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幻の五大美術館と明治の実業家たち

中野明

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784396114077
ISBN 10 : 4396114079
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

大倉集古館、大原美術館、根津美術館など、実業家の蒐集品を展示する人気美術館は多い。その一方で、設立の夢を果たせなかった美術館があったことをご存知だろうか。本書はそれを、「幻の美術館」と呼ぶ。紹介する五館は、質量ともに十分なコレクションを所蔵。蒐集した実業家たちも公開をめざしていた。頓挫した背景にはいかなる事情があったのか?夢が叶っていたら、どんな美術館になっていたのか?わずかに残されていた貴重な資料をたどり、その全貌を明らかにする。美術・歴史愛好家、垂涎の一冊!

目次 : プロローグ(大倉喜八郎と大倉集古館/ 藤田伝三郎と藤田美術館/ 根津嘉一郎と根津美術館/ 「幻の美術館」に終わった人たち)/ 第1章 大茶人 益田孝と小田原掃雲台「鈍翁美術館」(三井の大番頭・益田孝/ 大茶人で希代の美術品収集家/ 井上馨との出会い ほか)/ 第2章 生糸王 原富太郎と横浜三之谷「三溪美術館」(古建築のテーマパーク/ 原家の入り婿/ 原商店から合名会社へ ほか)/ 第3章 造船王 川崎正蔵と神戸布引「川崎美術館」(高橋箒庵の神戸行き/ 川崎正蔵の鳴かず飛ばずの前半生/ 造船業ブームの波に乗る川崎正蔵 ほか)/ 第4章 勝負師 松方幸次郎と東京麻布「共楽美術館」(林権助の言葉/ 株式会社川崎造船所の初代社長に就任/ 第一次世界大戦の勃発と大造船ブーム ほか)/ 第5章 美術商 林忠正と東京銀座「近代西洋美術館」(希代の画商・林忠正/ 起立工商会社の臨時通訳としてパリへ/ フランスで巻き起こった浮世絵ブーム ほか)/ エピローグ(彼らの美術館はなぜ幻に終わったのか/ 幻の美術館に残る未練)

【著者紹介】
中野明 : ノンフィクション作家。1962年、滋賀県生まれ。同志社大学非常勤講師。歴史・経済・情報の三分野で執筆する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • なる

    例えば都内の美術館は実業家が建てていることが多い。三井、三菱、住友泉屋、五島、根津、出光、石橋アーティゾン、大倉など。全国にも多数。これらが現在まで残っているのとは対照的に、同じように財を成して美術品を収集し美術館の構想を持ちながらそれが叶わなかった五つの逸話を紹介している。茶人の益田孝、生糸の原三渓、造船の川崎正蔵や松方幸次郎、そして美術商の林忠正。税金、震災、不況さまざまな理由で果たせなかった夢と散逸した美術品のその後が興味深い。美術品の海外流出の理由もよく調べられていて政府のいい加減さが衝撃。

  • オサム兄ぃ

    三井の大番頭にして大茶人・益田鈍翁。生糸王、横浜市関東大震災復興の大恩人・原三渓。薩摩下級武士から造船王に登り詰めた川崎正蔵。川崎から造船所社長を託され、絵画市場にバロン・マツカタの名を轟かせた松方幸次郎。浮世絵輸出し、近代西洋文化を持ち帰ろうとした林忠正。文明開化以降、書画骨董が美術品に変貌していく時代にコレクションを築き、美術館設立を夢見て果たせなかった5人の物語だ。「目垢が付く」と、お宝を披露しない所蔵家の情が愉快。オヤジ臭い「ええやないか、減るもんやなし」的な要求は文化的じゃないんですね、はい。

  • 和草(にこぐさ)

    美術品を蒐集し美術館を建てるのを夢みた実業家達。ここまで、美術品にお金をつぎ込めるパトロン達はいないでしょうね。

  • abs862618

    Kindle Unlimitedで。面白かった。行ったことのある美術館や土地柄、観たことのある作品の話が多く馴染みがあったし、前々から何故こんなところにこんな名品が?と思うものの、中々来歴分かってなくて歯痒かったので意外な繋がりが本当に面白かった。昨年は松方コレクション展や藤田美術館展、原三渓展、佐竹本展等々本書に出てくるコレクター達に関する展覧会が多く開催された事もあり、読んでいるうちに展示内容も思い出され、一層理解が深まった。彼らが問題提起したことが現代になってもまだ解決されていないように感じる。

  • 秋津

    明治から昭和にかけて、美術品の収集家でもあった5人の実業家を取り上げ、彼らが設立を目指して結局果たせなかった「幻の美術館」をテーマとした一冊。コレクター(とその周囲の人)をやきもきさせる、没後のコレクションの扱いという問題が国レベルまで大きくなったお話。「お金があっても見る目がね」だけではなく「見る目があってもお金がね」という問題もあるのが何とも。後は本書における浮世絵の事例のように、当時放置していたくせに後になって「美術品の海外流出が云々」だとか文句付けるのは滑稽ですねと。

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