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連帯のための実験社会科学 共感・分配・秩序 シリーズ ソーシャル・サイエンス

亀田達也

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784000269933
ISBN 10 : 4000269933
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「実験」という技術を用いて人間の行動や社会はどこまで探究できるのか?生理・脳レベルの検討からヒトの社会行動のマクロな理解に至るまで、「共感」をキーワードに、社会科学が自然科学とどう有機的に関わることができるのかを考える。震災とコロナ禍で切実さを増した人間理解への真摯な挑戦であり、次世代の研究への展望の書。

目次 : 第1章 なぜ「連帯」を考えるか(「文系にいったい何ができるというのか!?」/ 実験社会科学という試み ほか)/ 第2章 共感性の諸相(原初的共感/ 情動的共感 ほか)/ 第3章 分配の正義を考える(分配の正義とは?/ 分配の正義を気にするのはヒトだけか? ほか)/ 第4章 秩序問題をめぐって(秩序問題とは?/ 罰のもたらす意図せざる結果―クラウディングアウト現象 ほか)/ 第5章 実験社会科学を鍛えるために(ラボ実験の長所・短所/ 今・ここを捉える―計算社会科学の登場 ほか)

【著者紹介】
亀田達也 : 1960年生。東京大学大学院社会学研究科修士課程、イリノイ大学大学院心理学研究科博士課程修了。Ph.D.(心理学)。実験社会科学、社会心理学、行動生態学。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • buuupuuu

    共感には情動的なものと認知的なものとがあるとしばしば言われるが、両者は関連する脳の部位も異なっているのだという。情動的に共感する人が利他的に振る舞えるというわけではない。また人はリスク下での意思決定と社会的分配を類似の問題と捉えており、その点でロールズの思考実験は的を得ているという。しかし必ずしもマキシミン的な選択がなされるわけではない。功利主義的、平等主義的、マキシミン的な選択の間の微妙な関係が実験で明らかにされるところが面白い。金銭的なインセンティブが思い遣りを締め出してしまうという話も興味深い。

  • nagoyan

    秀。岩波の「シリーズ・ソーシャル・サイエンス」の一冊。文系学問の中で近年進展「著しい」実験社会科学を、「共感」「分配」「秩序」という文系学問がかねて考察の対象としてきた話題にそって紹介していく。共感する能力は、人間が進化の過程で獲得してきたもの。近しいコミュニティを前提とした「情動的共感」は、現代社会では時として問題を起こす。他者の境遇に対する理解を前提とする「認知的共感」が鍵か。分配問題では、ヒトはロールズのマキシミンルールに近い正義感情を抱くことが明らかに。無知のベールではなく、狩猟採集社会に起源か。

  • 天婦羅★三杯酢

    社会科学で”実験”は出来ない。ずっとそんな事を思っていたけど、今世の中は色々な知見を組合せながらそんな昔の”常識”を覆そうとしている。ヒト(霊長類の一種としての)にはバイアスがあり、そのバイアスは適切な手段で可視化することが出来る。ただ、そのバイアスをどのように生かすか、に関しては、この実験上から直ちに導かれるわけでもない。むしろここから、どの価値を生かすのかという”生存競争”の話になっていくのだろう。

  • Go Extreme

    なぜ「連帯」を考えるか: 文系にいったい何ができるというのか⁉ 実験社会科学という試み 適応合理的人間観の普及 4つのなぜ 共感性の諸相: 原初的共感 情動的共感 災害時の思いやり 認知的共感 分配の正義を考える: 気にするのはヒトだけか 規範としての分配 ロールズの正義論の経験的基礎 不平等回避を腑分け 秩序問題をめぐって: クラウディングアウト現象 公共財問題とサンクション(賞罰)制度 実験社会科学を鍛える: ラボ実験の長所・短所 今・ここを捉える―計算社会科学の登場 政策志向の大規模社会実験

  • inu

    著者による『モラルの起源』の発展版のような本。実験内容についての紹介が充実しており面白い。特に3章の「ロールズの正義論の経験的基礎を探る」と4章のクラウディングアウト現象についての解説が面白かった。5章でラボ実験の限界にも触れられている。

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