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ヘンリー・スティムソンと「アメリカの世紀」

中沢志保

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784336057792
ISBN 10 : 4336057796
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2014
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

激動の時代の苦闘と決断。高潔な賢人と言われながら、なぜスティムソンは原爆投下を進言したのか?第二次世界大戦後の核管理の問題は、アメリカ政府内でいかに捉えられていたのか?アメリカ政府の要職を歴任したスティムソンの生涯と思想を辿りながら、現代世界にも通ずる国際社会における平和と戦争の問題に迫る。

目次 : 第1章 公職者への道/ 第2章 アメリカのリーダーシップを求めて/ 第3章 第二次世界大戦と勝利の追求/ 第4章 「最も恐ろしい兵器」/ 第5章 ハーパーズ論文と「公式解釈」/ 第6章 戦後構想/ 第7章 次世代への提言

【著者紹介】
中沢志保 : 1955年長野県生まれ。津田塾大学大学院国際関係学研究科博士課程満期退学。現在、文化学園大学現代文化学部教授。専攻、国際関係学・国際政治史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ジュンジュン

    これまでは「スティムソンドクトリン」で辛うじて記憶に残っていた人物。でも実際は、20世紀前半、党派を超えて政権中枢に位置し続けた実力者。特に、ローズベルト政権下で陸軍長官として、原爆開発・投下に終始関与したのは重要。国益に忠実なのは当然として、強大な力と同等の倫理観を備える大国を標榜する。エスタブリッシュメントとして、一つの理想形だろう。”らしい”表現なのだろう、何度も著者が引用する、「信頼を得る最良の方法は、相手を信頼することである」(ヘンリースティムソン)。

  • 黒豆

    戦前戦中戦後アメリカの閣僚として政策立案実行の中心となった人物。また、核兵器が持つ特異な性格と脅威に最初に気付き、原爆投下決定に圧倒的な発言力を持っていたが投下に反対はしなかった。なぜアメリカは原爆を二度も使ったのか? 人体実験が目的だったのでないか?確認したいという視点で本書を読んた。公式な立場は「原爆投下は、戦争の終結を早め、予定されていた日本本土への上陸を無用にし、結果として多くのアメリカ兵の命を救ったゆえに正当な決定であった」一方、効果を検証するため破壊されていない都市を選んだ。

  • hill.384

    政府閣僚を歴任し、「高潔な賢人」として今も多くの人々の尊敬を集めるスティムソン。表題の通り、彼の歩みとアメリカの大国化の道程は軌を一にしてきたといえる。彼は外交における品位や道徳を極めて重視していたと同時に、リアリスティックな側面を併せ持つ人物でもあった。第二次世界大戦の終結に際して、日本への原子爆弾投下の決定にスティムソンは重要な役割を演じた。戦後の国際社会を見据えた上で、個人と国家の異なった道徳のレベルにおける政治判断を下すことの困難さは計り知れない。日本人の著者による貴重なスティムソン評伝。

  • ひろ

    私の他界した祖母はカリフォルニアで生まれた日系二世だった。祖母の古い米国籍パスポートに国務長官の署名があったのがスティムソンを知るきっかけで、その後 祖母の両親や兄弟を苦しめた日系人強制収容や原爆の投下に携わったことを知り 憎しみに近い感情を抱いていた。 本書を読んで、それまで持っていた差別的・好戦的なイメージが覆り思慮深く高潔な人物であったこと、また当時の外交が結果はどうあれ熟慮と現実的目線、倫理的リーダーシップに基づいていたことを知った。70年以上経った現在のトランプ政権の退化は嘆かわしい限り。

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