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顔に取り憑かれた脳 講談社現代新書

中野珠実

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065338728
ISBN 10 : 4065338727
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2023
Japan

Content Description

SNSにあふれる、加工された顔写真。思い出がつまったスマートフォンの写真フォルダにも加工写真が並ぶという人もいるかもしれません――なぜ私たちは自分の“理想の顔”を追い求めるのでしょうか。そのカギとなる「脳の働き」に最新科学で迫るとともに、「顔と脳」にまつわる気になるトピックを、国内外の研究を交えて紹介します。

毎日眺める「自分の顔」、その深遠さを私たちはまだ知らないのかもしれません。

【本書のおもな内容】
・脳の底に横たわる、巨大な「顔認識ネットワーク」
・加工写真に反応する脳の部位とは
・人が覚えている顔の数は‥推定5000人!
・卒業アルバムを懐かしがるのは高度な能力
・偶然できた模様や形が「顔」に見えるふしぎ
・「つらい時ほど、笑顔」は間違い?
・赤ちゃんはサルの顔も見分けられる?
・「真の笑顔」と「偽の笑顔」
・まるで実在する人物。人工知能がつくりだす「偽顔」
・素顔が果たす「通路」の役割とは

【目次】
第1章 顔を見る脳の仕組み
第2章 自分の顔と出会うとき
第3章 自分の顔に夢中になる脳
第4章 自己と他者をつなぐ顔
第5章 未来社会における顔


【著者紹介】
中野珠実 : 1976年、東京都生まれ。1999年、東京大学教育学部卒業。2009年、同大大学院教育学研究科修了。博士(教育学)。順天堂大学医学部助教、大阪大学大学院医学研究科・生命機能研究科准教授を経て、2023年より大阪大学大学院情報学研究科教授。情報通信研究機構(NICT)・脳情報通信融合研究センター(CiNet)主任研究員。身体・脳・社会の相互作用から生まれる心の仕組みに関する研究を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • アキ

    生まれたばかりの新生児の視力は0.01程度であるが、人の顔に自然と目が向いていることが実験により確かめられている。生後5ヶ月になると人種による顔の違いや表情も見分けことができるようになる。鏡による自己認知ができるようになるのは2歳頃であり、社会的な自己意識が形成される素地が生まれる。逆にアルツハイマー認知症になると鏡像自己認知が困難となる。他人の顔に比べて自分の顔をアプリで加工する際に、自分の顔には加工を強めにしてしまうのはドーパミン報酬系から説明可能である。安部公房「他人の顔」からの引用も示唆深い。

  • よっち

    ネット上は過度に加工された顔で溢れているデジタル時代の今、なぜ、人間は理想の顔に取り憑かれるのか。鏡に映る自分の顔が持つ新たな意味。「脳の働き」に最新科学で迫ることで浮かび上がってきた、他者と自分を繋ぐ上での顔の重要性と、それを支える脳の多様で複雑な機能の存在。脳の巨大な顔認識ネットワークや、人が覚えている顔の数、偶然できた模様や形が「顔」に見える不思議、真の笑顔と偽の笑顔など、顔を見る脳の仕組みや 自分の顔と出会い夢中になる脳のメカニズム、自己と他者を繋ぐ顔の役割などについてなかなか興味深く読みました。

  • hitomi

    読売新聞の書評を読んで。脳についての専門的な説明は斜め読みでしたが、全体的に面白かったです。人間は自分の顔が大好きなことや、顔写真の加工や美容整形にのめり込んでしまう理由、瞬きで会話の間を共有していることなど、勉強になりました。以前「気分は表情に左右されるので、笑顔でいれば楽しくなる」と聞いたことがあったのですが、本書に「落ち込んでいるときに無理やり笑顔をつくると、かえって幸福度が低下するという研究報告がある」と書いてあり驚きました。脳については未解明なことが多いので、今後の研究に期待します。

  • ATS

    脳科学の結構ややこしい話なのであるが筆者が平易に書いてくれているので難なく読めた。SNSにはアプリを使って盛りまくった顔が溢れかえっているがそれがドーパミン報酬系の依存的なものによるとは興味深かった。しかし「盛り」は一定のところで止まって化け物のようになることは少ない。それは扁桃体が活動することでドーパミン報酬系にブレーキをかけるからとのこと。ちなみに盛りすぎると魅力度は右肩下がりで落ちていき元画像よりも魅力がなくなるようだ。脳がいかに精密に顔を分析しているかわかって想像以上に面白かった。

  • Katsuto Yoshinaga

    人は顔をどう認識しているのかについて、脳科学からメカニズムを解説した硬派な一冊だが、これがなかなかわかりやすい良書だった。「鏡像認知ができる哺乳類は、大型類人猿、イルカ、鯨、象だけ。フォン・エコノモ・ニューロンという神経細胞を持っているから」とか、「アルツハイマー型認知症は、象徴化機能と同一化機能に障害が起き自己意識が解体されることで、鏡像自己認知ができなくなる」といったあたりが、個人的には興味深く夜更かしして読んでしまった。他にもロボット工学の「無気味の谷」等、興味が尽きなかった。(コメに続く)

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