私はなぜイスラーム教徒になったのか

中田考

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784778314460
ISBN 10 : 4778314468
フォーマット
出版社
発行年月
2015年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
中田考 ,  
追加情報
:
267p;19

内容詳細

世界の5人に1人がムスリム(イスラーム教徒)なのに、日本人は誰もイスラームのことを理解していない。数少ない日本人ムスリムにしてイスラーム政治学の世界的権威である著者が、イスラームの信仰と生活と文化と思想を、自らの半生とともにイスラームの精髄を語る!

目次

1章 イスラーム教徒はどこにいるか?
イスラーム国家なんてない
アッラー以外の権威を認めない
身体化されてしまった国民国家システム
イスラームと国民国家との板挟み
破壊された時間
いまなぜカリフ制なのか

2章 イスラームとはどのような宗教か
イスラーム教徒になるには
なってもなにも変わらない!?
『クルアーン』ではイエスは復活しない
ムハンマドと『クルアーン』
奇跡物語と無縁な啓典
シャリーアは恩寵である
なぜ法学が重要なのか?
ハラール認証という欺瞞
雪だるまは反イスラーム的?
イスラームに「自由」はない?
民主主義とは制限選挙寡頭制のこと
命の値段はラクダ百頭
領域国民国家という反イスラーム的イデオロギー
イスラーム組織は反イスラーム?
モスクはイスラーム寺院ではない
イスラームは政教一致ではない
政教一致のシーア派

3章 余はいかにしてイスラーム教徒になったか
プロレスと将棋と読書と
イスラームへの関心
ムスリムになる
イスラーム学とオリエンタリズム
いざ、カイロへ!
人にだまされ、犬に吠えられ
イスラームはスーパーボジティブ?
アラブのIBMという偏見
気前の良さこそ美徳
あるものは、どんどん回せ!
うそだらけのイスラーム金融

4章 サラフィーとスーフィーと
家庭教師はイスラーム主義者
敵は黒魔術!
助け合うサラフィー
逮捕、釈放、また逮捕
ラマダーンの夜のスーフィー
ナクシュバンディー教団のオランダ人シェイク
湾岸戦争勃発
終末の前触れとしての湾岸戦争
「家にこもっていなさい」とスーフィーはいった
スーフィーと聖者崇拝
なぜサラフィー主義者はスーフィーを批判するのか
イスラームにパワースポットはない?
先生はエライ
スーフィーの神秘体験の本質

5章 なぜカリフ制再興なのか
サウディアラビアへ
解放党の思想との出会い
ダール・アル=イスラームとダール・アル=ハルブ
イスラーム法よりカリフ制再興が先
9.11~イラク戦争~イスラーム国
だれも予想できなかった「アラブの春」
ムスリムのアジールがない時代
人の内心に干渉せず
負け続けつつ、干渉されない世界を
シーア派とスンナ派の共存は可能か
価値観を共有できない相手との対話のために
タリバンを日本に招く
日本人がイスラームを学ぶ意味

ユーザーレビュー

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読書メーターレビュー

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  • Koning さん

    田中によるインタビュー再構成で、存外カジュアルな雰囲気を出しつつ言ってることはやっぱりガチ(笑)。でも色々と目から鱗がぼろぼろ落ちることになるだろうあれこれを述べられているのでその辺はなんだかやっぱり分からないって人が読むにもよろしいんじゃないかと(本当にわかるのか?という気はしなくもないが)。弟子へのインタビューが一番の見所かもしれません。

  • nizimasu さん

    イスラーム国の問題でクローズアップされた中田さんだが、この本はある種の信仰告白であり、カリフ制の復興を願う氏の主張があますことなく収められている。決して簡単な内容ではないが、イスラム教を以前よりは身近に感じられたのは確か。それに神秘主義やサラフィーなどの流れもかなりわかりやすく書いていて読むと目から鱗の部分が多かった。それにしてもかなりの変わった方みたいなのは間違いないみたいで、こうした人にはイスラムの世界とは寛大でかつ自由に目に映るというのは、実際に入信しないとわからないようだ。ユニークな視点でもある

  • kenitirokikuti さん

    「国士」として振る舞う佐藤優が中田考を危険人物ないし問題人物と見ていたことを思い出した。突き詰めると(いや、突き詰めなくても)、ムスリムは来世が本番なので、また全ては神が決めることなので、この世はどうでもいいことがよく分かる。また、神以外に神はなくムハンマドが神の使徒である、と言ったならばそれで全てであり、キリスト教のように不合理を信じる必要があったり、仏教のように克己して修行しなくてもよい。まぁ、究極のアナーキーだよな。ムスリムになっても特に実利はない、あったとしてもたまたま(インシャー・アッラー)

  • ヨータン さん

    イスラム教になるというと大変なプロセスが待ち受けているんだなと思っていましたが、こんなに簡単になれ、規律も緩いのに驚きでした。日本ではイスラム教に関しては、間違ったイメージばかり先行してしまうけど、しっかりとした知識を持って偏見をなくすことも必要だと思いました。

  • makimakimasa さん

    著者の母は神主の一族だが、特にその影響は無かったという。英語の勉強の為に小学時代から教会に通い、そこで漠然と神への信仰心を持ち、大学で聖書研究会に入る。次第にキリスト教の論理的整合性に疑問を持ち、3年時に新設された東大イスラム学科の第一期生となって、その学年末に21歳で入信。その件、非常にあっさりとしか書かれていない。結局5章のうち4章はイスラム教の「劇薬」的な解説で、一番知りたかった話が浅過ぎる。その解説にしても、今この世で正しいイスラムを実践しているムスリムは自分も含め誰もいないというからびっくりだ。

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