち上がっていたことは驚き。悲惨な結果に終わった原因を、政治・文化・軍事等様々な側面から分析し、未来の礎としようとした。連合国側の思惑で頓挫したが、この取組みが形になり共有されていれば、日本の姿はずいぶん違ったものになっていたのではないか。委員の1人が言っている。「敵が悪いが、負けたから、皆悪いことを日本が背負って居るということで、本当に後悔している人は少ない。」70年以上経った今もこの状況は続いていてるような気がする。たまたまだけど、12月8日に読了。

  • skunk_c

    前段は戦争調査会の顛末、後半は残された資料から戦争への道と終戦がなぜ遅れたかについて著者が論考した内容。前半は会の存在を知らなかったので興味深かった。後半は調査会の資料の内容には興味を引かれたが、そこから著者が引き出した部分は最近の通説と大きく変わるものではなく、ちょっと期待はずれ。とはいえ、この辺の歴史をコンパクトにまとめたものとしては悪くはない。サイパン陥落という絶対国防圏崩壊後に戦争を続けたことによる犠牲の増大に言及はあるが、なぜその段階で終戦工作に臨まなかったのかの分析はない。そこが問題と思うが。

  • Akihiro Nishio

    戦後直ぐに当時の首相幣原により、政治外交、軍事、経済、思想文化、科学技術の5部会から、どうして戦争が起きてしまったのか、どこで引き返すことができたのかを研究し、将来の平和に貢献しようという大プロジェクトがあった。それが戦争調査会であった。改めて見ると多くの分岐点があり、戦争は必然ではなかった。さらに残念なのは軍事の部会が開かれなかったこと。結局、軍部が当時どうしてそうした判断をしたかがわからないので、最も重要な部分は謎に包まれたままである。最近まで、この調査資料が非公開であったというのも残念。

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