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マルク・ブロックを読む 岩波現代文庫

二宮宏之

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784006003401
ISBN 10 : 4006003404
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2016
Japan

Content Description

『封建社会』『王の奇跡』などの著書で知られ、L.フェーヴルとともに雑誌『アナール』を創刊し、現代歴史学に革命を起こした歴史家マルク・ブロック。ユダヤ系の出自を持ち激動の時代を生きた、その波瀾万丈の生涯と三つの主著、学問史における位置づけなどについて、アナール学派の方法に学び、自らの「社会史」を追求したフランス史の碩学である著者が、わかりやすく解説する。

目次 : 第1講 時代に立ち向かうブロック(ブロックとの出会い/ 過去の重荷/ 歴史家ブロック/ 試煉のとき)/ 第2講 学問史のなかのブロック(新しい学問の胎動/ 『アナール』誌創刊/ 三位一体―ベール・フェーヴル・ブロック)/ 第3講 作品の仕組みを読む(三つの主著(1)『王の奇跡』/ 三つの主著(2)『フランス農村史の基本性格』)/ 第4講 作品の仕組みを読む(つづき)(三つの主著(3)『封建社会』/ 歴史家の仕事―『歴史のための弁明』)/ 第5講 生きられた歴史

【著者紹介】
二宮宏之 : 1932‐2006年。東京大学文学部西洋史学科卒業。フランス社会史専攻。東京外国語大学、電気通信大学、フェリス女学院大学などで教鞭をとる。東京外国語大学・フェリス女学院大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ラウリスタ〜

    『封建社会』や『王の奇跡』で知られる歴史家ブロック(アルザス出身、ユダヤ人)が、フェーブルと共に新たな歴史学(アナール学派)を形成し、第二次大戦時にはその血筋のために大学を追われ、ついにはレジスタンスに身を投じ亡くなるまでの物語を、歴史学的な重要性、伝記的波乱、そして戦後日本への重要性(封建制脱却)の観点から描き出す。市民セミナー講義をもとにしているため、門外漢からしても分かりやすい。蛸壺化する歴史学を批判し、より大局的に見るために、国境線にとらわれずに封建制、耕地制度といった視点からヨーロッパ的に再把握

  • うえ

    アナール誌に封建制について執筆者を探しているときに、ホイジンガが検討されたことがあっという。しかしブロックはそれに反対しているとは。「ホイジンガの作品は、マンタリテの歴史や感性の歴史へと進んできたアナールの歴史学にとって、まさに先駆者というべき重要な仕事と思えるのですが、意外なことに、フェーヴルもブロックも、いたって点が辛いのです。「かれはたいへん博識だが、対象とする領域がいたって狭い」というんですね」あとはブロックの『王の奇跡』がきちんと注目されたのがガリマールが再販した1983年というのも驚きである。

  • アメヲトコ

    単行本2005年刊、16年文庫化。フランスのアナール学派の代表的歴史家であるマルク・ブロックの生涯とその代表作の意義について講義形式で語った一冊です。人間と自然の関係史や心性への着目など、戦前の仕事とは思えないブロックの先駆性に驚かされます。また本書は著者二宮氏の生涯最後の書籍でもあって、歴史家としての二宮氏の熱い思いがブロックの仕事の紹介を通じて垣間見られます。

  • ロラン

    社会史研究者の二宮教授(故人)によるブロックの紹介本。アナール学派のことなどよく知らずに読みましたが、そのレベルの人にちょうどよい入門書でした。フランス人として、ユダヤ人として、レジスタンスとして、歴史学者として、ブロックが何と戦ったのかがよく分かる本です。ブロックの著作の紹介ももちろん充実していますが、その生涯について多くの字数が割かれています。歴史を記述する者が歩んだ人生もまた、その後の歴史の一部となるのだと思うと、尚更感慨深いものがあります。この後続けて、『歴史のための弁明』も読むつもりです。

  • Ikkoku-Kan Is Forever..!!

    中世社会には「闘う人」「働く人」「祈る人」がいたとし、人的関係から土地を介した間接的関係へと変化していく「闘う人」達の様子を「封建制」の歴史として、土地を介した関係から資本に基づく人的関係へと変化していく「働く人」達の様子を「領主制」の歴史としてそれぞれ描きながら、決定的な勝利者=調停者なきアナーキな社会に「神の平和」を与えた「祈る人」達との三角関係を描こうとする。歴史をその時代の人間の総体として描いたブロックを通じて、ブロック自身の問い「人間の生き方と歴史はどのように関わるか」という命題を改めて考える。

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